All Chapters of 悪魔祓い(デビルブレイカー): Chapter 31 - Chapter 40

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第19話 投げ売る覚悟

ドゴーン!!!突如、騎士団の本部から東に2km程離れた王宮の半分が突如半壊するのが見える。半壊した王宮の瓦礫は町中に雨の様に降り注ぎ、建物を次々に破壊していく。その光景をシルフの魔法騎士団達は見ていた。「バグーラ団長!…たった今、王宮の半分が何かの衝撃によって崩れた模様です!」「これは…ここまで力の差があったとは…フィナ様…。」祈る様に手を合わせる中、バグーラ団長に更なる報告が降り注ぐ。「バグーラ団長!更に王宮の方から何やら大勢の人影が見られます!」王宮の方を見ると横一列から大勢の人が並んでこちらに向かってくるのが見える。その人々の正体とは。「何だあの人達は!悪魔の襲撃か!?」「いえ、多分違います!魔力反応を見てみましたが全員人間の平均的な魔力量です。つまりあの集団は…普通の人間です。」この集団はハイドが国民の思考を操る事によって騎士団達を襲撃しようとしていたのだ。思考を抜かれた後で本来の肉体とは相入れぬ思考を無理やり入れられた事により、人々の精神は安定せずまるでゾンビの様な呻(うめ)き声を上げながらゆっくりと近づいてくる。「あれは、国民なのか!?突如消えたと思ったら、まさか…こんな…」反撃しようにも相手の肉体は国民である為、反撃すれば国民に危害を加えた事となる。武器も持たずに国民の集団を止めようと近づいた騎士団団員も腕を掴まれそうになった為、迂闊に近づく事も出来ない。「幸い、この遅さに助けられているがそれも時間の問題だ。シルフは約4500万人の人口。対してこっちはたった100人程度だ。この数を殺さずに止めるなんて…無理だ。もう、こうなっては成す術が…」殺さずに生きたまま相手を戦闘不能にするのは殺すよりも格段に難しい。それが1大国の人口全員を相手にするのは到底不可能に近い。自分達を守る為に国民を殺すなんて考えの人間はこの騎士団にはいない。だが、それでも。「私はお前達を死なせるわけにはいかない。私があの集団を止めてみせよう。」「バグーラ団長!まさか、あの集団に1人で行かれるつもりですか!?あれは国民です!国民に危害を加えるなんて…」「確かに、国民に危害を加えるなんて。騎士団団長としてあるまじき行為。…だが、私はこの騎士団団長だ!騎士団のトップを任されている私が部下の命を守れず黙って死ねる訳ないだろ!」せめて、少しでも
last updateLast Updated : 2025-12-31
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第19話 投げ売る覚悟②

ドゴーン!!ボォッ!! 王宮の方から突如現れた巨大な黒い化け物。 現れて暴れ出したと思ったら突然地面に倒れ、倒れた場所から巨大な黒い炎の火柱が天に向かって燃え盛る場面をシルフの騎士団達は見ていた。 「何だ、デカい化け物が出てやばいと思ったらまた消えたぞ!」 「奴らは人間なのか!?」 「いや、あのイフリークの団長さんもヤバいだろ。ずっとあの調子でかれこれ20分以上は戦ってるぞ。」 カイルやシルフの騎士団達は操られた国民を食い止める為に高速で移動しながら奮闘していた。 カイルが影を斬って国民の動きを制限してからシルフの騎士団の拘束魔法で完全に動きを止める戦いをしていた。 しかしカイルの影を剣に纏う力はそう長くは続かず、どこかで一度解除されてしまう。 解除されてから何度も影を剣に纏ってを繰り返しているのだが、この魔法は身体能力を無理やり上げている為、1回でも身体への負担が大きい。 カイルは既に4回ほど繰り返し使っており、それを駆使しながら国民の100万人ほどは1人で動きを止めていた。 一方フィナも時間を止めた際、他の騎士団が拘束魔法を国民に掛けて動きを止めていた。 フィナの時の断罪(クロノ・ジャッジメント)は時間を止める対象を選択出来る為、騎士団の団員やカイルは時間を止められる事なく動けている。 しかし、カイルにも限界が来ていたのか徐々に動くスピードが遅くなる。 それはその筈。 イフリークでの戦いに加え、不眠不休でティラーデザートの途中から何時間も掛けてシルフまで歩き、更には今こうやって4500万もの国単位の人口を相手にしてる。 それで動けているのが不思議なくらいカイルも人間の域を超えていた。 「(絶対に、止めてみせる!もう誰も失わない為に!)」 その想いがカイルの動力源となっていたが、とうとう限界が来た。 カイルは再び影を剣に纏おうとするが急に血の気が無くなったような意識消失が起こり、地面に倒れようとする。 「(やばい…意識が…)」 そしてそのまま地面に倒れてしまった。 既にカイルの周りにいた国民は全て影を斬られて戦闘不能状態になっていたが、他の国民が襲ってくるのも時間の問題。 周囲の国民は標的を倒れたカイルに移し、ゾロゾロと歩み寄ってきた。 「カイル君!ー 時の断罪を受けよ。時の審判(クロノ・ジャッジメント)!」 カイ
last updateLast Updated : 2026-01-01
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第20話 悪魔に成りし人の信念

