幸せになりたくて…… ~籠の中の鳥は自由を求めて羽ばたく~ のすべてのチャプター: チャプター 41 - チャプター 50

70 チャプター

最低な夫と不倫妻 Page6

 髪をドライヤーで乾かしてから、あたしは寝室に戻った。 「――正樹さん、お待たせしました。上がりましたよ」  自分でワンピースの裾をまくり上げてチラリと下着を見せると、彼がゴクリと唾を飲み込むのが見えた。 「……じ、じゃあ俺も入ってくる……」  彼はバツが悪そうに慌てて視線を逸らし、バスタオルと着替えを持ってバスルームへ行こうとしたけれど、あたしにはチラッと見えた。彼の股間がちょっとモッコリ膨らんでいるのを。 別にあんな人を誘惑するのに成功したからって嬉しくはないけれど、ちょっとした手応えは感じた。  夫は三十分もしないうちにお風呂から上がってきて、熱を帯びた目で見つめながらベッドの上に座って待っていたあたしをせかせかと押し倒した。 「……服、脱がせていいかな」 「ええ、どうぞ」  性急な手つきであたしのワンピースを脱がせた正樹さんは、初めて見るあたしの色っぽいランジェリー姿にもう一度喉を鳴らした。 「……里桜、その下着は」 「今日、新しく買ったんです。この時のために。……どうですか? あたし、変じゃないですか……?」  あたしは正樹さんを誘惑しながら、こんなことを言う自分に少し酔っていた。明日、大智にも同じようにしてみよう……。 「いや、変じゃないよ。むしろ、たまらなくそそられる……」  彼の目に宿る熱が、少し強くなった気がする。それだけ、あたしに欲情しているということだ。&
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最低な夫と不倫妻 Page7

「――あぁっ、うぅ……んっ。はぁ……あんっ」  彼の腰の動きも相変わらず激しいながら、初夜の時よりよくなっている。ちゃんとあたしの感じやすいポイントを突いてくるようになったのだ。だから、あたしが漏らす喘ぎ声も決して演技ではなく、本物の快感から漏れ出ているものだ。 「……そうか、里桜はここが気持ちいいのか。ごめんよ、里桜。初夜の時、俺は実を言うと初めてだったから……。君をどう抱いていいか分からなかったんだよ」 「……………………」  今さらそんなカミングアウトをされて、どう言葉を返せと? しかもアンアン喘がされているこの状況で。 でも……そうか、この人チェリーだったのか。だからあんなに下手くそだったんだ、と納得はできる。一度目覚めた気持ち悪さは消せないけれど。 「里桜……、俺は本当は君を愛しているんだ。だから、早くこうして君と繋がりたかった……」 「……えっ? ……んっ、あっ……あっ。あ……あぁっ!」  彼自身の先端が、あたしの最奥部――子宮口のすぐ近くをズンと穿ってきた。そのままズコズコと奥の方を連続して突いてくる。……これはマジでヤバい! デキてしまう……! そしてあたしもそろそろ絶頂を迎えつつあった。 「あ……、あ……っ! 正樹さん……、あたしも
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最低な夫と不倫妻 Page8

「ぅお…………。お前、それ……ダンナにも見せたのか?」  正樹さんだけでなく、大智もあたしのレアなセクシーランジェリー姿にゴクリと唾を飲み込んだ。 「うん、見せたけど。……大智、これどう? あたし、変じゃない……?」 「変じゃないよ。めちゃめちゃそそられるな。色もそうだけど、透けてんのがエロい。特に下の方が」 「……あんまりジロジロ見ないで。実はちょっと恥ずかしいんだから」  あたしは顔をポッと火照らせて、ショーツの大事な部分を両手で隠す。 この下着はクロッチの部分以外は全体的に透けているのだけれど、そのクロッチ部分も普段穿いているショーツより極端に面積が狭いのだ。Tバックまではいかないけれど。 正樹さんの時は誘惑する意味もあったから堂々と見せていたけど、大智に見せるのはちょっと恥ずかしい。見られているだけで濡らしそうで……。 「……とりあえず、汚すの申し訳ないからそれ、脱がせていい?」 「いいよ。見せたかっただけだから」  あたしが頷くと、彼はまずあたしのブラのホックを外して取り去り、ショーツにも手をかけてスルスルと脱がせた。 そのまま裸になったあたしを優しくベッドの上に押し倒し、舌を絡め合う濃厚なキスを始める。 「ん……っ、んん……っ」  彼は本当に、昨夜あの人とあたしがしたことの上書きをしようとしているみたいだ。同じ手順を踏むことで。 「……里桜、教え
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最低な夫と不倫妻 Page9

