All Chapters of 悪魔祓い(デビルブレイカー): Chapter 41 - Chapter 50

69 Chapters

第23話 一殺多生を強いられた人生

次の日、カイルはイフリークの12騎士団であるエバルフとカレンと他数名の団員達、それからエミルとミーナをレミールの人達から提供された学校の中にある教室に集められた。「あれ、グレンは?それよりも私がここにいて良いの、カイル君?」「ああ、あいつは後で来ると言ってた。今回はミーナちゃんも居てくれた方が良いと思ってね。」カイルは教室の一番前にある教壇に立ち、他の団員達は学校の椅子の様な物に座っている。側から見れば学校の授業みたいに見え、ミーナは最近まで学生だった為かちょっと懐かしく感じてる。するとカイルが話を始めた。「君らに集まってもらったのはこれからの動向についてだけど、その前に悪魔の情報共有をしたい。それぞれ知ってる悪魔の情報を教えて欲しい。」「悪魔の情報ですか?」カレンが聞き返すとカイルは答えた。「ああ。ここ数日で悪魔は徹底的にイフリークを襲ってきたからな。それに、あの悪魔達の中には獄魔7将と呼ばれる別格の悪魔もいる。そいつらは正直俺やグレンでも勝てるか怪しいレベルだ。」「団長がそんな事言うレベルですか!?」「そうだ。能力や特徴などを互いに共有すれば色々対策も出来るだろう。俺も既に何体かの獄魔7将と対峙してるから、とりあえず書いていくぞ。」そう言うとカイルは教壇の前にある塗板にそれぞれが教えてくれた悪魔の情報を書き出していく。カイルは心の中でベルゼバブにも聞いてみたい。(なあ、ベルゼバブ。お前も何か知ってる事教えてくれよ?)(ごめんよ。ルシファーの事は少し分かってるんだけど他の悪魔の事は僕もあんまり知らないんだ。)(そっか。じゃあルシファーの事だけでも頼むよ。)(おけ!えっと、ルシファーはね…)そうしてしばらくすると大体の悪魔の特徴が纏った。「まず、獄魔7将はレヴィアタンだな。ティラーデザートにいた奴だけど水の魔法を得意としてたな。こいつはグレンが倒したからもう居ない。」それを聞いてホッとしたのはエミルだった。何故ならレヴィアタンの事で一番トラウマに感じてるのは間違いなくエミルだからだ。しかし、次にカイルが放った一言でその場の空気が凍りついた。「けど、こいつは獄魔7将の中では一番弱いらしい。」あのレヴィアタンで一番弱いと教えたのはベルゼバブであり、カイルもこれを聞いた時はかなり驚いていた。実際戦ったのはカイル、エミル、
last updateLast Updated : 2026-01-04
Read more

第23話 一殺多生を強いられた人生②

それは、キュアリーハートで悪魔祓いになってから1年後の事。悪魔であるリフェルとの契約により本来の人格を失ったグレンは本当の名前も忘れ、悪魔を殺す事しか考えない日々を送っていた。その原動力は誰かを助けたいからでは無く、只々悪魔を殺したいという生理的欲求に近い感情がグレンを突き動かしていた。まるで血に飢えたかの様に悪魔を殺しまくるグレンの姿を見た人々は彼を人間として見る事は無く、悪魔と同等の危険な存在として認識していた。そんなある日、謎の集団に取り囲まれたグレンは成す術無く捕縛されてしまった。その集団は捕縛された後から知る事になり、正体は北の大国の命令を受けた軍事開発機関の者達だった。軍事開発機関とは、国の軍事力を向上させる為に魔法に関する兵器の開発や魔力、身体などの潜在的能力を底上げさせる役割を持った大国の重要組織。俺はキュアリーハートで生き延びた後、約1年間北の大国に居た。そして連れて来られた施設には他にも当時のグレンと同じ歳くらいの子供が数十人連れて来られ、白スーツを着た金髪の男性が子供達全員の前に現れた。「君達…あの変わり果てた地獄の中、本当に辛く大変だったと思う。そう思うと悲しくて涙が…しかし、安心したまえ。ここでは君達の様な親を失った子達の親に代わり、育てていく施設だ。だから君達は安心して過ごして下さい。ここでは十分な衣食住と幼少期に必要な教育も施されます。君達は私達が責任を持って預かります!」白スーツ男のこの胡散臭い演説は勿論大嘘である。この施設はいわば軍事開発機関に用意された実験施設。その中でも人の幼少期から能力の底上げを目的とした実験施設である。そこに連れて来られた理由。それは、キュアリーハートで悪魔にならなかった者の研究をする為である。北の大国はキュアリーハートで起きた事件の情報から、悪魔になった者と悪魔にならなかった者の違いについて疑問を持った。悪魔にならなかった者の中には見た事もない魔法を身につけ、人間が悪魔を狩る姿を目撃したという情報を知る。そしてその悪魔を狩る者達をこの世から悪魔を全て一掃して欲しいという願いを込めて、悪魔祓い(デビルブレイカー)と名づけた。同時に人間にも悪魔の力を付与させ、その力で北の大国の軍事力を更に向上させようとも考えた。キュアリーハートで孤児になった子供達が捕縛された理由はその実
last updateLast Updated : 2026-01-05
Read more

