すると、ちょうど、お父さんが車で帰って来た。 「どこ行ってたの?」と聞くと、 「ああ、ちょっと……」と。 「お邪魔してます」と匠が言うと、 「おお、良かったな!」と、匠と私の肩を交互に叩きながら、ニコニコしている。 「ん? 何?」と言うと、 「もう荷物は、全部積んだのか?」と、 「うん、今終わったところ」と言うと、 「そうか、じゃあ、コレお祝い!」と言って手に持っていた紙袋を私に渡す父。 「お祝いって? まだ……」と言うと、 「じゃあ、引っ越し祝い」と言う。 「何?」 「箸だよ」 「お箸?」 「うん、開けてみて」と言う父。 いわゆる木で出来た夫婦箸かと思ったら、ステンレスと樹脂で出来た、シックでカッコイイお箸と箸置きのセットだった。 しかも、それぞれの名前が入っている。 お店に行けば、すぐに名前を入れて貰えるとあって、わざわざ出向いてくれていたようだ。 「うわ、カッコイイ! お父さん! ありがとう」 「ありがとうございます。大切に使わせていただきます」と匠。 「うんうん」とニコニコ満足そうに笑っている。 そして、「コレを……」と、母から父に渡されたのは、お祝い金だった。 「だから、コレはまだ受け取れないよ」と言ったが、 「結婚祝いは、また、その時に! コレは同棲資金の足しにしなさい!」と…… 確かに今から足りない物を買い揃えるので、お金は使うけど…… 母も「良いから、貰っておきなさい」と言ってくれた。 「じゃあ、遠慮なくいただきます。ありがとうございます」と貰うことにした。 「匠くん、綾のこと、よろし
최신 업데이트 : 2025-12-17 더 보기