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All Chapters of 血と束縛と: Chapter 1171 - Chapter 1180

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第33話(24)

 和彦は背を弓なりに反らして、意識が舞い上がるような感覚に襲われる。ほんのわずかな間だったのか、それとも何十秒も続いていたのか認識できなかったが、ふと息苦しさを感じて、大きく息を吸い込む。同時に、一気に体中の力が抜けた。「大丈夫か?」 そう問いかけてきた賢吾に、和彦は頷き返すこともできない。頭がふらつき、自分の体も支えられないのだ。見かねたように千尋が腕を伸ばしてきて、抱き寄せられる。賢吾との繋がりが解けた途端、内奥からドロリと二人分の精が溢れ出し、反射的に体を強張らせる。できることなら、こんな姿を見られたくないのに、長嶺の男たちは気にしないどころか、むしろ自分たちの成果として確認したがった。「嫌、だ……」 和彦は弱々しい声で訴えたが、当然のように聞き入れられない。今夜、できうる限りの淫らな行為に耽りたいという思いが、男たちにはあるようだ。 布団に仰向けで横たえられ、力をなくした両足を容赦なく賢吾に掴み上げられる。二人の男の欲望にこじ開けられ、擦り上げられた内奥は閉じることもかなわず、浅ましくひくついている。白濁とした精を垂らす一方で、組み紐で縛められた欲望は反り返ったまま、先端を透明なしずくで濡らしていた。和彦の淫奔さを雄弁に物語っている部分を、まるで視線で愛撫をするかのように、三人の男たちに凝視される。 快感で蕩けた頭でも、わずかながら羞恥を感じる思考力は残っていた。和彦はやめてくれるよう哀願していたが、当然のように無視された。「うあっ、あっ――……」 欲望に巻きつく組み紐をなぞるように、賢吾の舌先が卑猥に動く。欲望を舐めているようで、直に舌先が触れているわけではないもどかしい刺激に、和彦は腰を揺らす。呻き声を洩らすと、枕元に這い寄ってきた千尋が身を伏せ、和彦の唇をペロリと舐めてきた。 父子の舌が、同時に和彦の欲望と口腔を嬲り始める。快感による地獄だと思った。これまでも、賢吾と千尋と同時に交わったことはあるが、ここまで切迫した感覚には襲われなかった。今の和彦は、とにかく与えられる快感が怖い。抜け出せなくなりそうで。 和彦のすべてを貪り尽くす前に、ようやく賢吾と千尋が体を離す。このとき
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第33話(25)

 欲望への愛撫に合わせて、ゆっくりと内奥を突かれる。「ふあっ……、あっ、あっ……ん、あぁっ――」 千尋にも賢吾にもない落ち着いた攻めに、和彦は静かに狂わされていく。自覚もないまま両足を大きく左右に開き、背をしならせるようにして、内奥深くで刻まれる守光の律動をよりしっかりと感じていた。「あんたはもう数えきれんほど、長嶺の男たちと交わり、精を受けてきた。こうして、じっくりと丹念に中にすり込まれていると、自分と長嶺の男たちと溶け合っているという感覚にならんかね」 守光の言葉に唆されたように、内奥を行き来する熱い欲望をきつく締め付ける。守光が抉るように内奥深くを突き上げてきた。「あんたのこの反応は、肯定と受け止めていいんだろう。――医者のあんたからすると、バカバカしいと嘲笑うかもしれんが、わしは、あんたが長嶺の血を受け入れてくれていると思っている。溢れるほどの精を受け入れ、情を受け入れ、子は成せんが、あんたは長嶺という家の繁栄のために欠かせない人間だ。宝だよ」 意識は朦朧としていても、守光がとんでもないことを言っているということはわかる。言葉が発せない代わりに和彦は必死に首を横に振るが、守光は薄い笑みを浮かべ、覆い被さってくる。唇を塞がれ、深い口づけを与えられていた。 内奥に深々と欲望を穿たれているうちに、肉の悦びの虜となる。浅ましく腰を揺らして、守光に応えていた。それを待っていたようにこう囁かれる。「この先もずっと、長嶺の男たちの側にいてくれ。よく尽くし、よく支え、よく愛してほしい。その見返りとして、わしらも、あんたに尽くし、支え、愛す。今晩のこれは、その契約を交わすためだ。決して裏切ることのない、裏切ることを許さない、血の契約だ」 守光の言葉は、恫喝だ。この状況で和彦が逆らえるはずもなく、否という返事を、長嶺の男たちは最初から聞き入れる気はない。 恐怖に押し潰されても不思議ではないのに、和彦の体は歓喜していた。頭上に伸ばした両手を、それぞれ賢吾と千尋に握り締められ、反射的に握り返してしまう。「ぼ、くは――、何も、できな……」「あんたは、あん
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第33話(26)