第24話 復讐者達の動向

4大国の中でも軍事に力を注いでるこの国は近くの小国を武力で支配し、支配した国を吸収して領土を拡大し続けてきた。ここは、北の大国ウンディーネ。その中でも西の端に位置する名もない村。ウンディーネの軍事侵攻によって攻められた小国の成れの果てがこの村である。戦争の被害により修繕されきっていない村の建物と焼けて草木が枯れ果てたこの土地には十分な食料や物資が足りておらず、日々犯罪と物乞いをする人間達が溢れ返ったスラムの様な場所。そんな場所にこの村では見慣れない3人の男達が通り掛かった。1人は赤い髪をした身長2m程の大柄な中年の男。そして後ろに着いてきた2人。「ここって、北の大国だよな?」「大国にしては随分寂れた場所だね。」筋肉質でツンツンと逆立った金髪の少年ライクと肩まで掛かる緑色のサラサラ髪をした少年ニケル。この2人は以前エミルと行動を共にしていた盗賊仲間で月の民殲滅戦の生き残りであったが、訳あって神の遺跡で出会った赤髪の大男グロードと共に行動していた。2人は北の大国のこの寂れた村の風景を見てそれぞれ口を開くと、前を歩いてたグロードがそれに対して答えた。「この村は大国の首都からかなり離れている。目に届かない村だから治安も悪いし人々の生活も貧しい。見てみろ、あそこの少年達を。」グロードが指差した場所は壊れた建物の壁だけが残っており、その壊れた建物の壁には年の違う少年2人が壁にもたれかかる様にして座っていた。見た目の年齢的に10代前半の少年とその年齢に満たない様な幼子。2人はまるで肌着同然のボロボロになったシャツを着ており、兄の方の片手には茶碗を持ちながら地面を向いていた。「あそこに居るのは恐らく戦争孤児となった兄弟達だろう。可哀想に。兄の方は足が腐りかけてるから立って歩く事が出来ないんだろう。だから、ああやって物乞いしなければ生きていけない。」「おっさん。目瞑ってんのに、よく分かるよな?」グロードは神の遺跡に居た時から目を閉じており、今も目を閉じたままその兄弟の方に指を向けて説明をした。「おい、おっさんって言うなよライク!グロードさんだろ?」ニケルはあまりにも言葉遣いの悪いライクの肩をこづいて注意したがグロードは全然気にせず言った。「俺の目はずっと昔に失明してるから閉じてるだけだ。それに、目は見えなくても魔力感知すれば大体相手がどこに
last updateLast Updated : 2026-01-05
Read more

