千暁は店主に向かって答えた。「そのことは、妻に聞いてください。妻が嫌じゃないなら、俺は構いません。俺は妻の言うことを聞きますから」千暁はどうやら、咲夜を「妻」と呼べることが、すっかり気に入ったらしい。口元に笑みを浮かべながら、何度も何度も「妻」と口にしている。店主はそれを聞くと、すぐに咲夜に視線を向け、両手を合わせて愛嬌たっぷりにお願いした。「奥さん、本当にお二人ってお似合いですね。どうか、お願いします」店主は童顔で、ふっくらとした頬がとても愛らしい。そんな店主が今、全力で甘えるような仕草を見せたことで、咲夜の心はあっという間に溶かされてしまった。結局、咲夜は笑みを浮かべながら頷いた。「大丈夫です。それと、プリントした写真を一枚いただくことはできますか?」「もちろんです!」店主は嬉しさのあまり、思わず飛び跳ねそうになるほど喜んだ。そして咲夜に向かって言う。「少し待っていてください。ここにプリンターがありますから、すぐにお渡ししますね」店の宣伝のため、店主はその場で写真を印刷できる機械をわざわざ購入していた。彼女は嬉しそうにスマホを持って写真プリンターに駆け寄り、接続すると、あっという間に写真をプリントした。そして写真を封筒に丁寧にまとめ、咲夜に差し出す。「どうぞ」「ありがとうございます」咲夜は感謝の気持ちを込めて店主を見つめた。店主はその後、さらに二、三枚ほど写真を印刷し、店に入ってすぐ目に入る一番目立つ場所に飾った。その中には、千暁が片膝をつき、咲夜の足首にアンクレットを着けている一枚もあった。写真の中の千暁は、まるで大切なものを見つめるような、穏やかで優しい表情を浮かべている。そして咲夜もまた、愛しげな眼差しを千暁へ向けていた。その一枚は、二人がお互いを心から大切に想っていることが伝わってくるような写真だった。温かく、幸せに満ちた一枚。千暁のほうでは、すべての写真の受け取りが完了していた。二人はそれから店主に別れを告げた。帰り道、千暁は片膝をついてアンクレットを着けているあの写真だけをわざわざ選び、 SNSのプロフィール画像に設定した。さらに、その写真を投稿し、文章まで添えたうえで、咲夜をメンションした。【蔓は時を刻み、蝶は星の光を纏う。これから先の道には、愛する人だけが
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