**** 和彦がようやく目を覚ましたのは、午前十時を少し過ぎた頃だった。 全身の力を奪い取られたようなひどい脱力感と腰に残る疼痛に、昨夜の出来事が本当にわが身に起こったのだと実感し、しばし呆然としてしまう。 空恐ろしさと不安、強い羞恥といった感情にたっぷり苛まれていたが、いつまでも布団の中にいるわけにもいかず、苦労して布団から出て、なんとか着替えを済ませる。このとき気づいたが、誰かが丁寧に後始末をしてくれたらしく、行為のあと特有の肌に残る不快さはまったくなかった。それでも体の奥には、まだしっかりと、長嶺の男たちの残滓が感じられる。 守光に言われた言葉を思い返し、なぜだか胸の奥が疼いた。そんな自分の反応に、和彦は戸惑う。まるで、あの行為を喜んでいるようだと思ったからだ。 しかし、今はあれこれ考えるには、気力も体力もあまりに足りない。 深くため息をついてから、覚悟を決めて襖を開ける。隣の部屋を覗いてみたが、そこには誰の姿もなかった。 座卓に歩み寄ると、メモ用紙が置いてあり、そこに千尋の字で、賢吾とともに挨拶回りに行ってくると書かれていた。『ゆっくり休んで』という一言も添えられており、和彦としては苦笑を洩らすしかない。 ふらつく足取りで窓に歩み寄り、外の景色を眺める。 強い陽射しが降り注ぐ砂浜に人の姿はなく、海は穏やかだ。一昨日、海で泳いで楽しんだばかりだというのに、もう遠い日の出来事のように感じられる。一足先に、自分の中で夏が終わってしまったかのようだ。 ぼんやりしていた和彦だが、微かに携帯電話の着信音が聞こえて我に返る。自分の携帯電話だと気づき、反射的に室内を見回してから、慌てて隣の寝室に戻る。電話の相手は中嶋だった。『もしかして、まだお休みでしたか?』「いや、起きたところだ」『それはよかった。実は長嶺組長から、先生のお世話を頼まれたんです。本来なら三田村さんの役目なんでしょうけど、長嶺組長たちと一緒に出られたので、それで俺に』 内心、中嶋でよかったと安堵していた。ふらふらになっている自分の姿を、あまり三田村には晒したくなかったのだ。あらゆる痴態
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第33話(27)

