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例のアレ12

Auteur: 相沢蒼依
last update Date de publication: 2026-03-10 06:12:56

「や…め…っんん、ここじゃだっ、駄目だ。狭ぃ」

「きっと大丈夫ですよ。上半身は俺が押さえ込めばいいだけですし、陽さんの片足を背もたれに引っかければ、狭さも上手いことカバーできますって」

笑いながら告げると、それまで大人しかった橋本が腕の中で暴れはじめる。

「やらしすぎる。そんな恰好させられる、俺の身にもなってみろ。恥ずかしいに決まってるだろ。絶対に嫌だ!」

視線を鋭くしているのに頬を少しだけ染めるという、表現しがたい可愛い顔で抵抗されるだけで、宮本の闘志に火がついた。力任せに橋本の躰をソファの上に押し倒して、素早く跨る。

「ちょっ、いつも動きが緩慢なのに、こういうときに限ってお前は!」

「繋がってるところを眺めながら、出したり挿れたりしたら、さぞかし気持ちいいんだろうな」

「あっ悪趣味にもほどがある!」

眉根を寄せて不快感を表す橋本を、ニヤニヤしながら見下ろした。

「見られながらするの結構好きなくせに、そんなこと言っちゃって。俺のがもげる勢いでギュンギュン中を締めつけて、いつも感じさせてくれますよ」

(今の俺ってば、ものすごく意地悪な顔をしてるんだろうな。そんな最低な俺に見つめ
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     堂々と恋人を放置して、佐々木と盛り上がることに不安を覚えた榊が話しかけると、橋本は肩を竦めながら呆れたように答えた。すると和臣が羨ましそうに宮本の様子を眺めつつ、ぽつりと零す。「僕ははじめての人に対して、どうしても身構えちゃうので、宮本さんがすっごく羨ましいです」「和臣、俺が宮本さんみたいに、ああやってほかの人と盛り上がっていたら、おまえは入ることができないだろう?」「そんなこと、僕には絶対に無理だよ」「つまりだ。蚊帳の外に居続けられる橋本さんのメンタル、すごいと思わないか?」「あ……、確かにそうかも!」 榊のひとことにより、宮本から自分に矛先が移ったことで橋本はドキマギしながら、羨望のまなざしを注ぐふたりを見やる。「恭介、変なことを和臣くんに吹き込むなよ。俺はそんなに、ご立派な人間じゃねぇし……」「だったら密かに、ヤキモチ妬いていたんですかねぇ」「恭介っ、てめぇ! あとでオデコ百叩きの刑だからな!」「陽さん?」 忍び笑いする榊に橋本が怒鳴り声をあげたら、宮本がやっとそれに気づき声をかけた。「なんでもねぇよ。おまえは気にせずに話を続ければいいだろ」 思いっきり顔を背ける橋本の頬に宮本は手をやり、容赦なく抓った。「いででっ! なにするんだ?」「よそ見をしてほしくなかったんです。話を聞いてください」「すみません。僕が宮本さんとゴーカートの話で盛り上がってしまって……」 済まなそうに謝った佐々木に、榊が苦笑いを浮かべながら口を開く。「いえいえ。宮本さんはそういう話が大好きだっただけですし、おふたりの邪魔になるかと思って、あえて車の話題に俺らはついていかなかっただけですので、そこのところはお気遣いなく」「それでは失礼して、説明を続けさせていただきます。今回は体験走行ということで、ひとり一台ゴーカートに乗っていただき、僕のあとについて2周走ることになります」 流暢に説明を終えた佐々木に和臣はきちんと向かい合い、緊張を隠すように両手に拳を作りながら話しかける。「コースの長さは、どれくらいあるんですか?」 人見知りする話を事前に聞いていたので、積極的に質問した和臣を見て、橋本と榊は意味深に目配せしてから微笑みあった。ふたりのその様子を、宮本は微妙な面持ちでじっと眺める。「一周400mです。二周するので800m走行することになります

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    *** 町はずれに作られたゴーカートのサーキット場は、周りを森林が取り囲んでいるお蔭で、どんなにエンジン音が響いても気にならないところにあった。プレオープンということもあり、そこそこのお客様が来場していて、それなりに賑わっている様子に、橋本を含めた4人も自然と笑顔になる。「陽さん見てください。大人と子ども別々に、サーキット場があるみたいですよ」「助手席で事前にパンフを見ていたくせに、どうして気づかなかったのかわからないな」「えへへ、サーキットのコーナーの難解さに見惚れてしまって、それ以外の情報を全然読んでなかったっす☆」「クレイジーな走り屋の雅輝らしいと言えばいいのか……」「橋本さんと宮本さん、和臣が呼んでます。ちょうど受付が終わったみたいですよ」 大きなテントで受付を終えた和臣の傍で、榊が手を振りながら大きな声をあげてふたりを呼び寄せる。弾んだ足取りで合流すると、受付の奥から係員が出てきて説明をはじめた。「いらっしゃいませ! 今日はよろしくお願いします。どうぞこちらに」 誘導する係員に連れられ、小さなテントにぞろぞろ入った。中にはパイプ椅子と机がそれぞれ4つずつ置かれていて、先客でふたつ埋まっていた。「どうぞおかけください。えっと榊さんおふたりに、橋本さんと宮本さんですね。係員の佐々木と申します」 1番左の椅子に宮本が颯爽と座り、その隣を橋本が陣取ると、榊、和臣の順で席が自然と決まった。「ここで使用するカートは、大人用と子供用で分かれておりまして、大人用には200ccエンジンを搭載しています」「へぇ。結構馬力が出るんじゃないですか?」 身を乗り出すように嬉々として宮本が訊ねると、佐々木は瞳を輝かせながら声を弾ませて答える。「そうなんですよ! ゴーカートは路面と近いので、自動車とはまた違った迫力がありますし、体感速度は120キロくらいあるんです」「120キロか、ワクワクします! それだけスピードが出るなら、コーナリングも難しくなっちゃいますね」(雅輝のヤツめ、120キロくらいじゃワクワクしないクセに、よくもまぁそんなに楽しげに話せるもんだな)「恭ちゃん、120キロも体感速度があるんだって。大丈夫?」「う〜ん。あまり感じないように、アクセルを思いっきり踏まなきゃいいだけの話だろ……」 上がりまくる宮本のテンションを他所に、榊と

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