ふと、ラアルさまがずっと押し黙ってフルフルと震えていることに公王様とわたくしが気づいた。 「「……?」」 「ラアルちゃ――」 「ラアルさ――」 突然ガバっと動いたラアルさまに|獣神体《アニムス》の凄まじい膂力で公王様の膝の上から抱き上げられる。 「アイ……!!そこまで私を想ってくれていたなんて!私は今感動しているわ!!猛烈に感動している!!このこころを表す言葉なんてこの|文学界《リテラチュア》にないわ!」 突然叫びだしたラアルさまに、公王様とわたくしが目を白黒させる。 「愛しているわ!!アイ!!」 ――そのこころからの純粋な言葉に、胸が痛んだ。 ◇◆◇ 「わたくしも……ラアルさまのことをお慕い申し上げています……。」 愛している、好き……とは言えなかった。 卑怯な気がしたからだ。 「あら〜ママの前でいちゃつくわね〜?」 「「うっ!」」 ◇◆◇ 次の日私が扉を押し開けると、金糸を編んだレースカーテン越しに、やわらかな日差しが室内にこぼれていた。真昼の光は、床の大理石に淡く跳ね返り、談話室全体を乳白色に染めている。 そしてその光の中心に――アイがいた。 さらり、と。 静かに揺れたのは、絹糸のような真っ直ぐな髪。両脇を結い上げたツーサイドアップが、小さな肩の上に軽やかな影を落とす。細く整った首筋。ちいさな体つきなのに、やわらかな曲線をまとっていて、触れれば吸い込まれそうなほど繊細で――なのに、息を呑むほど艶めいている。 何度見ても思ってしまう。 世界でいちばん可愛いのは、この子だわ。 「ラアル
آخر تحديث : 2026-06-27 اقرأ المزيد