「おばさま、先日はありがとうございました。その上、今日はこんなに沢山のおみやげまで。本当にありがとうございます。」 「「ありがとう〜。」」 「あら、もう着いたの?最近出来た鉄道最速便てホントにすごいわね。喜んでもらえたようで良かったわ。あら、今何かメールが届いたみたい、ちょっと待ってて。」 一旦切れたあと、少ししてかかってきた時は、 「もしもし、かわいい動画をありがとう!」 と、嬉しそうな声が返ってきた。 続いて健人の携帯には倫太郎と隼翔から自分にも動画を送れと催促のメッセージが入った。 江崎家からの温かい心遣いが安藤家の皆の心も温めてくれた。 夜になり、颯太も一緒に今回の合同作業期間の様子の報告と、これからについて話をした。 「涼禾に動画を送ってきたり、音楽教室で何組かの親子に探らせたりしたのは、その入江さんとその仲間たちという可能性が高いってことだね。やっと相手が見えてきたね。」 「そうだね。仲間のもう1人は秘書室の園田さん。彼女は涼禾がいた時同じプロジェクトのメンバーだったそうだ。」 「あとは、瀬川側にいる誰か。果奈さんのアシスタントか、兄の瀬川社長の秘書室の誰か辺りだと思う。」 隼翔か江崎グループかの関係での相手はようやく見当をつける事が出来た。証拠を見つけて告発するか、これ以上関わってこないよう対策をするのか検討していくことにした。 イベントまで約二カ月、仕事に加えて涼禾にはもう一つ準備するものがあった。 それはイベントのパーティーで隼翔と着る衣装だ。両家はそこで二人の婚約を発表するつもりだった。それに相応しい衣装を涼禾自身がデザインしたいと申し出た。 ようやく昔の感覚が戻ってきた気がしてきたので、復帰第一作を自分たちで身につけたいと考えたのだ。 涼禾の気持ちを聞いて家族も賛成した。 そこで、例の物件を実際にアトリエにしてそこで製作することにした。そこで働くスタッフは一般に募集し、代表は『安藤』の関係者が務めるのだ。 いざスタッフを募集してみると、応募してきた中に2名ほど違和感を感じる人がいた。 人を雇って調べてみると、その内の1人が江崎グループの入江の知人だとわかった。 「これはもう確定だね。」 結果を聞いた健人が言った。颯太も、 「いわゆるスパイって奴?」 「今度は何をするつもりだろう。」 隼
Last Updated : 2026-03-20 Read more