顔を上げた和彦がじっと見つめると、ふいに言葉を切って賢吾も見つめ返してくる。 危惧するまでもなく、和彦の気持ちは賢吾に伝わっていた。「――……熱が上がっても、俺のせいにするなよ」 そんな言葉のあと、唇を塞がれる。和彦はうっとりと目を細め、口づけに応えていた。 互いを味わうように唇を吸い、舌先を触れ合わせる。緩やかに舌を絡ませていく最中、和彦は鼻にかかった声を洩らし、そんな自分に気づいて密かに恥じ入る。 ついさきほどまで、悲壮な覚悟を持って賢吾と相対し、話をしていたのだ。 いや、話はまだ終わっていない。「あっ、待って、くれ……。まだ、話すことがある――」「もう蕩けそうな顔をしてるのに、まともに話せるのか?」 賢吾の意地の悪い指摘に、ジンと体が疼く。なんとか身を捩ろうとするが、易々と胸元に抱き込まれ、するりと羽織を肩から落とされる。「賢吾っ……」「本気で嫌なら、そんな甘い声を出すな」 賢吾の声が笑いを含む。間近で目が合い、そのまま離せなくなったかと思うと、また唇を塞がれていた。 性急に唇を吸われ、さらに優しく歯を立てられる。強烈な疼きが背筋を駆け抜け、和彦は形ばかりの抵抗を放棄せざるをえなくなる。体と心が無条件に、この男を受け入れたいと訴えていた。「……こんなつもりで、部屋に来たんじゃないんだ……」 熱っぽく唇を吸い合う合間に言い訳のように呟く。「いいじゃねーか。この間みたいに弱り切って、俺の顔を見て泣き出すより。――本当は、昨夜のうちにお前とこうしたかったがな」 賢吾の言葉に怖い響きを感じ取り、反射的に体を強張らせた和彦だが、浴衣の合わせに片手を差し込まれ、荒々しく胸元をまさぐられているうちに、自ら賢吾にすり寄る。 瞬く間に興奮で硬く凝った胸の突起を、抓るように刺激される。和彦は小さく声を洩らして賢吾を見上げ、眼差しに応えて、目元に熱い唇を押し当てられた。 浴衣の帯を解かれ、腰を抱き寄せられて膝立ち
Last Updated : 2026-08-01 Read more