グレンがネルの作った巨大な悪魔の化身を黒炎で燃やし尽くしてからも死闘は繰り広げられた。「うおおおお!!!」悪魔の手(デビル・ザ・ハンド)の力で離れた位置から殴ろうとするグレン。「そう同じ手に何度も掛かるわけが無い!反(リバース)魔法!!」ネルは反魔法による反発の力を全身から発し、遠距離から放たれる黒炎の爆発を弾いた。「フフフ!もうその拳を対処する方法は見つけたよ。」「ならばこれならどうだ!」右腕に発動した悪魔の手の力でネルを捕まえたグレン。そして、思いっきり右腕を内側に振り切るとそれと同時にネルは腕の振る方向へと吹き飛ばされ、周囲の建物を貫通しながらぶつかっていく。悪魔の手で掴んだ対象の物質、生物は質量問わず離れていてもグレンの思うままに動かす事が可能。悪魔の手による遠距離攻撃を防げても、身体の自由を奪われた状態では防御しようが無い。「ー[強欲(グリード)]。黒き業火よ。球体と成り迎え撃て。」そしてグレンは左手で黒炎の球体を放つと、黒炎の球体は悪魔の手で吹き飛ばされたネルを挟み撃ちする様に飛んでいく。「そんな黒炎の球など僕に効くわけが無い!反(リバース)魔法!!」ネルは身動き取れないが、向かってくる黒炎の球体を反魔法で相殺しようとする。しかしその瞬間、グレンは腕を振り上げるとネルはそのまま上空へと吹き飛ばされた。「何!?」反魔法を発するも上空へ上げられたネル。そして、黒炎の球体がネルの真下に来るとそのまま真下でピタッと止まった。「これなら、相殺も間に合わないだろう。」そしてグレンは振り上げた腕をそのまま思いっきり振り下ろす。振り下ろされた事で上空に上げられたネルは一気に地上へと叩きつけられた。そして真下に待ち構えてた黒炎の球体に当たると黒炎の球体は周囲の建物を巻き込みながら大爆発を起こした。悪魔の手によって掴まれてる間はネルの空間魔法による移動が一切使えない為、ネルはそのまま黒炎の爆発を受けるしか無い。反魔法によって爆発を回避していたネルも、上空から一気に振り落とされた事で反魔法による相殺が間に合わなかった。黒炎の爆発を受けた後もグレンは悪魔の手を解除せずネルを掴んだままにする。ネルの生存を確認する為だ。また空間移動で動かれても困る。グレンは確認する為に近づいていく。黒炎の爆発によって立ち煙が消えない為、ネル
last updateLast Updated : 2026-01-01
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第20話 悪魔に成りし人の信念②