「あんたの、いかにも清潔そうなきれいなうなじは、こうして日焼けすると、色気が増すな。そう思っているのは、俺だけじゃないだろ。鬱血の跡が残っている。昨夜誰かが吸い付いたんだな」 そんなことを言いながら、うなじをベロリと舐め上げられる。さらに首筋にも唇が這わされ、耳朶に軽く歯が立てられていた。足元がふらつき、堪らず和彦は窓に手を突く。「髪はもう少し短くして、しっかりと耳を出したらどうだ。着物がもっと映える。あんたが自分で思っているより、あんたは着物が似合う。もっと着てほしい。色男がきちんとした格好をしているのは、見ていて気持ちいいしな」 勝手なことを言う男の片手が、ポロシャツの上から和彦の体を撫で回してくる。昨夜、三人もの男たちに愛された体はまだ脆いままで、容易に肌がざわつく。ただ、この男は違うと、けたたましい警告音が頭の中で鳴り響くのだ。「やめてください、南郷さんっ……」 ようやく和彦が声を発すると、耳元で笑った気配がした。「ヤりすぎて、ふらふらになっているあんたは、目の毒だ。今朝、宿を出て行った長嶺の男たちは、対照的に精力が漲って、溌剌としていたがな。あんたを抱くと、何かしらありがたい効能があるのかもな」「……バカバカしい……」 吐き捨てるように応じて、南郷の腕の中から抜け出そうとしたが、それを許すほど甘い男ではない。肩を掴まれて体の向きを変えられていた。威圧的に南郷に迫られて後ずさろうとしたが、背に窓ガラスが触れる。 和彦の弱々しい抵抗を嘲笑うように、南郷は無遠慮な手つきでポロシャツの裾をたくし上げ、脇腹を撫で上げてくる。不快さばかりを訴える感触に、和彦は懸命に南郷を睨みつけるが、歯を剥き出すようにして笑いかけられ、反射的に目を逸らす。南郷の笑みは、まさに威嚇だった。 大きなてのひらが思わせぶりな動きで這い上がり、胸元をまさぐってくる。首筋に唇が押し当てられ、柔らかく歯が立てられたとき、和彦の足元から完全に力が抜けて崩れ込みそうになったが、逞しい片腕に支えられる。「い、やだ……」 南郷の顔が眼前に迫り、拒絶
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第33話(28)

 自分の頬を撫でて、そう言って南郷は笑った。機嫌を損ねた様子はないが、物騒な男たちの表情ほど信用できないものはない。「……すみません。殴るつもりは――」「謝らなくていい。大事なオンナの機嫌を損ねた俺の失態だ」 部屋を出て行こうとした南郷が、視線を伏せ気味にして立ち尽くす中嶋に声をかけた。「中嶋、先生の世話を頼んだぞ」 中嶋は短く応じて頭を下げる。南郷は最後に和彦を一瞥したが、このときどういう意味か、唇の端に笑みらしきものを浮かべていた。 部屋に中嶋と二人きりとなると、和彦はズルズルとその場に座り込む。慌てて中嶋が駆け寄ってきた。「先生、大丈夫ですかっ?」 傍らに膝をついた中嶋に顔を覗き込まれそうになり、咄嗟に顔を背けた和彦は唇を拭う。 中嶋に、南郷との口づけを見られたことが、自分でも意外なほどショックだった。「先生……」 遠慮がちに中嶋の手が肩にかかり、そっとさすられる。和彦はぎこちなく息を吐き出すと、おずおずと中嶋を見た。「さっきのこと……、誰にも言わないでくれ。特に、三田村には」 中嶋は一瞬だけ痛ましげな顔となる。「言いませんよ。――俺は何も見ませんでした」 小さな声で礼を言った和彦は、そのままうなだれる。さきほどの出来事について、まだ自分の中で処理しきれないのだ。中嶋は、和彦の髪を手櫛で整えながら、こう提案してきた。「食事の準備がもうすぐできるそうですが、その前に風呂に入りましょう。さっぱりしますよ」 今の自分に一番必要なのはそれだと、これ以上なく納得した和彦はコクリと頷いた。** たった一人の無礼な男を除いて、和彦に対する配慮が行き渡っていたようで、宿を発つ時間になるまで、部屋には誰も入ってこなかった。そのため、長嶺の男たちが挨拶回りからいつ戻ってきたのかも、知らなかった。 入浴を済ませてから食事をとったあと、窓辺に置かれた籐の寝椅子に身を預け、漫然と海を眺めていくうちに、いくらか和彦の精神状態も落ち着きを取り
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第33話(29)