「はぁ……ゴメン、大智。やっちゃった」  体の下には何も敷かれていなかったのに、粗相をしてしまったみたいで何だか恥ずかしいやら申し訳ないやら。でも、大智は優しく微笑みながら許してくれた。 「いいよ、ちょっと濡れたくらいだし気にすんなよ。こんなのすぐ乾くし。――それより里桜」 「うん?」 「ダンナはこの後、自分のも気持ちよくしてくれってお前に言ったんだっけ? お前がしたくないならオレはそこ、すっ飛ばしてもいいけど」 「ううん、いいよ。大智にも同じことしてあげる。何なら舐めてあげてもいいよ」 「……いや、そこまでしてくれなくていいから。手だけでいい」  彼はそう言いながら自分も裸になり、彼の雄も剥き出しになった。あたしは体を起こし、少し膨らみ始めているソコに手を伸ばす。 「ダンナのヤツってオレより大きいのか?」 「うん。でも、エッチの上手さは大きさに比例しないから」  正樹さんにもしたように、両手で彼のイチモツを揉みしごいていく。大智はあたしにこうされるのがあまり好きではないらしいけれど、今日は気持ちよさそうに「あぁっ、うぅっ」と声を漏らしている。 やがて、彼の雄は質量と密度を増して大きく硬くなり、先端がピンク色に染まって透明な粘液で濡れてきた。今日はこの後、コレがそのまま何も被らない状態であたしのナカに入ってくるのだ。 「……そういや、お前とナマでヤるのって初めてだな」  「うん、そうだね。大智はいつも避妊してくれてたから。……でも今日はいいの。大智の子供なら身ごもっても構わないから、あたし」  むし
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夫の秘密 Page1

 ――それから二ヶ月と少し経ち、七月初旬。もうすぐ梅雨が明けるのか、このごろ雨が少ない。 「――里桜、もう食べないのか?」  夕食を残したあたしに、夫の正樹さんが気遣わしげに訊ねた。 二ヶ月前のあの夜から、この人は気持ち悪いくらいあたしに優しくなった。義母は相変わらずだけれど、あれであたしが自分の子供を身ごもったと思ったからだろうか。 「……ええ、ちょっと気分が悪くて。お昼に食べすぎちゃったかなー」  胃のあたりをさすりながら、あたしはわざと軽い口調で答える。でも、最近本当に胃のムカつきがひどい。そしてやたらと酸っぱいものがほしくなる。 ……と、また吐き気がしてきた。 「……ごめんなさい。ちょっとお手洗いに」  トイレに駆け込み、便器の中に思いっきり嘔吐する。 もしかして、これって悪阻? 本当に妊娠しているんじゃ……。大智と正樹さんのどちらの子か分からないけれど。 そういえば、この二ヶ月間生理が来ていない。 大智とはあれからも、何度か避妊せずに交わっている。あの熱い快感は、一度得られると病みつきになる。相手が本当に愛する人ならなおさらだ。 「……そうだ、検査薬」  あたしはトイレの収納スペースに隠してあったそれを取り出した。今日の仕事帰り、会社近くのドラッグストアで購入しておいたものだ。 コットンパンツとショーツを下ろして便座に座り、尿をかけてみる。尿意も催していたのでちょうどよかった。 この妊娠検査薬は、二本線が出れば陽性反応だけれど&helli
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夫の秘密 Page2

     * * * *  「――ご懐妊ですね。八週目に入ってます」  翌日の午前、四十代の女性医師が開業している産婦人科で調べてもらうと、やっぱりあたしは妊娠二ヶ月と分かった。 「……やっぱり、そうですか」 「中絶をご希望でしたら早い方がいいですが、ご出産されるんでしたら毎月定期検診を受けに来て下さいね」 「はい。ここでも出産できますか?」  大きな病院で産むとなれば、そこは藤木家の息がかかっている可能性が高い。あの家との離縁を望んでいるあたしとしては、それは非常にマズいのだ。できることならこのクリニックか、ここではなくても個人の医院がいい。 「ええ。ここにも出産と入院の設備はありますから」 「よかった。先生、よろしくお願いします。――あと、夫には受診のこと、言わないで頂けますか? ちょっと事情があって」  まさか「夫の子か不倫相手の子か分からない」なんて言えないけれど、先生には詮索されなかった。これだけのベテラン医師なら、色々と事情を抱えた妊婦を何人も診てきたのだろう。 「大丈夫ですよ、藤木さん。医師には守秘義務がありますから、たとえパートナーやご家族であっても診察内容を漏らすことはありません」 「そうですか! よかった……。では、来月からも引き続きよろしくお願いします」   ――会計を終え、クリニックを出てもまだお昼にもなっていない。……そうだ
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夫の秘密 Page3

