全員が、その場に縫い付けられたように動けなくなった。顔や手に刺青を入れたルズカルの兵士たちは動きを止めた。先ほどまで狂喜していた魔法使いたちも息を呑み、完全に硬直した。血の誓いと勝利を口走っていたウトでさえ、一瞬声が出なくなった。ディリアンがその選択をするとは、誰一人として予想していなかったのだ。彼らの考えでは、この男は必ず別の道を探すはずだった。迂回し、回避し、戦術を練るはずだった。いくら恐ろしい名声を持つ人間であろうとも、自ら進んであの悪魔の影の中に飛び込むなどという狂気の沙汰は、絶対にあり得ないことだったのだ。彼らは、最も根本的な事実を一つ忘れていた。ディリアンは今、将軍として思考しているわけではない。公爵として行動しているわけでもない。ましてや、殺戮者でさえないのだ。今の彼は、ただ娘を腕の中から奪われた一人の父親だった。そして、子供を奪われた父親という生き物は、恐怖という感情を一切持ち合わせてはいないのだ。ウトが我に返り、そして腹の底から大笑いした。それは、強烈な憎悪に満ちた、無理にひねり出された笑いだった。「殺せ!」彼はヒステリックに絶叫した。「今すぐあいつをぶっ殺せ!」その怒号が、凍りついた静寂を打ち破った。ルズカルの兵士たちが一斉に動いた。武器が振り上げられる。魔法使いたちが狂ったように呪文を詠唱し始め、その声は幾重にも重なり合い、まるで死を招く合唱のように響いた。魔法の光が次々と空中に現れる。腐臭を放つ紫色、猛毒の緑色、深淵の漆黒――そのすべてが、ただ一点、ディリアンに向かって放たれた。しかし、その距離が完全に詰まるよりも早く、「公爵閣下!」二つの人影が、森の木立を突き破って飛び出してきた。シグとエリックだ。彼らの顔は雪と乾いた血に塗れ、息は激しく切れていたが、その瞳は決して揺らいではいなかった。剣を抜き放ち、目の前に広がる状況がどれほど絶望的であろうとも、その背筋はピンと伸びていた。「我々が、背後をお守りいたします!」その叫びは、単なる戦場での報告ではない。騎士としての絶対の誓いだった。ディリアンは振り返らなかった。必要ない。自分の心臓が動いているのと同じくらい当たり前に、彼らがそこにいると分かっていたからだ。ウトが激しく舌打ちをした。顔は怒りで真っ赤に染まって
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