私は教室の席で大きく背伸びをした。「やっと冬休みだー!」「テストも無事終わって良かったね」 志織がニコッと微笑む。その笑顔に、張り詰めていた心がふっと柔らかくなった。「ほんと。蓮のおかげかなぁ」「だろ?もっと褒めてくれてもいいぜ」「その言葉で褒める気なくなった」 誇らしげにする蓮に対して私はふいっと顔を背ける。そんな様子を志織と直宏が笑って見ていた。「そうだ! この後空いてる?」 志織が目を輝かせて尋ねる。「うん。空いてるけど、どうしたの?」「四人でカフェ行かない?」 志織が楽しそうに微笑んだ。「いいな、行こうぜ」 前のめりに直宏が賛成する。私たちも顔を見合わせてから頷いた。 放課後私たちは学校の近くにあるカフェに来ていた。「このカフェ綺麗だね」「そうなの!ずっと来てみたかったんだよねー」 木目調のテーブルと白い壁が落ち着いた雰囲気を作り、大きな窓から差し込む陽光が店内を優しく照らしている。窓際には観葉植物が並び、まるで森の中にいるような心地よさだった。「陽菜」 店内をキョロキョロ見渡していると突然蓮の手が頭に伸びてきた。「な、なに?」 目をギュッと閉じる。何もなくて恐る恐る目を開けると蓮が優しく微笑んでいた。「葉っぱついてた」「え……」 蓮の手には緑色の葉が乗っかっている。触れられるのかと思い鼓動が少し速まった。「どこでそんなの付けてきたのよ」「私だって知らないよっ」 志織は呆れたようにため息をついた。私は恥ずかしさを誤魔化すようにメニューに手を伸ばす。 そして、メニューで顔を隠した。「陽菜、メニュー逆だぞ」「あれ……」 そう言って蓮がメニューを反対向きにする。「陽菜どうしたの?いつにも増してポンコツだけど」「それって普段もポンコツってこと?」「そうだけど?」 志織が揶揄うように目を細めて笑う。私は頬を膨らませて顔を背けた。「喧嘩してないで、二人とも決めたのか?」
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