比べれば比べるほど、蒼真は人の心を持たないクズに見える。「社長」その時、弘明が車椅子を押してきて、手には白い薔薇の花束を抱えていた。彩葉は驚いて花束を見つめた。翔吾は彼女を車椅子に座らせて、瑞々しい白い薔薇を抱かせた。「急いで来たから、お母様がどんな花を好きかわからなかった。嫌いな花でなければいいんだが」「母は花なら何でも好きでした……ちょっと待って」彩葉は目の前の高く颯爽とした男を見上げて、驚いて尋ねた。「ここに眠っているのが、私の母だって、どうして……?」翔吾の視線が泳ぎ、冷ややかな顔になった。「何がおかしい。俺が望めば、ここに眠る人間については全員把握している」彩葉「……」弘明「…………」翔吾は失言だと気づいて、唇を噛んだ。謝ろうと口を開きかけたところで、彩葉が口元を押さえて、くすくすと笑い出した。「北川さんが実力を示す方法、なかなか独特ね。こんな場所で人脈を誇示する人、見たことないわ。まさか、閻魔様の化身かしら?」翔吾はわずかに動きを止めて、目尻に微かな笑い皺が浮かんだ。弘明は心の中でツッコミを入れた。はっ、生まれ変わりも何も、彼こそが閻魔様の現世の化身だ!翔吾は志乃の墓石の前に歩み寄り、身を屈めて花を手向け、それから深々と頭を下げて、礼を尽くした。彩葉は瞬きもせず、その凛々しく端正な背中を見つめていた。鼻の奥がツンとして、目がまた潤んだ。志乃への祭拝を終えて、翔吾は彼女を押して、ゆっくりと前に進んだ。「先ほど気づいたのだが、お母様の墓前に、冬枯れの中に、青い草が残っていた」翔吾が低く、静かに言った。彩葉は長い睫毛を軽く瞬かせた。「……それに、何か意味があるので?ただの抜き忘れではなくて?」翔吾は真っ直ぐ前方を見据えたまま告げた。「古くからの言い伝えで、墓所の草木が瑞々しく茂るのは、故人が向こう側の世界で高い徳を積み、果報に恵まれている証だと言われている。それは、来世での大願成就をもたらす吉兆なのだ」「ありがとうございます、そうだと嬉しいね」彩葉の目を細めて、明けの明星のように輝いた。弘明は厳粛な表情の社長を見つめた。さっき祭拝した時、社長の目が密かに赤くなっていたのに気づいた。見間違いではないはずだ。……今朝、蒼真は早くから起きて身支度を整え
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