 そんなことを言い合いながら駐車場に向かう。和彦は当然、行き同様、千尋と同じ車に同乗するつもりだったが、案内されたのは別の車だった。しかも車の傍らに待機しているのは、三田村だ。「どうして……」 和彦はその場で問いかけようとしたが、三田村は無表情のまま後部座席のドアを開け、車に乗るよう示す。困惑しながら周囲を見回すと、ちょうど車に乗り込もうとしている賢吾と目が合い、軽く片手をあげて寄越された。次に、こちらを見ている南郷の姿に気づく。和彦は、露骨に南郷を無視して車に乗った。 賢吾の意図は、理解したつもりだ。疲れきっている和彦のために、三田村との二人きりの空間を用意してくれたのだろう。他の組員が同乗していないため、車中でいくらでも寛ぐことができると考えたのかもしれないが、和彦としては、心中はいささか複雑だった。 昨夜、長嶺の男たち三人を受け入れたばかりの体を、三田村が運転する車の中で休めるというのは、考えようによっては残酷だ。気遣いばかりではなく、賢吾としては、和彦の所有権をこんな形で示そうとした――というのは、勘繰りすぎかもしれない。 なんと三田村に話しかけようかと考えているうちに、車が一台ずつ駐車場を出て行き、その車列に三田村が運転する車も加わる。「――中嶋に言われて気づいたんだ」 ふいに三田村が話し始める。「えっ」 和彦が目を丸くしてシートから体を起こすと、正面を向いたまま三田村が微かに首を横に振る。「すまない。邪魔なら、黙っている」「いやっ……、邪魔なんて。大丈夫だから、続けてくれ」 普段、三田村と会うどころか、話す機会すらなくなっている。こんなときだからこそ、ハスキーな優しい声をたっぷり鼓膜に染み込ませておきたかった。「せっかく海に来たのに、写真を一枚も撮ってない。普段から、きれいな風景とか無縁な生活を送っているから、いざとなると思いつかないものだな」「言われてみれば、ぼくも撮ってないな。彼は、何か撮ったと言っていたか?」 ここで少し不自然な間が空く。「……先生の水着姿を&hellip
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第33話(30)

「仕事として命じられてはいるし、先生を守るのは義務だとも思っているが、先生と一緒に過ごせることを、仕事だとは思っていない。俺がそうしたいんだ。何より、喜びも幸せも感じている。どんなときよりも」 甘い囁きというには、あまりに朴訥とした口調だが、それが三田村の優しさと誠実さを何よりも物語っているようで、和彦の心は溶かされる。「――……わかっているつもりだったけど、やっぱり若頭補佐は、ぼくに甘い。甘すぎる」「嫌か、先生?」「嫌というより、怖い。ぼくがどんどん、もっと甘やかせとあんたにせがみそうで」「そうなった先生を、見てみたいものだな」「実際そうなると、ぼくなんてさっさと放り出したくなるかもしれないぞ」 冗談めかしたやり取りだったが、三田村はこのときだけは真剣な声で短く応じた。「――それは絶対に、ない」** 外で夕食を済ませ、簡単な買い物を済ませて三田村が借りている部屋に着いたとき、辺りは薄闇に覆われようとしていた。室内にこもった熱気を嫌って、すぐに三田村がエアコンを入れる。 和彦は、買ってきたミネラルウォーターやアルコール類を冷蔵庫に仕舞おうとしたが、ジャケットを脱ぎながら三田村が慌ててやってきて、和彦の手から缶ビールを取り上げた。「先生は何もしなくていい。疲れてるんだから、座っていてくれ」「それなら、あんただってずっと運転していただろ」「俺は平気だから」 肩に手を置かれ、顔を覗き込まれて言われると、これ以上何も言えない。引かれたイスに腰掛けて、三田村の行動を見守る。 前回、この部屋を訪れたときは、梅雨時だった。時間を惜しむように、部屋に入るなり抱き合い、もつれ合いながらベッドに倒れ込み、体を重ねた。会話らしい会話も、あまり交わさなかった気がする。せっかく三田村が借りてくれている部屋だが、本来の、寛ぐための目的として利用したことは、あまりないかもしれない。 それもこれも、和彦の立場が複雑になってきたためだ。 胸の奥で、三田村に対する罪悪感がチクリと痛みを発する。微かに顔をしかめた和彦は、三田村に悟られ
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第33話(31)

