安堵と恐怖が激しく綯い交ぜとなり、セレーネの膝は崩れ落ちそうになった。「ラミア……」セレーネの声は微かに震えていた。「この子たちを……助けて……」しかし、ラミアは即座に慰めの言葉をかけることはしなかった。ラミアは冷然とした面持ちで一歩前へと進み出た。ラミアの背後では、長衣を纏った魔女たちが円陣を組み、その掌に淡い魔力の光を宿らせていた。ラミアはディリアンの顔を、底知れぬ深さで見据えた。「問題はそこではないわ」ラミアは冷ややかに告げた。「あなたにこれを止めるための代償を支払う覚悟があるのか……それとも、この炎に獲物を選ばせ続ける気なのか、ということよ」周囲に凝固していた炎が、再び不穏な爆ぜる音を立て始めた。死の包囲網は……未だ完全に停止してはいなかった。ディリアンが一歩前へ踏み出した。大気の中で静止していた炎が、未だ任務の続行を渇望するかのように微かに脈打っている。「ラミア」ディリアンは低く、だが鋭い声で言った。「魔女であるお前たちは、俺から何も奪わないと以前言っていたはずだ」ラミアは彼を長く見つめた。その眼差しは敵に対するものでも、味方に向けられたものでもない。あまりにも多くの破滅を見届けすぎた者特有の冷徹な光だった。「ええ、その通りよ」ラミアはようやく答えた。声は静かで、どこまでも平坦だった。「私たちはあなたから何も奪わないわ」セレーネは胸を撫で下ろしかけたが、ラミアの宣告はまだ終わっていなかった。ラミアは言葉を継いだ。その瞳に冷ややかな光が宿る。「けれど、この炎も、この死の円環も、私たちのものじゃないわ。いかなる魔女の創造物でもないのよ」冷たい風が吹き抜けた。凍りついていた炎が微かに軋み、ガラスのように脆い亀裂を走らせる。「これは古の意志よ」ラミアは告げた。「調和と均衡を要求する力だわ。そしてあらゆる均衡には……必ず相応の代償が伴うものよ」セレーネの心臓が激しく跳ね上がった。セレーネは駆け寄り、ディリアンの傍らに並び立った。セレーネの手は激しく震えていたが、これから起きるいかなる厄災からも引き離されまいと、夫の逞しい腕を必死に掴み締めていた。ディリアンは微塵の躊躇もなく告げた。「なら言え。その代償とやらを」この絶望的な状況において、ディリアンの
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