第24話 復讐者達の動向②

3人は初めに通り掛かった村の近くまで戻って来ると空は既に薄暗くなっていた。「すっかり暗くなったな。今日は野宿だな。」「いつもはどうしてるんだ?」「大体野宿ですね。」「じゃあ今日はって使い方おかしくないか?今日も、だろ?」「ライクの言葉の使い方が可笑しいのは昔からなのでスルーで良いですよ。」「うっせー!いつも俺の事小馬鹿にしてんじゃねえよ!」こんな感じでライクは道中ずっとニケルに馬鹿にされながら歩いていた。グロードは子供の様な口喧嘩をしてる2人に少し呆れていたが微笑ましくも感じていた。…自分にも、こんな幸せな道があった筈なのに…ふとそう思うグロード。しかし、村へ着くとある異変を感じた3人は警戒し始めた。昼間通った時に比べると夜になった事で人は居なかったがそれよりも建物の数が異様に少ない…というか昼間よりもさらに倒壊しかけてる物が多かった。「ここ、今日通った村だよな?」「昼間よりも荒れてる感じがする。まるで何かが暴れた様な…。」建物以外にも地面には至る所に穴が掘られた跡や広範囲で削り取られた様な跡があった。ドガーン!!3人より離れた建物の壁が突如大きく破壊された音が聞こえた。そしてその壁の中から超スピードで何かが迫って来た。3人は向かって来た者から素早く避けた。避けられた者はすぐに着地すると勢いによって地面から土煙が舞った。「何だ!…こいつは。」そして土煙が晴れていき、その者の姿が露わとなった。その者は背が低く細身の身体をしていた。まるで子供の様な…。「お前は、あの時兄貴と一緒に居たガキ…その姿、まさか!」その子供は3人が村に来てすぐに見た物乞いをしていた兄弟の内の弟の方だった。しかし、見た目はかなり違っていた。全身黒い皮膚に変色し、腹部の大きな凹みが更に目立ったせいで肋骨や腸骨など骨が浮き彫りになっていた。更に胸部は心臓辺りに穴が空いていたがそこから血は流れておらず空洞化していた。まるでこの姿は。「どうやら悪魔になったらしい。あの子の胸の部分、恐らく悪魔に心臓を奪われているみたいだが様子が可笑しい。普通の悪魔とは何か違う…。」「グロードさん、あの子何か仕掛けるみたいですよ!?」その子供は真正面を向いた。正面を向いた事で顔が見える様になると、その子には眼球が無くなった状態であった。ブォォォォォォ!!
last updateLast Updated : 2026-01-06
Read more

第24話 復讐者達の動向③

ライクは首に掛けている雷神の連鼓を妖力の力で肉体へと取り込んだ。取り込んだ瞬間、高電圧の雷がライクの周囲を纏い始める。ライクの後方から1つ1つが直径10cmくらいの鼓が8つ現れ鼓同士が30cmくらいの円形となって背中に浮遊した。そして頭からはニケル同様鬼の様な角が反り上がる様にして生えた。「テメェらを、一瞬で地獄へ送ってやるよ。」そしてライクは一瞬でその場から消えた。悪魔達もそれに対応して移動し、移動したライクを数十人で取り囲んだ。ライクは腕を胸の前でクロスさせながら一言唱える。「ー鳴雷(なるいかづち)!」背中の上から7番目(右回りで数えて)の鼓が光るとライクはクロスに構えた両腕を詠唱と同時に真横へと一気に振るった。振るった瞬間、ライクの周りから一筋の雷がバチバチと激しく音を立てながら発生した。その一筋の雷はライクの腕を振ると同時に取り囲んだ悪魔達の方へと放たれ、雷の電圧の威力により悪魔達は感電しながら燃えて散った。一瞬で居なくなった悪魔達。そしてライクはアーデル達の方を向きながら。「…次。」とだけ言い、そして再び一瞬でアーデル達の方へと走った。「調子に乗るなよ?まだ他にも仲間の悪魔は居るのだよ!お前達!」エモンズがそう言うと廃倉庫の奥の方から残っていた悪魔が30人ほど出てきた。「いくら単体では弱い普通の悪魔でも、悪魔祓いでもない人間ではひとたまりもない。大人しくやられ…」「ー烈雷(れついかづち)。」ライクは次に詠唱すると背中の上から5番目の鼓が光出し鋭利な刃の様に形作られた雷を左右の手に纏った。そして30人を超える悪魔達へと近づき雷の刃を悪魔に振るった。雷の刃は剣と変わらない切れ味であり、大気を裂くような雷の斬撃はまず悪魔1体を頭から胴体まで一刀両断する。そして纏った雷の刃を振いまくった。元々の月の民による身体機能の高さと雷属性の身体強化によって異次元の速さで動きながら悪魔達を斬り倒し、その動きに対応出来ない悪魔は成す術なく次々と斬り倒されていった。「馬鹿な…たかが人間の身体機能(フィジカル)でこれ程の動きが出来るとは…」そして全員の悪魔を呆気なく斬り倒したライクは烈雷を纏ったままエモンズの方へと向かった。エモンズは着ていたローブを外して応戦した。「間髪入れずに私に向かって来るとは!…血の気が多い人間ですね
last updateLast Updated : 2026-01-06
Read more

