プレゼントを買い終えたので、凛は服を見に行くことにした。これまでの凛は、家計や施設の子どもたちのためにと、ひたすら節約を重ねていた。だが、もう智也と離婚した凛は、家計のことを気にする必要も、智也に良いものを食べさせ、良いものを着せようと頭を悩ませる必要もない。自分で稼いだお金を、自分のためだけに使えるのだ。凛は自分のために、服をたくさん買った。それから、ダウンジャケットの業者に連絡するため、柑奈に電話をかけて、子どもたちの身長と体重を確認した。それでもまだ少し時間があったので、凛は南山ヒルズ9号棟に戻り、買ってきたばかりの服をクローゼットに吊るし、新しい靴を並べた。コーディネートが苦手な凛は、ちょうどチャットで話していた日和にアドバイスを求める。二人がビデオ通話を繋ぐと、日和は凛にクローゼットの中へとカメラを向けるよう指示した。「その白いカシミヤのコートと、同じ系統のハイネックのセーターと……あとは、ワイドパンツを合わせてください。靴は……」「同じ色合いのスニーカーとか?」と凛は聞き返し、新しく買った白いスニーカーを映す。「それに、鞄も白がいい?」「完璧です!」日和が笑みを浮かべた。「もうそれで大丈夫です!私は論文の修正があって……それに、来年の卒業論文のこと考えると、もう憂鬱で……」論文の話題になると、日和は一気に険しい顔になった。「教授が何度も何度も書き直しを要求してくるんです。普通の先生ならある程度助けてくれるんですけど、私の教授は最後まで自分一人で仕上げさせようとしてて。それに、『博士課程に来ないか』って言ってくるし、本当に勘弁して欲しいんですよ!」日和がそう言って、ぷいっと不貞腐れた。凛は少し眉を上げた。「博士号、目指さないの?」目指すに決まってる!日和は唇を突き出し、すねてみせた。「もう!凛さんなんか知らないんですからね!」凛もふふっと笑った。さて、自分ももうそろそろエデンの園に向かわなければ。着替えを終え、凛がタクシーに乗ってエデンの園に着くと、恵たちからもすぐ到着すると連絡が来たので、凛はそのまま路肩で彼らを待つことにした。すると、一台のロングボディのマイバッハが、凛に向かってゆっくりと走ってきた。車の中の拓海は、海斗へ告げる。「竹内社長、谷口さんはもういらっしゃ
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