否。諦めていない者が1人。カイルは一か八かの掛けを考えていた。この世界の基本属性は8属性(火、水、風、雷、土、空間、光、闇)ある。年月と共に個人に合わせて色んな属性に派生されており、カイルの場合は影属性で闇属性から派生された。闇は全てを引きずり込む様な引力の力が代表的であり、その力は闇から派生された属性にも引き継がれていく。つまり、カイルの影属性には少ない力であるが闇の引力の特性を持っている。しかしそれは闇属性の魔法に比べ魔力出力はとても微弱であり、ネルの擬似・ブラックホールの引力には到底及ばない。カイルは掛けた一か八かの考え。それは。「影を最大限まで広げて、影の領域に引力と同じ力を発生させる。」カイルは黒帝剣技の時の様に自身の影を広げた。その大きさは今まで広げた事のない広大な範囲。そう、カイルは自身の影をフィナや騎士団員、そしてシルフの国民全員が入れるくらいまで広げた。そしてそこから自身が出来る限りの引力を影から発生させる。「うおおおおお!!!!」元々微弱な引力の魔力である為か、かなり気張りながら魔力を出し続けるカイル。影から発生させた引力は地面に接触してる全員の体をピッタリと宙に浮かない様に引き寄せる。しかし、それは子供が1人で大人と綱引きをする様なもの。時間が経てばカイルが不利になるのは明白であるブチブチッ身体から筋繊維が千切れるような嫌な音が鳴る。「身体が…全部持って行かれそうだ…」身体の骨に付着した肉という肉が引き離されそうになり、両手両足の関節もまるで車に固定されて牽引されている様だ。これが擬似・ブラックホールの引力に対抗する事へのデメリット。カイルが影を展開し続けるという事はそれだけ死に向かっているという事である。「グアアアアア!!!(やばい、体が引き千切れて内臓が飛び出そうだ。)」そうはならないと踏ん張り、影から発生する引力を強めるカイル。カイルの引力は影以外からも、自身の身体が崩壊しない様に細胞や筋肉、骨などからも発生させている。筋肉に引力を与える事で強い収縮力を生み出し、踏ん張る力が上がった事で更に影から発生する引力が強まった。地面から引き離されそうになるシルフの国民や騎士団達は宙に浮いても、影からの引力によって再び地に戻る。徐々に強まっていく天からの引力。それに対抗する地からの引力。無
last updateLast Updated : 2026-01-01
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第21話 傲慢の悪魔

ネルの左腕から強大な黒い魔力が勢いよく溢れ出していた。左腕はまるで言う事の聞かない蛇の様にグニャグニャとウネリ出し、もはや腕という原型を留めていない形の物をネルは必死で右手で抑えながら悶え苦しむ。ネルの腕から溢れ出した魔力は強風の様に吹き荒れ、グレンは腕で顔を隠した。(まずい!ネルの中の悪魔が暴れてやがる。このままじゃ解放されるぞ!)「奴の中の悪魔…リフェルは知ってるのか?」(この感じ…間違いねえ。何であいつが…こんなガキの左腕なんかに…)何かを知ってる様な口ぶりのリフェルは少しビビっている様に感じられる。「グアアアアア!!!やめろ!身体が…引き裂かれそうだ!」ネルは悪魔化させた代償により左半身の皮膚が黒く染まっており、その黒い皮膚は徐々に悪魔化していない右半身へと侵食していく。全身を悪魔化させる事でネルの身体を悪魔が全て乗っ取る為である。ネルは必死に悪魔化による黒い侵食を止めようとするが、力を得た代償なのかネルの力ではもはや止めることは出来ない。悪魔化による支配はとうとうネルの右肩辺りまで進み、あと右腕が侵食する事で宿った悪魔が完全に復活する状況まで進んだ。そして右肩を侵食しようとしたその時。今まで左腕から強大な魔力が溢れ出していたが今度は右腕から灰色の魔力が溢れ出し、右腕に侵食しようとした悪魔化が止まった。「どういうことだ?あいつの悪魔化が止まったのか?」(成程、あいつの右腕には死神も宿ってるんだったな。どうやらあいつの中にいる死神が悪魔化の進行を止めてるらしい。そらそーだな。勝手に自分の宿を奪われたくねえからな。)そう。同じくネルの右腕にいた死神は悪魔化が進むと自分までも悪魔に支配される為、身体の防御機構としてなのか宿主であるネルの命を受けずに悪魔化の侵食を食い止めた。右肩にまで侵食していた黒い皮膚はまるで押し除けられるかの様にして左側へと後退していき、右半身は徐々に普通の人間の皮膚へと戻っていく。そして左半身に押し除けられた黒い皮膚は元々の左肩から手に掛けてまでと最初の状態に戻った。ブチン!!左肩に戻った瞬間、ネルの左肩は千切れてしまう。「ぐああああああ!!!!!」ネルは左肩から腕を失った事によって断末魔を叫び、そして千切れた左腕はまるで黒い粘土の様にグニャグニャと形を変えていく。そして、徐々にその形は人型へと
last updateLast Updated : 2026-01-02
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第21話 傲慢の悪魔②

