瑞の部屋のインターフォンが鳴った。モニターを見て驚いた。 「お、小川先生……だよ」 2人で食事の準備をしていたところに、突然の思わぬ訪問者がやってきて、途端に瑞の顔色が変わった。それにしても、どうして小川先生がここに? 「俺が出る」「えっ……あ、うん」 ロビーのオートロックを解除したら、小川先生が部屋の前まで上がって来た。 ドアを開けたまま話す2人。 「瑞先生、こんばんは」 「どうしてここに?」 瑞と小川先生の声が、部屋の奥に隠れている私にも聞こえる。 この状況を、「隠れている」と表現するのが悲しい。 「今日の資料、持ってきたの。必要だろうと思って」 「この資料は、前に僕ももらってる。小川先生にわざわざ届けてもらう必要はない」 「で、でも、私……瑞先生に会いたくて。だから……」 えっ…… 瑞に会いにわざわざマンションまで来たというの? 先生が瑞を好きなのはわかるけど…… その時、私の手が何かに当たり、ガタンと大きな音を出してしまった。 思わず2人の視界に入ってしまい、心臓が止まりそうになる。 だって…… そこには、瑞に抱きつく小川先生がいたから。 瑞は、すぐに先生を自分から離した。 今の小川先生の顔は、信じられないくらいの驚きで満ちていた。 「あっ……え!? どうして? どうしてあなたがここにいるの? ここは瑞先生の部屋よ!?」 「小川先生。この前も話したけど、俺は愛莉が好きで、今は一緒に住んでる」 瑞は、言葉を選ばず、ストレートに話してくれた。 「そ、そんなバカな! 一緒に住んでるなんて、私、聞いてないわ」 怒りをあらわにし、かなり取り乱しているように見える。 「俺達が一緒に住んでいることをわざわざ君に言う必要はないだろ?」 「そ、それは……。で、でも、私は認めない! あなた達はお似合いじゃないと言ったはずよ」
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