 うなじをじっくりと舐め上げられて、微かに声を洩らす。今日、南郷の不躾な愛撫に晒された部分だが、それを知らないはずの三田村が、丁寧な愛撫を施してくれる。堪らず和彦は振り返り、三田村の頭を抱き寄せて、自分から唇を重ねる。 貪るように唇を激しく吸い合い、浅ましく差し出した舌を卑猥に絡める。こぼれ出た唾液はあっという間にシャワーで流されてしまい、和彦は三田村を求めて口腔に舌を押し込んでいた。口腔内を余裕なく舐め回し、口づけで三田村の発情を促す。 とにかく三田村が欲しくて、自分の体などどうなってもいいとすら思っていた。 体の向きを変え、ようやく正面から抱き合える。触れた三田村の欲望は、すでに熱く硬くなっていた。一方の和彦は、昨夜、何度となく長嶺の男たちに精を搾り取られたせいか、熱を持ち始めてはいるものの、身を起こすまでには至っていない。「無理しなくていい、先生」 和彦が見せた焦燥に気づいたらしく、諭すように三田村が言う。「今夜は、ただ先生を甘やかしたいんだ」「でも――、これ、欲しい」 水音にかき消されそうな声で囁き、和彦は三田村の両足の間に片手を這わせる。欲望を柔らかく握り締めると、ビクリと三田村の体が震えた。「先生っ……」 肩を掴まれて引き離される。いつになく手荒な三田村の行動に、和彦のほうが驚いてしまう。目を丸くすると、うろたえながら三田村がバスタブの縁を示した。「体はまだ洗ってないんだろ? 俺に洗わせてほしい」 頷いてバスタブの縁に腰掛けると、三田村はボディシャンプーを泡立て、優しい手つきで和彦の体を撫でていく。最初はくすぐったさに首をすくめていた和彦だが、片腕を取られててのひらを這わされているうちに、体から力が抜けていく。 体中のあちこちに残る愛撫の痕跡を見ても、三田村は表情を変えなかった。ただ黙々と泡で隠していく。 足の指の間まで洗ってもらったあと、今度はバスタブの縁に両手を突き、三田村のほうに腰を突き出す姿勢を取らされる。背から腰にかけて泡をなすりつけられてから、尻にてのひらが当てられる。「三田村……」 頼りない
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第33話(32)

