美穂子は凛のサイドテーブルの引き出しから箱を見つけると、中に書類が入っているかどうか中身を確認した。内容を目にした瞬間、美穂子は怒りで頭が真っ白になる。凛さんの元旦那は、正真正銘の人でなしだ……美穂子は凛がこの資料を元旦那の母親に渡そうとしていることを知っていたので、梨花に資料を手渡す際は、梨花を怒りに溢れた目で睨みつけた。「あなた、誰?」梨花は完全に軽蔑の目を美穂子に向けている。「凛さんのお世話係です」「世話係ごときがそんな目で私のことを見るなんて。何様のつもり?」「おっしゃる通り、世話係は偉くありません。ですが、人でなしなんかは育てませんので」この世話係は、智也を「人でなし」と言っているのか?梨花は、唇を震わせながら怒鳴った。「もう一度言ってみなさいよ!その口、引き裂いてやるんだからね!」今は冷静に話をしなければならないと思った凛は、喧嘩を止めようと、口を開きかけた。ところが、美穂子は想像以上に強く、腰に手を当てたかと思うと、胸を張って梨花の前に立ち、そのままの勢いで梨花を押し返したのだ。「私の口を引き裂く前に、ご自身の息子がやった事を確認したらどうですか!」梨花は鬼のような形相で、美穂子が持っていた資料を奪う。「一体これが何だって……」梨花の言葉が、突然途切れた。梨花は資料を凝視した。最初は信じていなかったが、ページをめくるにつれてその手が震え出し、読み込む速度も次第に上がっていく。「嘘……よね……」ここ数年、息子が稼いだお金が柚葉ちゃんに使われていたの?すべて柚葉ちゃんに?なんてこと!何もかもあの女に吸い取られていたなんて!10ページ以上に及ぶ資料が梨花の手の中で、ぐしゃぐしゃに握られていた。梨花は信じられない思いで、凛の顔を見上げる。「これは一体何なの?」梨花は未だにこの真実を受け入れられていなかった。凛は梨花の目を見つめ、静かに口を開く。「資料の通りですよ?私が智也と結婚していた4年間、彼は私に毎月6万円しか渡してくれなかったので、生活費が足りなく、自分の給料を足すこともしばしばありました。胡桃が事故で入院した時、あなた方は慰謝料を出せって私に言いましたよね?でも、毎月6万円の小遣いで何をどう払えって言うんですか?小林さんが海外にいた数年間、彼は毎月6000万
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