第25話 集結

「お母さんとお父さんはもう、帰って来ないんだ。だから、これからはお兄ちゃんが守ってやるからな。」時々、私はこういった夢を見る。小さい頃の私はそれが親の死だとは分からず、歳の離れた兄と2人で生活をしていた。「お兄ちゃん、お腹空いた。」「ちょっと待ってろ!今お兄ちゃんがお前の好きなパスタを作ってやるからな!」笑顔で振り向き、私の好きなクリームパスタを一生懸命作ってくれる兄。「お兄ちゃん、このぬいぐるみが欲しいの。」「おお、可愛いな。…よし、分かった!すみません、これ下さい!」財布を確認してから兄は店員に頼んだ。「お兄ちゃん!これ見て!今日のテスト、クラスで1番になったんだよ!」「凄いじゃないか!偉いな!」兄はテストを見せる私の頭をポンポンと優しく撫でた。その手は温かく、心が安心する優しい手触りだった。ああ、あの頃は幸せだったな。「お兄ちゃん…クラスの子みたいな髪型にしたい!」私はその時クラスで流行りの三つ編みハーフアップの髪型にしたいと兄に伝えた。兄は悩んだ。女性の髪型を整える自信が無かったからだ。少し苦い表情をしたが、すぐに笑顔で了承した。本を見ながら慣れない手つきで私の前髪と耳周りの髪を残し、ハーフアップにしていく。そして残しておいた髪を後ろに向けて三つ編みにしていくが、男性にとっては三つ編みにするだけでも難しい。三つ編みにする手順で結んでいくが、見事に毛束はボサボサでとても可愛いとは言えない髪型となってしまった。本を見ながら一生懸命結んでくれた兄。しかし、この時の私は完成度の低い髪型に対して怒ってしまった。「…こんなのじゃない!」鏡に写った下手なハーフアップに怒りながら涙を流して暴れた。それに慌てて兄が慰めようとするが、怒りが治らない私は兄に向けて言い放った。「お兄ちゃんじゃなくて、お母さんかお姉ちゃんだったら良かったのに!」そう言った瞬間、兄は一瞬固まった。そして、兄の両目から一筋の涙がツーっと流れていく。「…ごめん。…ごめんね。」兄はただ一言、そう言った。違うの!私本当はそんな事思ってないの!お兄ちゃんは何も悪くない!私が悪いの!…本当は、お兄ちゃんの事が大好きなの!しばらく兄との会話は無く過ごした。兄が仕事で居ないある日、仕事関係の人が私達の家に来て言った。「あなたのお兄さんは、仕事中に事故で…
last updateLast Updated : 2026-01-07
Read more

