All Chapters of 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない : Chapter 131 - Chapter 140

206 Chapters

ルダーのアジ、村人を焚きつける-前篇-

 そういえば今年はまだダリプ酒仕込んでいないんだっけ?  醸造技術が未熟で甘くてアルコール度数の低い果実酒だし、保存技術が確立していないから残ってんのは飲み切った方がいいのか。  うん、じゃ、ま・いっか。  全部飲み尽くしても。  ……そうか、醸造技術を洗練させれば長期保存のきく輸出用の酒ができるんだな。  フレイラやポモイトでも酒が作れないかな?  穀物酒は果実酒より日持ちしないんだっけ? …………。 どっちにしても僕の知識の中に醸造技術はないや。  ルダーならひょっとして……後で聞いてみよう。  一通り食べ歩いて腹も膨れた頃、そのルダーがみんなの注目を集める。「みんな、聞いてくれ!」 それまでの浮かれた喧騒が一度落ち着く。  すでに陽は落ちて肌寒い。  焚き木で暖と灯りをとっている。「野盗に襲われお館様以外すべてを失ったここで、再び村を作り始めてから二度目の秋を迎えた。村は復興し、俺たちはこうして楽しく穏やかに暮らせている」 そこで少し間を開ける。  村人から「そうだそうだ」などとはやし立てる声と笑い声が上がる。「これもお館様のおかげだと思わないか?」 賛同の声の奥の方でピリリと空気の変わる場所があった。「リリム」 僕は小声で妖精の名を呼んだ。「なに?」「僕の村長就任を快く思っていない人たちを数えておいてくれないか?」「判ったわ」 さて、ルダーはどう持っていくつもりだろう?  無理言って引き受けてもらった手前、僕は事の成り行きを黙って見守ることに徹する。「豊かな村は襲われるぞ!」 そう声をあげたのはイラードだった。「そこだ!」 と、ルダーがその懸念を引き受ける。
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ルダーのアジ、村人を焚きつける-後篇-

「そこだ!」 と、ルダーがその懸念を引き受ける。「実際、昨日この村も襲われた。だが! 思い返してもらいたい。お館様は事前に狙われていることに気がついて、俺たちを守るために力を尽くしてくれた」「戦ったのは村人みんなだ!」 と、反論を試みたらしい声が上がる。  それにはガーブラが睨みを利かせて再反論。「その戦いで誰一人死んでないのはお館様のおかげじゃないか?」 どうやらぐぅの音も出ない論破だったようだ。  「そうだそうだ」の声が強くその意見を支持する。  実際、野盗に襲われるとどこの村でも被害は甚大で、命が助かれば儲けもんというのがこの世界の村人の諦観だ。  女たち、特に夫や恋人を持つものたちはある種の覚悟を持って戦いに送り出したのだ。  そんな中で、ガーブラたち歴戦の戦士がいたとはいえ、村人たちが戦って一人の死者も出さず、村にほとんど被害損害を出さずに勝利した。  この事実は鮮烈に村人たちの胸に刻まれている。  反対派だってそんな実績を無視できるわけがない。  ルダーが再び演説を始める。  なんのかんのと器用にこなす。  あれかな?  安保闘争とか通ってきた組なのかな?  前世の世代的には団塊よりちょっと上の世代なはずだけど……。「そこでだ。改めてお館様にこの村の代表として今後とも指導してもらうことをみんなに賛成してもらいたい」 煽動がうまかったのか、酔いも手伝ってだろうけど一斉に賛同の声が上がる。  過半数どころかこりゃ九割がたの承認が得られた雰囲気だ。  この雰囲気の中ではさすがに反対の声はあげにくいだろうな。  僕もそれとなく村人の表情を観察して、快く思っていない人を数えてみる。  人間、三十何人も集まっていると合わない奴もいるもんだ。  それでもなんとか折り合いつけてコミュニティを形成するのが人間ってもんだ。  そして、上に立つ人間はこの人間関係に留意できなきゃならない。  彼らが孤立しないよう配慮す
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村長、たくらむ

