準備が整ったので、施設でコロッケパーティが始まった。 近隣住民が押しかけて来て、施設の小さな広場が人で溢れた。人ごみが苦手だから避けていると、美羽に肩をたたかれた。 「食べないの?」「ああ。どうも人ごみは苦手でな」「ダメよ。せっかくだから王雅も食べなきゃ。みんな喜んでるんだから、一緒に来なさい」 美羽に押される形で広場に出た。俺の姿を見つけた子供たちが一斉に取り囲む。 口々に、お兄さんありがとう、コロッケたくさん食べられて嬉しいよ、等。俺が作ったいかにもマズそうなおにぎりを頬張り、子供たちは喜んでいる。 ……なんだよ。 そんなに喜ぶなら、もっとちゃんと作ればよかった。 どんな味がするのかと思って自分の作ったおにぎりを食べてみた。味は、予想通りでうまくなかった。 子供たちが絶賛するほどの味には程遠い。 隣に置いてあった美羽の作ったおにぎりはとてもおいしかった。塩加減も丁度よく、綺麗に握られているから米と具の調和も素晴らしい。 しかし子供たちは、俺の作った出来損ないのおにぎりを、うまいうまいと平らげていく。 きっと来るたびに持参してる菓子折りへの礼か、コロッケパーティへの礼のつもりなのだろうか……子供たちに気を遣われているんだろう。 「王雅。どうしたの? ぼんやりして」「ん、あ、いや……美羽の作ったおにぎりはすごくうまいのに、俺の作ったのはまずいよな。子供たちも気を遣って無理に食べてるから」「おいしいわよ。私も食べた」「えっ!? 食うなよ。べちゃべちゃで、見た目も酷いし……」 美羽まで口にするとは誤算だった。 しかし美羽は、意外そうに俺の顔を見つめて言った。「子供たちはちゃんとわかっているのよ」「なにが」「王雅が心を込めて作ってくれたことよ。確かに見た目はよくないけど
최신 업데이트 : 2026-01-18 더 보기