美里が箱を開けると、中に入っていたのはゴールドのネックレスだった。「お前に似合うと思って昨日買ったんだ」「わ、私に……?」美里は戸惑いを隠せなかった。前世で宗助に貰ったものといえば結婚指輪くらいで、他に彼から何かをプレゼントされたことはなかったからだ。驚いた美里は、後ろに控えていた秘書に目をやった。彼は微笑ましい様子で宗助と美里を眺めているだけだった。「……俺が着けさせてもいいか?」「……え、ええ」美里は困惑しながらも頷いた。彼女の反応を確認した彼は、箱に入っていたネックレスを手に取り、慎重に美里の首に着けた。彼女の首元で、彼がプレゼントしたネックレスが光り輝いていた。「やっぱり、お前によく似合ってる」「……!」宗助は予想通りだというように、口元に笑みを浮かべた。それはかつて、彼が萌子に見せていた笑みとそっくりだった。美里は目をぱちくりさせながら宗助を見つめていた。いつも冷たい表情を崩さない彼が、こんな顔をするだなんて。その優しさを、美里は素直に受け止めることができなかった。***ネックレスを着けたまま放心状態で家に帰った美里に、美穂が驚いたように声をかけた。「あら美里、そのネックレスはどうしたの?あなた、ブランド物に興味なんてあったかしら?」「実は……宗助から貰ったの」「え!?宗助くんが!?」美穂は驚いて思わず声を上げた。「今日、宗助と二人で食事に行ったのよ」美里はリビングにいた両親に、今日あった出来事を全て話した。宗助が突然美里をディナーに誘ったこと、彼女のために一番良い席を予約したこと、そして帰り際にネックレスをもらったことまで全て。「宗助の考えがわからないの……彼はどうして私をそこまで繋ぎ止めようとするのかしら……」美穂と政則は美里が抱いている疑問の答えを知っていたが、あえて本人には知らせなかった。既に婚約破棄を固く決意している美里にそのようなことを伝えても、彼女の負担になるだけだと思ったからだ。美里は新しい道を歩き始めている。そんな彼女が宗助の気持ちを知ってしまったら、どうなるかわからない。二人は必死で知らないふりをした。「そうだな……永山家との繋がりを持てるのは、宗助くんとしてもメリットが大きいから……ではないかな」「そうそう、それに美里は美人で良い女だしね!」「そういうものなのかしら……」
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