それから萌子は城田家の御曹司である宗助からの猛アタックにより、彼と付き合うことになった。その間もずっと美里のことを意識していた。彼女は萌子にとって、唯一ライバルと呼べる女性だったからだ。自分と同じくらい美しい容姿に加え、自分には持ち合わせていない家柄まで。悔しかった。自分よりも勝っている女がすぐ近くにいるのは。しかし、そんな日々もすぐに終わりを迎えた。宗助と付き合い、彼の隣に立つようになってからというもの、美里の視線をよく感じるようになった。彼女は最初そのことを不思議に思っていたが、すぐに理解した。――あぁ、あの女は彼のことが好きなんだ。そういえば、城田家の御曹司と永山家のお嬢様は幼馴染だったっけ。萌子はだいぶ前にチラッと聞いた話を思い出した。美里は宗助と一緒にいる萌子に羨望の視線を向け、いつも彼らの後ろ姿ばかりを見つめていた。萌子はそんな彼女を見て優越感に浸った。――私、あの女に勝ったんだわ。あの女がどう頑張っても手に入れられなかったものを、私は手に入れた。その事実だけで心が満たされるような思いになった。それからというもの、萌子は行き過ぎた行動を取るようになった。『ねぇ宗助、美里さんっているでしょう?あなたの幼馴染の』『美里がどうかしたか?』『あの人を私に紹介してほしいわ』萌子の言葉に、宗助は眉をひそめた。『何故お前が美里に会う必要がある?』『宗助の大切な人なら、私も会いたいのよ!私はあなたの恋人だから』彼女は何とか彼を説得し、宗助は渋々萌子に美里を紹介した。『よろしくお願いします、美里さん』萌子は目の前にいる美里に完璧な笑顔を向けた。宗助の隣にいるのは私であって、あなたではないんだ。そのような思いも込めて。美里は悲しそうに目を伏せて挨拶を返した。『今野さん、よろしくお願いします』あぁ、その顔が見たかったのよ。たまらないわ。萌子は内側からゾクゾクするような感覚に襲われた。もっと悲しめばいい。もっと苦しめばいい。ほら、私と宗助をよく見なさい。あなたをより一層惨めにさせてあげるから。それから萌子の行動はエスカレートしていった。美里の前でわざと宗助の腕に手を絡めたり、三人でどこか行かないかと彼女を誘ったりもした。全てが順調だった。宗助は海星と違って頭も良いし、地位と財力もある。萌子にとってはこれまでにないくらい完璧な男だっ
Last Updated : 2026-05-03 Read more