第25話 集結②

次の日、カイルは今居る騎士団団員達を全員講堂へ呼んだ。そしてカイルは整列した団員達の前に出て言った。「本日より我が騎士団に加入する事になった、エミル・ウォーマリンだ。」カイルの隣にはエミルが立っていた。普段のエミルはタンクトップに半ズボンを履いたラフな格好であったが、この日はカイルに似た黒の長ズボンを履き団員達がしてるマントも羽織っていた。「宜しくお願いします!」エミルは深くお辞儀をした。団員達の反応は様々だった。エバルフやカレンなど、騎士団の中でもエミルと関わりの深い団員達は拍手をしながら歓迎ムードであった。しかし、一部の関わりのない団員達は微妙な反応であり警戒しているのが見て分かる。当然だ。エミルは元々盗賊であり、その罪もまだ償っていない。イフリークの騎士団は国にとって最も重要な戦力であり、多くの国民達にとっては目標みたいな存在だからこそ、何故エミルが騎士団に加入出来るのかを疑った。エミルもそれを察したのか暗い表情で俯いていた。エミルの紹介を終え、軽いミーティングをしてから全員講堂を退室していくと1人で出て行こうとするエミルを見てカレンが呼び止めた。「エミルちゃん。ちょっとだけ良い?」後ろから声を掛けられて振り返るエミル。「カレンさん。…はい、大丈夫です。」カレンは2人きりになれそうな場所へエミルを連れて行く。「ごめんね、エミルちゃん。さっきの貴方の表情を見てると何だかほっとけなくて。」エミルはただ下を向いていた。そしてしばらく沈黙が続いた後、カレンが再び口を開いた。「やっぱり、不安だよね?」勿論、カレンはそんな事分かりきっている。分かりきってはいるが、どうしてもエミル本人の口からその本音を聞きたかったのだ。エミルは下を向きながらゆっくりと答えた。「…はい、とても不安です。私みたいな盗賊をしていた人間が騎士団という立派な仕事に就いて良いものなのか?カレンさん達が認めても、他の人からすれば仲間を殺された恨みだってある筈です。もしかしたら一生認められないのかと思うとこれから先、不安しかないです。」カイルやエバルフ、カレンが認めてもティラーデザートでイフリークの馬車を襲撃した事に変わりはない。騎士団の中にはエミルの事を恐れてる人間もいるだろう。全員がそうじゃなくても、エミルを良く思わない人がいると考えただけでエ
last updateLast Updated : 2026-01-07
Read more

12騎士長

1騎士長(ワン・ナイツ)ゼロス・リジェクト(男)48歳2騎士長(ツー・ナイツ)リオン・アンクリア(男)47歳3騎士長(スリー・ナイツ)ルスト・イグノー(男)35歳4騎士長(フォー・ナイツ)ウェンディー・ソルディア(女)40歳5騎士長(ファイブ・ナイツ)シキ・ラインハルト(男)32歳6騎士長(シックス・ナイツ)エレンシー・ガーデン(女)39歳7騎士長(セブン・ナイツ)アレックス・マーベル(男)26歳8騎士長(エイト・ナイツ)ミラ・イグノー(女)29歳9騎士長(ナイン・ナイツ)ザジ・インクバス(男)30歳10騎士長(テン・ナイツ)カレン(女)26歳11騎士長(イレブン・ナイツ)サージス(故人)12騎士長(トゥエルブ・ナイツ)エバルフ・シュロン(男)28歳数字は騎士団に加入した順番であり、決して強さだけで決まっていない。12騎士長の制度はカイルより先代の団長が自身の仕事の多忙さから騎士団の中でも自身に変われる様な存在を作る為に考えられた。強さだけで決めると長く騎士をしていた者が不満を持つだろうと考え、加入した順番で数字を決めた事は騎士長は勿論、カイルも知らない。(但し、ゼロスは普通に強く騎士長の中では間違いなくNo.1である。)(ぶっちゃけるとぐちぐち文句言われたくないのが理由。)カイルが団長になった理由は今後の話に出そうと思いますが、そうなった事で1〜3騎士長のカイルに対する当たりが強いのがいい例である。
last updateLast Updated : 2026-01-07
Read more

