翌日の朝、由利は薄井家で義理の両親――そして涼介と四人で食卓を囲んでいた。テーブルの上には、豪華な食事が並べられている。もちろん、全て薄井夫人の手作りだ。「今日で夏目家に帰っちゃうだなんて……とっても寂しくなるわね」「短い間ですが、お世話になりました。お義母さん」当然、由利もできることならずっとここで暮らしたかった。しかし、そんな彼女の願いは認められない。両親は由利を毛嫌いしているが、なぜか家を空けることは極度に嫌った。(母さんからしたら、家事を手伝う人がいなくなるのが困るのよね……)そんな理由で家にいることを望まれているとは、何とも切ない。スクランブルエッグを口に運んでいた由利に、夫人が何かを思いついた様子で声をかけた。「そうだ、由利ちゃんに渡したいものがあるのよ。朝食が終わったら、私の部屋に来てくれるかしら?」「渡したいもの……ですか?」***朝食後、由利は約束通り夫人の部屋を訪れた。彼女が与えられた部屋と同じくらいの広さで、室内には夫人の趣味であろうアンティーク調の家具が設置されていた。まるで異世界ファンタジー漫画に出てくるヨーロッパの貴族の部屋のようで、何だか胸が躍る。「夫人……渡したいものって一体……?」「うふふ、それはね……」薄井夫人はニッコリ笑うと、クローゼットからあるものを取り出した。箱の大きさや形から察するに、おそらくそれは指輪だろう。夫人は由利の前に箱を出すと、中身を彼女に見せるように開けた。開けた瞬間、由利は中に入っていたそれに目を奪われた。「わぁ、とっても綺麗……!」箱から姿を現わしたのは、大きなダイヤモンドをあしらった指輪だった。シルバーのリングの中央に、ペアシェイプのダイヤモンドが豪華に飾られている。「かなり前に買ったものなんだけどね……将来息子の妻になった人にあげたいと思ってずっと取っておいていたのよ」「これを私にですか……?」碧斗から貰った婚約指輪も、ここまでの大きさではなかった。というか、こんな大きなダイヤの指輪を着けてる人なんてほとんど見ない。「ええ、ぜひ受け取ってちょうだい」「ありがとうございます、夫人」夫人は由利の右手を取ると、人差し指にそっと指輪をはめた。ダイヤモンドが大きすぎるせいか、指にズッシリとした重みを感じる。(すごく綺麗……)人差し指でキラキラ白い光を放つダイヤモ
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