「大智、好き……」 「うん」 「愛してる……」 「うん、オレも」 彼が髪を優しく撫でてくれる、その手すら愛おしい。この人と一緒にいられる間だけ、あたしは人妻であることを忘れてひとりの「女」でいようと思った。 「はぁ~~、幸せ……。やっぱりあたし、大智とじゃないとダメだぁ♡」 「オレがお前を幸せにしてやるよ。って今さら言っても遅いけどさ」 「ううん、遅くないよ。あたし絶対、あの人と離婚して大智と結婚するから」 「ふふっ、可愛いこと言ってくれるじゃん」 彼があたしの顔を持ち上げ、またキスしてくれた。でもこれは欲情を注ぎ込むキスじゃなく、ただ唇が重なるだけの優しいキスだ。 「……ふわぁ~ぁ……。やっぱりあたし、もう寝るね」 「ん、おやすみ。明日の朝は好きなだけ寝かせといてやるから」 「うん、おやすみ……」 彼が立ち上がってくれたので、あたしは先にベッドに潜り込み、それから二秒で眠りに落ちた。 その後大智もベッドに入ってくる気配がして、彼はあたしを抱きしめながら眠ったみたいだった。彼の体温は不快ではなく、むしろ心地よく感じられた。 * * * * 「――んー?」 翌朝、目が覚めたらまだ六時だった。横では大智がグゥグゥと小さなイビキをかきながらまだ寝ている。 もし正樹さんがイビキを
Read more