第26話 色欲の悪魔

「イチ、ニ!イチ、ニ!」竹刀を持ちながら規則正しい掛け声と共に素振りをしてるのはミーナだった。ミーナはエミルが騎士団に加入した事で朝から稽古の相手が居なかった為、訓練所で1人で出来る基礎的な稽古をしていた。「(頑張って1日でも早く強くならないと!)」一生懸命竹刀を振るっていると突然ドアが開いた為、気付いたミーナは素振りを止めた。そこに入ってきたのはカイルとエミル、エバルフにカレン。そして、初めて見る騎士団の服を着た背の高い男性だった。ミーナはエミルが見えたので話し掛けに行った。「エミル!言われた通り正面素振りと早素振り、それから上下と左右を100回ずつやったよ!」「え、早っ!もう終わったの?」「うん!暇だったからもう1巡してた!」その割にはあまり息を切らしてない。最早この程度ではもう練習にもならないのだろうと思ったエミル。「ねえ、もう話し合いは終わったんでしょ?今から稽古付けてくれるの?」「ごめんね、今はちょっと出来ないかも。」そう言うとエミルはカイルとゼロスの方を見た。両者共にピリピリとした緊張感が走り、真剣な表情で睨み合っていた。「あの人は誰?」「1騎士長(ワン・ナイツ)、ゼロス・リジェクト。私達12騎士長の中で一番強い騎士長よ。」ミーナの問いにはカレンが答えた。「彼が団長に勝負を持ち掛けたの。勝った方が団長の座を明け渡すという賭けを持ち掛けて。」ゼロスはずっと考えていた。どうすれば自分が団長になれるのかを。何年も騎士長として貢献してきた自分より、30も歳が離れた奴に団長を任せられてる理由が分からなかった。確かに影の神級魔導士で黒帝剣技を併せ持つカイルは文字通り最強だった。現に物量戦においてカイルに敵う騎士は居ない。影を拡張した領域での斬撃はほぼ防ぎ様がない。そしてその10代という年齢で戦場におけるその場の判断力も悪くはない。だが、それでも長年実績を積んできた自分がこんな子供に劣るとも思わない。先程のエミルの件で口論になった際は、別にあれで団長の座を奪おうとは本気で思っていない。それでは皆んなも自分も納得出来ないから。だからこそ、実力で決着を付けたかった。自分の戦術、魔法の技術、剣術全てをカイルに叩きつけ、実力で団長の座を奪う。その想いを胸にゼロスはカイルの正面で竹刀を持ちながら構えた。「団長、約束はお忘
last updateLast Updated : 2026-01-07
Read more

第26話 色欲の悪魔②

「皆さん、落ち着いて下さい!こっちへ避難して下さい!」巡回してたカレンは突然の悪魔襲撃に混乱してるレミールの国民達を悪魔が少なそうな場所へ誘導し、前方から襲って来る悪魔を返り討ちにしていた。しかし、地上へ繋がる道はアスモディウス達が通ってきた場所しかこの国には無い為、国民達は結局逃げ道から遠ざかっていくだけだった。カレンは只ひたすら、逃げ道の方から現れる悪魔達を斬り倒していた。「(何で悪魔がこんなにも湧いて出て来るの!?国の入り口で待機してたザジさんは?もしかしてやられたの?)」そんな事を思いながらカレンは剣を振り続けた。一方、他の場所でも騎士長達は悪魔達と交戦していた。「悪魔とか、超ウザいんですけど!?」9騎士長のミラはダルそうに言うと自身の掌で光魔法を溜め込んでから上に向けて放つ。一直線に放たれたその光は数m地点でミラのいる真下に降りてきた。そしてミラはいつも見ている手鏡でその光を受け止めた。「面倒くさいから、纏めて死ね。」手鏡に当たった光はその後周囲に散らばる様に乱反射しながら複数の光の矢となり、周囲にいた悪魔達の胸を貫いた。「これいつまで続くんだよ!てか、ルスト兄はどこ居んだよ!」3騎士長ルストと2騎士長リオンも同様に悪魔達と応戦していたが、あまりにも数が多過ぎる悪魔を前にうんざりしていた。「くそっ!幾ら倒してもこいつらゴキブリみてえに湧きやがる!」「本当に…とんでもないタイミングで!戻ってしまいましたよ!」ルストとリオンはそう言って苛つきながらも悪魔達を次々に斬り倒していく。「やっぱり雑魚悪魔じゃダメだな!」ルストとリオンの前に現れたのはさっきまで斬り倒してた悪魔達とは違い、如何にも強そうな悪魔。「リオン騎士長!こいつ、獄魔だぜ!」「確かに、魔力がさっきの悪魔とは段違い…」その刹那、獄魔は2人の間を通過する。両手には鋭い爪を剣の様に伸ばし、反射して避けきれなかった2人の腹を切り裂いた。「グハッ!」「ガハッ!」「ハハハ!騎士長レベルじゃ話にならねえ!さあ、お前達!さっさとコイツら喰っちまえ!」獄魔が指示すると更に20体以上の悪魔がルストとリオンを襲った。「やれやれ。幾ら何でも多いですね。」ルストとリオンの後方から現れたゼロスは剣を抜いた。「ー遮断空間(シャットアウトスペース)。汝(なんじ)、我の存在に
last updateLast Updated : 2026-01-08
Read more
PREV
1234567
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status