「ハァ、ハァ!カイル君、どこ行ったんだろ?」王宮へ走りながらカイルを探していたフィナ。死力を尽くして国を守った人が突然姿を消し、その安否が気になり気付いたら王宮の方へ走っていた。王宮までの距離は長く、近づくにつれ擬似・ブラックホールによる被害が大きくなっている。その悲惨な光景を見る度に胸が締め付けられる。「(ここの花屋さん、いつも店の人がニコニコしながら花の事教えてくれてたな…部屋に赤い椿を飾ったな。…あっちのパン屋さんではよく巡回してた時、こっそり買って食べてたな。)」そう考えてると悲しくなり、更に目から涙が溢れていく。何で、こんな事になったんだろ…幸せだった筈なのに。そして走ってる中、ふと右を向くとその刹那、フィナの過去の回想が一瞬にして消え去る様な衝撃を目にする。「あなたは…シルフ王…」そう、王宮にいた筈のシルフ王が何故か王宮から離れたこんな場所にいた。「…アァ…アァ。」シルフ王は四つ這いでヨタヨタと緩慢な動作で動いており、移動してる様だが全然前には進んでいない。「シルフ王…何故ここに?」しかし、ハイドによって思考を変えられ続けたシルフ王はまるで廃人の様に心ここに在らずの状態となっていた。そんな哀れな王を見ているとフィナの中にある感情が沸々と心の底から湧き上がってくる。「…分かってる…でも、私はこの人を殺さないと気が済まない。」それは怒りだった。勿論ハイドに操られていた為、シルフ王に落ち度は無い。しかし、晴らさずにはいられない。こんな哀れで情けない姿の王を見るだけで腑(はらわた)が煮えくりかえる。絶対王政であるが故に、幸せだった国をこんな哀れな人間の言葉ひとつで変えられたのだと思うと心の底から憎しみが湧いて出てきた。こいつさえいなければ…独裁者なんかいなければ、こんな事には…。フィナは剣を握りしめながらヨタヨタと歩いている国王に近づいていく。国王の背後に立ち、その背中を見ると昔街に連れてってくれた事を思い出す。大きく自分の親の様に思えた背中は痩細っており、まるで国王の着物を着た別の誰かを見ている様であった。「(…私がシルフ王を殺す事でこの暗黒の絶対王政は無くなる。私が…殺さないと!)」自分が掲げた目標である絶対王政を、国王を殺したからって簡単に解決する話じゃ無い事は分かってる。間違ってる事は分かるけど、国
last updateLast Updated : 2026-01-02
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第21話 傲慢の悪魔③

フィナは店主と一緒に王宮付近まで近づくと、そこにはグレンとカイルが2人で倒れてるのを発見した。2人を確認したフィナはそれぞれを運ぶ為、何人かの騎士団団員を要請した。シルフの街は擬似・ブラックホールの影響で建物らしい建物は無く、騎士団達は怪我人達を休ませる為のテントを張っていた。そのテントは魔力を流す事で伸縮が自在に操れる布で出来た物。このテントは本来騎士団が遠方への任務で野営する際に使用されており、普段は少人数が十分に泊まれる程度の大きさにしかしていない。しかも巨大なテントにすればする程、魔力の燃費も悪くなる。今回は国民全員が十分に泊まれる様、1つのテントに約5万人収容出来る広さを約1000個ほど用意している。流石に大き過ぎるが故に魔力の消費量は多く、バグーラ団長達が必死になって魔力を供給したおかげで一晩は何とか維持出来そうだった。怪我人はカイルやシルフの騎士団達が国民を傷付けない様にしてたのでそれ程居なかった。しかし、グレンやカイルとフィナ。特にグレンとカイルはイフリークに居た時からずっと戦い続けていた事もあり、重症度は他の人よりも大きかった。「ん…ここは。」目を開くが視界がぼんやりとして中々焦点が合わないが天井があったので、ここは何かの建物の中だと認識するカイル。「気が付きましたか?」その右隣からフィナに声を掛けられ、顔だけを向けると彼女は鎧を脱いでシャツ姿の状態で隣のベッドに腰掛けて座っていた。頭や腕、足などには包帯が巻かれており、シャツ姿の為か所々の傷がよく目立つ。「フィナさん…俺はいつの間にか…うっ!頭が…痛い。」カイルは起きあがろうとすると急激な頭痛に襲われ思わず頭を押さえる。「あなたはかなり身体を無理してるからまだ起きてはダメです。まだゆっくりしてないと。」フィナは頭を上半身を起こしながら頭を押さえるカイルをゆっくりベッドに戻そうとする。「…ありがとうございま…」ふと、カイルは反射的に視線をフィナの顔より下を向けてしまった。戦いの時は鎧を着ていたせいで気づかなかったが、フィナの胸はまあまあ大きい。(カイル目線では多分Gくらい?)大人の女性であるフィナのシャツの隙間から見えそうになる胸は、年頃のカイルにとってあまりにも刺激が大きかった。「(チラッと見えてしまった!大き過ぎてつい目線が…って、ダメだ!介抱さ
last updateLast Updated : 2026-01-02
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登場人物(主要人物).

