「じゃあレーヴェさん、あなたはここの人ですか?」「この聖なる泉を守る森エルフの守護騎士だ。もっとも、貴方が来るまでは、只の腐り果てた沼だったが……」 白い石で守られた泉は、神殿傍の川よりキレイな水をとうとうと湧き出させている。「全ての神が世界を見捨て、この世界が滅ぶとき、再生と創造の神が降臨して世界を創り直す……この伝説が本当になるとは……」 緑の目に涙を溜めて、レーヴェさんは頭を下げた。「俺は大したことしてないよ。それより、ちょっと【観察】していい?」「かんさつ?」 レーヴェさんは首を傾げて疑わし気に俺を見る。 まあ、観察していい? って聞かれて、いいよって言う女の子は少ないだろうなあ……。「……何だかよくわからないが、神である貴方の言うことだ、お好きに」 美少女に「お好きに」と言われたら襲う、と言っていた生前の俺の友人がいたけど、……確かにちょっと考えてしまうなあ。 と、そう言う場合じゃない。目的を果たさなきゃ。 俺は【神威:観察】を使った。【神子候補:レーヴェ・オリア 信仰心レベル500 属性:植物/水/聖】「あった! 【属性:植物】!」 シャーナより信仰心低いし二つの属性が被っているけど、【植物】を探しに来たんだから結果オーライ、大丈夫!「あった、とは?」 疑わし気なレーヴェさんの声。「あ、ごめん、わけわからないよね。俺が神威を揮うのに、神子の持つ信仰心と属性が必要なんだ。俺は森を再生したいけど、今のところ植物の属性がなくて……それで、君が植物の属性を持っていると確認して」「……確かに私は森エルフの生き残りだが、そんな森を再生させる力があったら真っ先にここを元に戻している」「君が俺の神子になってくれれば、大地だけでなく植物も再生できる」 レーヴェさんはしばらく考え込むような顔をして、俺を見た。「冗談……では、ないのだな」「冗談言ってない」 俺は全力で首を横に振った。「君には【植物】の属性がある。君が神子になってくれれば、まだ大して広い範囲にはできないけど、森を再生することができるかも知れない」「いいだろう。神子とやら、引き受ける」「本当?!」「シンゴ様」 シャーナが小声で伝えてきた。「本当によろしいのですか? あの方は神を信じる心はなさそうですのよ」「大丈夫。その分シャーナの信仰心があるから」
Last Updated : 2025-12-11 Read more