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第188話

作者: 歓乃
警備員が頷いた。

その直後、克哉の車がやってきて、窓が開いたかと思うと、彼もまた警備員に同じことを尋ねる。

警備員が再び頷いた。

克哉の眉間に深いしわが刻まれ、助手席の梓も表情を凍らせた。「まさか……」

克哉は素早く窓を閉めると、しばしの沈黙の後、梓に自分の言ったことをそのまま英樹へと送らせた。

梓は腑に落ちない様子だった。

「佐野先生、なぜですか?」と小声で問い詰める。「松田さんが来ても、小林さんの味方をするだけじゃないんですか?」

「じゃあ、他にどうしろって言うんだよ?」克哉は困り果てたように言う。

「凛さんはあまりにも正直すぎる。だから、小林と真っ向から対立したところで、傷つくのは凛のほうなんだ。それに、学術の世界を甘く見てはいけないよ。ここは実力だけで成り立つ場所じゃなくて、肩書きも、人脈も、派閥もある。むしろ、そうしたものが強くものを言う世界なんだから。

史哉先生も亡くなり、史哉先生も第一線から退いた今、後ろ盾のない凛さんを守り抜くのは至難の業なんだよ」

「分かりました」梓は力なく視線を落とし、克哉へ英樹にメッセージを送ったことを伝える。

「よし。じゃあ
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