グレン性別・男、年齢・不明 、身長179cm武器・大剣→刀髪の色・赤色、瞳・黒10年前の悲劇の国キュアリーハートの生き残り。他の人とは違い、悪魔を心に宿しその力を駆使し、絶大な力を発揮するため人々から恐れられている悪魔祓い(デビルブレイカー)。幼い頃に悪魔に襲われたところをリフェルに助けられ、契約を果たした事で人間の心を失い、人格を奪われた。ミーナの事をウザいと内心思いながらも気にしていない訳ではなく、彼女が危険に晒されると空間移動で移動して守ろうとする。魔法の力は絶大で最上級の魔法の属性を全て扱える他、リフェルの魔力である悪魔の黒い炎を扱える。ミーナ・ヴァミリオン性別・女、年齢・17、身長・165cm髪の色・金色、瞳・青キュアリーハートよりも東の方にある静かな町(クレーアタウン)に住んでいる高校生の女の子でもう1人の主人公。友達と平凡な日常を送っていたが、魔が差して友達と夜に人気のない道を歩いていると悪魔の男に襲われ、自分以外の友達全員を殺された。自分も殺されそうになった所を偶然グレンに助けられ、命は助かったがあまりの急な展開と彼の人間としての心が欠けていた事で感情が安定しないまま気絶した。次の日、学校で悪魔となって現れた友達3人が学校にいる人全員を皆殺しにし、自分も殺されそうになった所を再びグレンが現れて助かった。しかし、目の前で二度も友達を殺された事がミーナの心には響き、部屋で引きこもっている所をグレンのもう一つの人格が自分の夢に現れ、悪魔の実態とグレンの正体を聞かされた。そして彼から自分を元の人格に戻してほしいと言われたことで自分も旅立つ決心をつける。母親によるととても手にかかる大変な子だったらしいが旅先では戦意喪失のエバルフを立ち上がらせる一言をかけるなど見た目によらず根は強い性格である。父親のことを尊敬しているがグレンと父親が師弟関係ということはまだ知らない。カイル・エリオン性別 男、年齢 18、身長160cm髪の色・黒、瞳・黒大国イフリークの騎士団の中で歴代初の最年少でいて最強の騎士団団長である。1000人に1人の神級魔導師であり、1人で5000人分の騎士に相当する実力を持っている。自分の影を一定範囲まで広げ、その影に入って来た対象の敵ならどんなに離れた場所から剣を振っても相手は必ず斬られてしまう影の神級魔法(黒帝剣技)を使
last updateLast Updated : 2026-01-03
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第22話 罪の向き合い方

