真奈美は杏奈に言い返され、思わず言葉に詰まった。すると、そばにいたファンは黙っていられなくなり、ビデオカメラを置いて歩み寄ってきた。「あなたみたいな素人に、真奈美ちゃんのこととやかく言われたくないわ。真奈美ちゃんはずっとプリマなのよ。専門的なことくらい、あなたより分かってるに決まってるじゃない!」「みんなの前で人のケガを指摘しておいて、今度は交代しなくていいって言うの?言ってることめちゃくちゃじゃない。あなた何様のつもり?」「そうよ、どうせ男の力でのし上がった女でしょ。山崎先生に才能があるなんて言われたからって、その気になってるんじゃないの?笑わせないでよ!」……そうやってファンたちは杏奈を目の前で、好き放題に罵った。それを聞いていた真奈美は、胸がすっとしたように思えた。しかし、杏奈が何か言う前に、聞いていられなくなった南が険しい顔で立ち上がった。そして、いつもは穏やかな南の顔から、すっかり表情が消えていた。「ここはリハーサルの現場よ。あなたたちみたいな関係ない人が、どうしてここにいるの?」すると、ファンたちは何も言えず、真奈美に迷惑をかけてはいけないと思ったから顔を見合わせるばかりだった。「すみません、先生。この子たちは私のファンなんです。外の日差しが強かったから、中に入って来てもらいました。リハーサルの内容を外に漏らしたりはしないので、安心してください」しかし、南は真奈美に取り合わなかった。「こんなに広いところよ。他に涼める場所がなかったとでも言うの?リハーサル現場に入らなければ、日焼けをしてしまうとでもいいたいわけ?」それを言われ、真奈美は悔しさで顔が青ざめた。でも、相手は自分の先生だ。癇癪を起こすわけにもいかなかった。だが、南が真奈美の顔を潰したのを見て、ファンたちの南に対する敬意は一瞬で跡形もなく消え去ってしまった。彼女たちは真奈美の前に立ちはだかり、南に言い放った。「真奈美ちゃんの先生だからって、そんな風に彼女をいじめていいと思ってるの?真奈美ちゃんは優しいから、私たちのことを心配して中に入れてくれたのよ。あなたには関係ないでしょ!」「そうよ、えこひいきも大概にしてよ。あの鈴木って女が橋本社長の彼女だからって媚びてるだけでしょ。あんなのどうせいつか捨てられるわよ。その時になったら
Read more