 欲望の先端をくすぐるように弄られて、数瞬意識が飛んだ。我に返ったとき、和彦は鼻にかかった甘い呻き声とともに、シャワーのぬるま湯とは違うもので腰を濡らしていた。息を喘がせながら三田村の腕にすがりつくと、抱き寄せられて唇を吸われる。 この行為で得られる感覚は独特だ。強い羞恥と屈辱感と同時に、被虐的な悦びが体の奥から溢れ出てきて、恍惚となってしまう。 三田村も、和彦がどういう状態に陥ったのかわかったらしく、狂おしい抱擁のあと、興奮を抑えた手つきで体をきれいに洗ってくれた。ただ、かろうじて理性的に振舞えられたのはここまでで、抱きかかえられるようにしてバスルームを出ると、体を拭く余裕もなくそのままベッドまで行き、一緒に倒れ込む。「んあっ……」 和彦はいきなり両足を押し広げられ、三田村が中心に顔を埋める。中途半端な熱を保ったままの欲望を口腔に含まれたかと思うと、きつく吸引される。身悶えながら和彦は、三田村の濡れた髪に指を差し込む。痛いほどの愛撫をやめてほしいのか、続けてほしいのか、自分でもよくわからなくなっていた。「あっ、あっ、三田村、そこ、も――」 さきほどさんざん揉みしだかれた柔らかな膨らみにも、三田村の舌が這わされる。さらに、その奥にも――。 いまだに熱を帯びている内奥の入り口を舌先でくすぐられ、和彦は喉を反らして尾を引く喘ぎをこぼす。三人の男たちによって広げられ、擦られた部分を、今は自分の〈オトコ〉が舐めているのだ。罪悪感は、倒錯した興奮と高揚感へと姿を変え、和彦を惑乱させる。「はっ、あぁっ、うっ、うっ、い、い――。あうっ、うぅ……」 内奥の入り口をひくつかせて、放埓に悦びの声を上げていると、三田村の舌先がわずかに侵入してくる。必死に締め付け、もっと深い場所での愛撫を欲しがるが、三田村はそれ以上の行為に及ぼうとはしない。自分の体を気遣ってのことだと和彦は理解しているのだが、体は確かな熱で穿たれたがっていた。「三田村、いいから、中にっ……」 浅ましく求めるが、三田村は小さく首を横に振り、わずかに身を起こした和彦の欲望をじっくりと舐め始める。先端から滲み
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第33話(33)

 大事なオトコの体を隈なく愛してやるつもりで、和彦は舌と唇を駆使する。いくつもの小さな鬱血の跡を散らしながら、少しずつ頭の位置を下げていき、下腹部に唇を押し当てたとき、三田村の欲望は逞しく反り返っていた。 片手で扱きながら、先端に柔らかく吸い付く。低く呻き声を洩らした三田村が下腹部を強張らせた。和彦は、根元から欲望を舐め上げて、戯れに括れを舌先でくすぐる。その頃には先端には透明なしずくが滲み、三田村の強い視線を意識しながら舐め取り、先端を口腔に含んだ。 掠れ気味の三田村の吐息に、和彦の背筋に痺れが駆け抜ける。自分が与えられるだけの快感を、この男に味わわせてやりたいと強く思う瞬間だった。 喉につくほど深く欲望を呑み込み、しっとりと口腔の粘膜で包む。こうすると、三田村がどれほど興奮し、猛っているのかよくわかる。力強く脈打ち、大きくなっていくのだ。「あまり、無理はしないでくれ」 苦しげにそう言った三田村を上目遣いに見つめ、和彦は小さく首を横に振る。それすら刺激になったのか、三田村が唇を引き結んだ。 頭を上下させ、口腔から欲望を出し入れする。舌を絡めるように動かすと、三田村の息遣いが切迫したものとなり、少し間を置いてから、和彦の頭に手がかかる。「先生、もう――」 和彦はもう一度、喉につくほど深く欲望を呑み込み、動きを止める。三田村の欲望が爆ぜ、迸り出た精はすべて喉に流し込む。ドクッ、ドクッと口腔で震える三田村の欲望は、それでも力を失うことはなく、和彦は嬉々として口淫を再開した。** せっかく三田村が用意してくれた新しいパジャマだが、今夜は出番はないようだと、和彦は密かに笑みを洩らす。「どうした?」 和彦の肩の震えが伝わったのか、腕枕を提供してくれている三田村が耳元に唇を押し当て問いかけてくる。ついでとばかりに剥き出しの肩先をてのひらで撫でられた。 ベッドの中でぴったりと裸の体を寄せ合っているというのに、それでもまだ相手の感触に飢えているようだった。「パジャマ、今夜は着ないだろうなと思って」 伏せていた胸元から顔を上げて和彦が答えると、三田村もちらりと笑った。和彦は、間
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