グレンとカイルは戦いで傷ついた身体を休める為、シルフのテントで2日ほど世話になった。現在、シルフは国の復興の為に国の働き者の男達が建物の修復作業などを行い、女性は働く男性の為に炊き出しのご飯を準備していた。街が壊れても、人々の心は壊れていない。それは国民の誰もがあの頃のシルフを取り戻したいという気持ちがあるからだ。誰かに強制され操られているからではない。国民達の個々の気持ちが一つになり、悲しみを感じるよりも修復への道に希望を見出しているのだ。そしてグレンとカイルは本日シルフを立ち去る事にした為、最初にフィナに会ったシルフの門の所へ来ていた。グレンは何日経ってもシルフに到着しないミーナとイフリークの国民達が今現在何処にいるのかを魔力で探り、そして居場所を見つけたのだ。「とりあえずイフリークの人達の居る場所が分かっただけでも良かった。」「でもあそこは悪魔の被害が多くあった国で今ではかなり荒れた場所になってます。なので気をつけて下さいね。」フィナは見送りに来ており、イフリークの国民が向かった場所の説明をした。そこは南の国の中でもキュアリーハートにより近いとされる小さな国。レミール国。故にキュアリーハートから侵攻してくる悪魔達も多かった為か廃墟になった建物が多く、人口も少ない。「確かにそんな国に大勢の人間が集まれば、悪魔にとっては格好の餌食となるな。」「そうだな。一応1〜9の騎士長をその国に集まる様には要請して守りを固めようとは思う。イフリーク復興の為にシルフでしばらくお世話になるとこでしたけど、今の現状では難しいか…。」元々イフリークが復興するまでの期間シルフの援助を受ける筈であったが、今回の事で援助を受けるのが難しくなった。その為、今後どうするかは決めておらず迷っていた。「とりあえず…俺とお前が戻って決めよう。多分戦力の強化にはなると思うから!」「勝手に決めんな。…ミーナを迎えに行くからお前も来るんだったらとりあえず俺の肩に手を乗せろ。」カイルは言われた通りグレンの肩に手を乗せる。空間移動でミーナ達の所へ移動するのだが、その前にカイルはフィナに挨拶をする。「ではこれで失礼します。フィナさん、シルフの復興とこれから新しい国王として頑張って下さい!」「ありがとう、カイル君。国王なんてそんな名ばかりだけど、皆んながこれからも幸せに暮
last updateLast Updated : 2026-01-03
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第22話 罪の向き合い方②

しかしグレンは悪魔祓いであり、契約により心を失っている為かエミルとミーナのそのやり取りに対する経緯に関しては全く興味無かった。「(本当に友情がどうとかの話か。聞いて損したな…)」しかし、一つ興味が注いだことはエミルの前に現れサタンを剣術で圧倒したという中年の男。その男はイフリークでグレンと会った剣の師匠であり、そしてミーナの父親だ。「(アガレフ…あの男の強さなら獄魔7将を圧倒して当然か。…もしかすればあいつならこの前の俺の力について知ってるかも…)」「どうしたのグレン?」考え事に夢中で反応のないグレンにミーナは声を掛ける。グレンは突然の声掛けに対して慌てること無くいつもの様に冷静に返答する。「…何でもない。ミーナはその中年の男を見てないんだな。」「そう。私は気を失ってたから全く。でも皆んなは凄く強い人だったって言ってたよ。」「…そうか。」グレンはその男がミーナの父であるアガレフだとは言わなかった。普通何年も会っていない娘とそのまま会わずに去る父親なんておかしい筈であるが、その理由をグレンはアガレフから聞いている。その理由はあまりにも残酷である為、今ミーナにそれを言うのはいくら悪魔祓いのグレンでも流石にまずいと思ったのだ。しかし、グレンは気になっていた。元々剣術ではアガレフに勝てた試しが無くミーナはその娘。しかもたった2日エミルと修行をしただけでかなり腕を上げたと言っていた。果たしてその実力がどれ程のものなのか、グレンは気になっていた。「おい、ミーナ。一度俺と剣の手合わせをしてくれるか?」「え?」グレンは床に落ちてある竹刀を1本ミーナに渡した。そして部屋の中央に行くとグレンは竹刀を両手で胸の前に持ち、ミーナの方に先を向ける。「とりあえず構えろ。俺に対してどんな手段を取っても良い。俺に対して1本取ってみろ。」「え?…いやいやいや!無理に決まってるでしょ!?」「分かった。じゃあ、俺は魔法を使わない。そしてその場から移動しない。これでどうだ?」流石にグレンに対して萎縮しているミーナの緊張を解す為にもかなりのハンデを提案した。ミーナはその提案に対してえ?という反応をするがとりあえず竹刀を持って構える。ミーナは最初真っ直ぐ立っていたが、構えに入ると両足を前後に開脚させ、竹刀を左手で持ち右手で添えた。その姿を見てグレンは驚き
last updateLast Updated : 2026-01-03
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