1.Atelier SAKUMA・続き 静寂。 白い仮縫いの中で。 彩が立っている。 その正面。 佐久間。 少し離れた場所に。 七瀬。 二人の視線は。 互いではなく。 彩へ向いている。 それでも。 見ているものは。 違っていた。 佐久間 「これは。」 一拍。 「僕が作った服です。」 七瀬 「歌原彩が着た時点で。」 一拍。 「あなた一人の服じゃありません。」 空気が。 また。 硬くなる。 良太は。 二人を見る。 次に。 彩を見る。 彩は。 何も言わない。 言えない。 自分のために作られた服。 自分の顔を守ろうとする人。 どちらかを選べば。 もう一方を。 否定するような気がした。 良太 「七瀬さん。」 七瀬 「何ですか。」 良太は。 一度。 息を整える。 「触る前に。」 「佐久間さんへ。」 「確認してください。」 七瀬 「確認したら。」 「変えてくれるんですか?」 佐久間 「必要なら。」 七瀬が。 佐久間を見る。 「必要です。」 佐久間 「僕は。」 「まだ。」 「必要だと思っていません。」 七瀬 「だから。」 「私が説明してるんです。」 佐久間 「説明は聞きました。」 「その上で。」 「今は変えません。」 七瀬の眉が。 少し動く。 良太 「七瀬さん。」 一拍。 「前に。」 「約束しましたよね。」 七瀬は。 良太を見る。 良太 「ヘアメイクは。」 「七瀬さんへ任せる。」 「でも。」 「他の担当へ。」 「勝手に口を出さない。」 七瀬 「勝手には出してません。」 良太 「出してます。」 即答だった。 七瀬が。 少し止まる。 良太 「佐久間さんが。」 「触らないでと言ったのに。」 「触ろうとした。」 「それは。」 「ルール違反です。」 七瀬は。 彩を見る。 首元。 顎。 目元。 そして。 良太へ戻る。 「じゃあ。」 一拍。 「間違ってると思っても。」 「黙ってろってことですか?」 良太 「違います。」 七瀬 「同じでしょう。」 良太 「違います。」 今度は。 少し強く。 良太は言った。 七瀬が。 良太を見る。 良太 「意見を言うなとは。」 「言
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