前から潤が忘年会で本当の自分を明かすことは分かっていて、莉亜には大きく驚いた様子はなく、冷ややかな目でステージ上の男のスピーチを聞いていた。もうすぐ楽しいサプライズの始まりだ。目の前の状況が混乱しているのを見て、潤は急いでその場を収めようと話し始めた。「みなさん、お静かに願います。みなさんが私と莉亜との結婚に疑問を抱いていらっしゃることは分かっています。本日、この場をお借りしてみなさんに説明させてください」彼は深く息を吸い、わざと仕方ないといった様子を作りだして、疲れきった声を出した。「実は、私と莉亜とは契約を交わした事実婚だったのです。ただ、世間のみなさんと家族の前では本当に結婚しているというふりをしていたのです。相馬家と小鳥遊家は私たちが幼い頃に婚約を決めました。しかし、私はずっと彼女のことを実の妹のように見ていたのです。だから、男女の間に生まれるような愛は芽生えなかった。そして家族の要求に応えるために、みなさんを騙し続けていたというわけです。本日、この場でみなさんに深くお詫びいたします。それから、私は自分が所有する株の5パーセントを莉亜に贈り、それを彼女への罪滅ぼしとしました」そう言い終わると、潤は深々と頭を下げた。彼の話がホール内を再び騒然とさせた。「なんだって?つまり、みんなの前で莉亜さんが妻に見えるように愛妻家を演じていたということか?」「それでいつも生田さんと相馬さんが一緒にいるのを見かけてたのね。二人のほうがそういう関係だったんだ」「ああ、だけど確かに理解はできるかな。彼と莉亜さんって小さい頃から一緒に育ってきたんでしょ。もう家族みたいで恋愛感情なんて芽生えるはずないじゃない?」ホールの議論する声がピークに達した時、莉亜がゆっくりと立ち上がって、皮肉交じりに言った。「潤さんって、相馬家の名誉のためなら、どんな手段も選ばないのね。そんな理由まで完璧に用意していただなんて。拍手を送るべきかしら?あなたのその演技が幕が閉じるまで無事演じ切れるように」まさかこの大勢の中、莉亜から自分の面子を潰される羽目になるとは思っておらず、潤は顔を暗くしてすぐに反応し言い返した。「莉亜、君がかなり前に俺のことを好きになったことは分かってるけど、愛は強制するものじゃないだろ?俺たちが事実婚だったとしても、この数年俺たち
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