   * * * * ――その後あたしは合流した大智と二人でランチを摂り、午後から出社した会社の社長室で飯島弁護士と向き合っていた。もちろん大智も一緒だ。「――里桜ちゃん、久しぶり。じゃあさっそく本題に入らせてもらうけど、まずお父さんが負わされた借金について」「はい」「詳しく調査したところ、これにはやっぱり藤木グループが一枚嚙んでいた。というか、銀行も彼らの頼みで貸し剥がしを行ったわけだから、彼らが仕組んだと言った方がいいかもしれない」「やっぱり、父は藤木に嵌められたってことですね。じゃあこの借金ってチャラにできるんですか?」「うん。貸し剥がしは違法行為だからね、民事で訴訟を起こして勝てば負債自体がなくなる可能性もある。訴える相手は銀行と藤木グループの両方になるけど」「そうですか! ありがとうございます! じゃあ、両親にもそう伝えます」  あたしと藤木家を繋いでいるのはその借金だけ。だとしたら、その借金自体がなくなることであたしと正樹さんとの結婚も破談にできるということだ。 あたしはいつでもあの人と別れられるように、自分の欄を記入済みの離婚届の用紙を用意してある。あとはあの人に記入してもらい、役場に提出するだけだ。「あと、これは大智に頼まれて調べていた別件なんだけど。……ご主人の、藤木正樹さんの体のことで」「……はい」 大智がさっき電話で言っていた、「正樹さんは子供を作れない」という事実についてだ。あの理由がこれでハッキリする。「彼は……実は無精子症だということが分かったんだ。彼の主治医がたまたま僕の知り合いでね」「無精子症……? って、ちょっと待って下さい。だってあの人、あたしとセックスした時、射精して……」 だからあたしは翌日、大智とも生身で交わったし、彼も直接あたしの子宮の中に射精したのだ。「うん。ただ、その精子に問題があってね。彼の精子は非常に弱くて、受精する前に全部死滅してしまうらしい。だから彼の子供ができる可能性はゼロなんだって」「……! じゃあ、大智はそのこと知ってさっき電話で……」 あたしはハッとして、隣で話を聞いている彼に向き直る。あんなに自信満々で「子供の父親は自分だ」と言いたげだったのは、そういうことだったのか。「そういうこと。だから、お前の身ごもった子供は百パーセント、オレの子で間違いないんだよ
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夫の秘密 Page4

「――里桜、この後オレの部屋に来るか? 今日はもう仕事どころじゃねぇだろ」  まだ就業時間中だというのに、大智がそんなことを言う。ボスがそんなことで、この会社は大丈夫かな……。 でも、実際にあたしが今日は仕事どころじゃないのは事実だ。悪阻だってまだ完全に治まったわけじゃないし、心の方もフワフワして落ち着かない。何より、今日は愛する大智とベッタリくっついていたい。せめて、あの家に帰るまでの間だけでも――。 「……っていうのは口実でー、実はオレがお前としたい気分なんだよ。でも、さすがに会社でするワケにいかねぇだろ?」 「あー……、うん。そうだね」  オフィス内での情事にはちょっと憧れるけれど、この社長室はちょっと狭いし誰が入ってくるか分からないので、あたしとしてはちょっとためらってしまう。 「社長のオレが外出するのは誰も不思議に思わねぇし、っていうかそもそも、ウチの会社はそういうところユルユルだからさ。……妊婦のお前には負担かけたくねぇけど、今日だけ……いいかな?」 「……うん、いいよ」  あたしは頷き、彼にもたれかかる。  妊娠が分かったら彼に抱いてもらえなくなるかも……と心配だったので、彼にそう言ってもらえて嬉しかった。本当はあたしも彼としたかったのだ。 「でも、まだ安定期に入ってないから……。激しくしなければ大丈夫」 「分かった。今日は優しくするから」 「うん」  あたしは頷き、彼の広い胸に頭を預けた。 
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夫の秘密 Page6

  『――あたし、目閉じてていい? なんか……怖くて』   大智に初めて抱かれた時、あたしはそう言いながら内心では自分はなんて勝手なんだろうと思った。好きな人と交わるのが怖いなんて、と。 でも彼は、理由を訊かずに「分かった」とだけ言って受け入れてくれた。  『いいよ。怖いなら目つむってな。でもオレ、お前が怖いって思うようなことはしねえから大丈夫。体の力抜いて、オレに身を任せてくれてればいい』   彼のこの言葉を聞いた時に、あたしは「この人なら大丈夫だ」という絶対的な安心感に包まれたのだ。だから彼との交際中も、この春に再会して不倫関係になってからも、後悔したことは一度もない。 そんな彼にだから、あたしは両親にも打ち明けられなかったあの秘密を打ち明けることができたんだと思う。 「うん、言ってたね。やっぱりあたし、大智のこと好きになってよかったな。もしかしてあたしたち、結ばれる運命なんじゃない?」 「……かもな。オレもそう思うよ。だからお前が別の男と結婚してたことも、オレにとっては大した問題じゃなかったんだ」  ……いやいや、法的には大した問題でしょうよ。でも、あの結婚だってアクシデントに過ぎなかったんだと思えばそうなのかも。 「まぁ、ダンナは重大な秘密を抱えてるワケだし。浮気もしてるみたいだし? これで離婚に向けて形勢逆転できんじゃね? 借金も無くなればダンナの親への義理もなくなるワケだしさ」  そうだ、正樹さんにはもう一つ秘密があったんだっけ。浮気していたという事実だ。 あの人はあたしがまだ気づいていないとタカをくくっているだろうけれど、甘いのよ。むしろ、それは離婚を望んでい
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