「ハァ…ハァ…。くそっ!…もうダメだっ!くそぉぉぉお!!」 月が真っ赤に染まった夜 少年は何者かに足を攻撃され肉がエグれた足を引きずって自分の国から逃げようとしていた。 少年の国(キュアリーハート)は昨日までは人々は平和で魔法や物にあふれた何不自由のない生活を送っていた。 そう、昨日までは… どこの国よりも平和だったこの国は0時に突然真っ赤に染まった月の光がこの国を一瞬で覆い尽くした。 光によって国の人々の大半がこの世の者とは思えない化け物のような姿になった。 その化け物はまるで人間とは思えないくらい強く魔力が高かった。 運良く変わらなかった残りの人間は化け物に対抗するために魔法で戦おうとするが全く歯が立たず、化け物は発達した獣の様な爪で人間の身体をズタズタに切り裂いて殺し、更に人の心臓を食べるとより力が増していった。 人々はなす術なく殺されていき人間の血で真っ赤に染まったキュアリーハートは夜の赤い月と共に輝いていた。 少年はそんな地獄の様な国に変わってしまったキュアリーハートから逃げようと化け物にエグられた足をひきずって逃げる。 「もう…ダメだ。俺も…俺も殺されるんだ。」 近くには化け物が十数体後ろから少年に迫ってくる。 少年はとうとう限界らしく、その場に倒れてしまった。 化け物達はそれを見て爪を立てながら一斉に襲いかかり、爪が少年に当たろうとした瞬間。 バチィィィッ! 少年から突如黒い閃光が放たれ化け物達はあたりに吹き飛ばされた。 「…あれ?死んでない…」 何が起こったか分からない少年。 そして更にどこかから声が聞こえた。 (ふぃー、あっぶなかったぜ!) 「あれ、今声が…」 (んぁ?あぁ、こっちだ。) こっちだと言われても周りには誰もいないので少年はあたりを見渡す。 (けっ!頭の鈍いガキめ!ここだ!お前ん中だ!) 「え?僕の…中?」 少年はよくその声を聞いてみると確かに自分の中から声が聞こえてくる感じがした。 (そうだ!ったく気づくのおせーんだよ!って言ってる場合じゃねーな。おい!クソガキ!今から言うこと良く聞け!) 「え、何?」 少年が聞き返すと吹っ飛んでいった化け物が全員立ち上がり、再びこっちに迫ってきた。 (ちっ、やっぱ衝撃じゃダメか。お
Last Updated : 2025-12-12 Read more