今回から第2部スタートです。 第2部はレンと紬の間に生まれた双子中心のお話になります。よろしくお願いします! ◇ 第2部「星を継ぐ小さな双子」 ◇ 「ああっ、茉莉! その花瓶はオモチャじゃないから! 危ないから、振り回すのはやめなさい!」 都内某所の超高級タワーマンション、ペントハウス。 我が家の朝は、今日も今日とて戦場のような騒がしさで幕を開ける。 広々としたリビングの絨毯の上を、5歳になった娘の茉莉(まつり)が元気いっぱいに駆け回っている。 ツインテールに結んだ黒髪が、うさぎの耳のようにぴょこぴょこと跳ねていた。「パパー! だっこ!」「おっと。茉莉は今日も世界一可愛いな」 茉莉をヒョイと抱き上げたのは、私の夫である綺更津レンだった。 テレビで見せる『絶対王者』の冷たい美貌はどこへやら。 目尻をデレデレに下げて、甘ったるい声で娘の頬にすりすりと頬ずりしている。 ファンが見たら卒倒する光景だが、仕方ない。 彼は私の大事な旦那様で、双子たちのお父さん。こればっかりは譲れないのだ。「パパ、絵本読んで」「おう、伊織。どれがいい? パパが全部読んでやるぞ」 ソファの隅でおとなしく絵本を開いていた息子の伊織(いおり)も、トコトコとレンくんの足元にやって来た。 レンくんと同じ吸い込まれそうなアイスブルーの瞳が、期待にキラキラと輝いている。(くっ……! 顔面偏差値が高すぎる……!) 私はフライパンを振りながら、内心で激しく萌え転がっていた。 圧倒的美貌のパパと、天使のように愛らしい双子の戯れ。 毎朝無料で拝めるこの光景は、間違いなく国宝級の尊さだ。 神様、今日もアイドルならぬ家族の尊い供給をありがとうございます!「ほら、レンくん。お仕事の時間でしょ。絵本は帰ってきてからね」 私が声をかけると、レンくんは露骨に口を尖らせた。
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