莉奈は一瞬で眠気が吹き飛び、ベッドから跳ね起きた。 肩から垂れた長い髪が顔の大半を隠している。何度か大きく息を吸い込み、髪を後ろにかき上げると、両手で顔を強くこすった。 ――隼人はクズだ。あいつが死のうが生きようが、自分には関係ない。 莉奈が隼人のクラブの内情を暴露する前、隼人やその悪友たちがどれほどの少年少女を食い物にしてきたか。あんな人間のクズ、死んで当然だ。 しかし問題は、今日の昼間、尚南が「隼人を始末してやろうか」と言っていたことだ。あれから半日も経たないうちに、隼人が死んだ。 どうしても、この件を尚南と結びつけずにはいられなかった。 殺人…… 身の毛もよだつような戦慄が、莉奈を包み込んだ。 莉奈は布団を引き寄せて体にまとい、スマホの連絡先を開いて尚南の番号を探し、直接電話をかけた。 二度コール音が鳴った後、電話が繋がった。 「奈奈?」 電話の向こうの男の声は、かすれていて気だるげだった。「夜中に男を叩き起こすからには、それなりの覚悟はできてんだろうな?今何時だと思ってんだ?」 「聞きたいことがあるの。時間なんて選んでられないわ」 莉奈は深く息を吸い込んだ。「隼人の死、あなたと関係あるの?」 「ああ、あいつか」尚南が溜息をつくのが聞こえた。意味深な問いを投げ返してくる。「俺と関係があってほしいか?」 「頭おかしいの?」莉奈は冷たい声で言った。「まともに話せないわけ?」 「おいおい、もう怒ってんのかよ」尚南は笑った。「もし、俺がやったって言ったら?」 莉奈は眉間を揉んだ。 子供の頃の尚南はこんな風ではなかったのに、どうして大人になるにつれてこんなにも掴みどころがなくなり、本心が読めなくなったのだろう。 だが、尚南の反応から察するに、すでに隼人が死んだことを知っていた。 先ほど電話に出た時、尚南の声は確かに叩き起こされたような響きだった。 もし本当にずっと眠っていたのに隼人の死を知っていたのなら、隼人が死ぬことを、事前に知っていたことになる。 あるいは、まったく眠っておらず、寝起きの演技がうますぎるだけか。 「本当にあなたがやったなら、私を巻き込まないで」冷酷な一言を残し、莉奈は電話を切った。 電話の向こうで、尚南はスマホから聞こえるツーツーという音を聞きながら、意味
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