「アイちゃん……手を握って……?」 エゴおねえさまは|偶《たま》に甘えん坊になることがあった。 持病がひどい時に、眠りにつきたい時に……アイを必要としてくれる。あいの掌を。……何の病気かは決して教えてくれなかったけど。 病床に伏すエゴおねえさまの手を握ると、安心したような顔になり、この世の何処にも不安など|存《ぞん》しないというような無垢で幼い笑顔になってくれる。そして、|暫《しばら》くすると寝息が聞こえる。 わたくしはその寝顔を眺めるのが好きだった。 穏やかな寝息を立て、安らかに眠るエゴおねえさまの顔が――。 エゴおねえさまはいつでも|ア《・》|イ《・》|に《・》|与《・》|え《・》|て《・》|く《・》|れ《・》|る《・》。 ◇◆◇ 「骨の|心《ヘルツ》?ですか?」 「そうよ〜私の一番得意な|心《ヘルツ》よ〜。……っていうか、病気のせいでそれしか使えないんだけどね〜。」 エゴおねえさまと中庭寝転びながらお話する。 抱きしめられてポカポカ気持ちいい。 「アイちゃんはまだ習ってないかもしれないけど、|心《ヘルツ》っていうのは基本的に自分の一番得意な心を磨いていくのが強いのよ〜。」 「……得意な|心《ヘルツ》?」 「ええ、アイちゃんはこれまでどんな|心《ヘルツ》を使ったことがある?」 「んん〜っと……。」 指を折りながら数え上げる。 「悲しみの水の|心《ヘルツ》、慈しみの雨の|心《ヘルツ》、怒りの雷の|心《ヘルツ》……などですかね?」 ――それと、|憎惡《あい》の黒い雨、黒い太陽の|心《ヘルツ》……。 「うんうん。」 「……あれ?それと。」
آخر تحديث : 2026-06-19 اقرأ المزيد