施設の案件を任されてから早くも2週間が過ぎた。毎日施設通いしているが、立ち退き話はできていない。だから毎日、ミューに逢えて嬉し……いやっ、別に、嬉しくないぞ! これは仕方ないことなんだ。ビジネスだからな。 でも、雲行きが怪しくなってきているのは事実。というのも、先ほどホテルに立ち寄ったら、支配人に「王雅様でも無理な案件があるのですね」なんて言われてしまったんだ! だから無理じゃないってことを、証明してやるんだ。 今日は子供たちを手なずける作戦。その名も『うまい飯と高級玩具でハートはガッチリ大作戦』だ。 これで堕ちないヤツはいない。 ふっふっふ。今に見てろ。 施設に肝心の子供たちがいなきゃ、いくらミューが立ち退きしないと言っても、どうにもならないからな。俺の手中に収めた子供たちに捨てられたらいいんだ! そうしたら、俺様がたっぷりとベッドでかわいがっててやるぜ。ハハハ。 んで、ポイだ。 というわけで、今日はトラックいっぱいに玩具や昼食の準備をして、施設に来たわけだが。 狭くてトラックが入れないから、召使を総動員させ、施設のちょっとした広場(公園というか庭というか)でフリーマーケット状態だ。 そこへ子供たちが玩具や食事に群がってくるはずだったのだが――誰も出てこない。「おーい、子供たち! いないのか?」 呼んでも返事がないので、扉を開けようとしても動かなかった。 入り口は、鍵がかかっていた。 絵に書いたような貧乏施設の扉は、開けるとガラガラとやかましい音のする横開けタイプのものだ。古びていて、今にも取れそうな扉にご丁寧に鍵なんか掛けやがって! 盗られるようなものなんか、ないだろ! 近くの窓から中を覗いてみたら、電気は点いていないし、施設はもぬけの空だった。 俺はもう一度扉の前に立ってガンガンと乱暴にそれを叩いていると、どうかしましたか、と後ろから声をかけられた。 振り返って声の主を確認すると、アッシュ系の色をした髪を肩くらいまで伸ばし、それを綺麗にセットした長身で、脚が長く、割とセンスの良い着こなしの、洒落たTシャツとGパン姿の男が立っていた。 見た感じ年は26歳くらいだな。俺より少し歳上だろう。メタルフレームのメガネが女性にウケそうで、頭脳派インテリという感じの男だった。 この男は誰だろう?「誰だよお前」インテリメガネに聞
최신 업데이트 : 2025-12-29 더 보기