 名実ともに村長になった二日後の午前、僕はオギンとドブルという僕の反対派だった男を連れ立って、例の男を収容している家へ出向く。  二人にはすでに旅装をしてもらっている。  二人を残し、見張りの男と一緒に家に入ると、男が緊張した面持ちでこちらを見てきた。「そんなに緊張することはないよ。君の処分が決定しただけだ」 我ながらひどい言い方だと思っているけど、わざとだから。  男はゴクリと唾を飲む。「今日これからお前を州都ズラカルトに連行し、身柄を引き渡す」「…………」「食事をとったら出発だからな」 と、フレイラ粉を塩と水だけでこねたものを焼いた「無発酵パン」を食卓に置く。  この国ではロチャティムという。「後は任せた」 と、見張り君に任せて家を出る。「本当に良かったのですか?」 食事が終わるのをまっている間にオギンが訊ねてくる。「なにが気にくわないんだい?」「いえ、気にくわないといいますか……慎重なお館様にしては色々と解せない決定だと思いまして」 ほうほぅ、言いたいことは察したけど、一応訊いてみるか。「どの辺りが?」「州都に突き出すとこの村のことが男爵に知られてしまいます」「そうだね」「……それに人選が……その…………」 と、言いにくそうにドブルにちらりと視線を向ける。  さすがだね。「わざとだよ」「え?」「ドブル、昼になる前に出発させたいから急がせてくれ」「はい」 僕はドブルが家に入ったのを確認してから、口を開く。「州都まで律儀に送り届けなくていい」「! それは途中で逃がせと?」「いやいや、わざと逃す必要はないよ。そのための人選なんだから。道中……というか、途中の町では安心して寝るといい」「判りました」「詳しいことは……」 と、僕は手紙を取り出し
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中央広場にて

「詳しいことはここに書いている。読み終わったらなるべく早く焼却してくれ」「判りました」 そうそう、情報の伝達のため僕は春からできる限り村人全員に読み書きを覚えてもらうようにお願いしていて、現在村の識字率は読むだけなら半数ができる。  物覚えの悪い人もいれば僕に反発して覚えようとしないやつもいるけど、まずまずだ。  ちなみにドブルは後者で読むことも満足にできない。  僕が文字の学習を始めた段階ではザイーダしか読み書きできなかったことを考えれば大進歩だけど、これは今後も課題であり続けるな。  連行の旅に出る二人を見送った僕は、村人の集まっている中央広場へ。  昨日は宴の翌日でみんな潰れてたから丸一日休息日にしてあった。  その間に僕は村のグランドデザインを考えている。  夕方には酔いのさめて頭のすっきりしたイラードとルダー、それにクレタを交えて話し合い。  この会合にクレタを呼んだのは村人の様子、状況を知るためのアドバイザーとしてだ。  そこで話し合ったことを今日この場で村人に示す。「みんな、集まってくれてありがとう」 と、まずは感謝の言葉で村人をねぎらう。  上に立つ人間として、これから命令として今まで以上に働いてもらうわけだから「みんなを大事にしているよ」と示しておかなきゃね。「今日は、この村の今後について僕の方針を示しておこうと思う」 ひと呼吸置いて村人の表情を確認するために見回す。  いろんな感情で僕を見てるな。 話した計画の概要はこうだ。
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村長、町長を目指す

 まず、村の人口のこと。  村としては五、六十人ってとこが適正範囲だと思うけれど、将来を見込んで百二十人規模にする予定だと語る。  百二十人といえばこの国ではちょっとした町の規模だ。  当然村人の一部がざわつくので、理由を説明する。  王国の政情不安のこと、そのせいで内乱が起きる可能性があること(実際にはすでに内乱の兆しがあるのだけど、あえてそこは伏せておく)、ここだっていつ巻き込まれないとも限らないので自衛のため規模を大きくしたいのだと。  そして、そのためにいくつか作っておかなきゃいけないものがあって、みんなにはそれに協力してもらいたいと話す。「具体的になにを作る気なんだ?」 と、ここまで話しちょっと間を置いたところでジャリが質問をしてきた。  いいタイミングだよ。  相変わらず懐疑的なところがモヤっとするけど、質問内容もタイミングもバッチリだ。「いい質問ですね」 と、前世の有名人の決まり文句を枕詞のように使い指折り数えていく。「まずは村に来る人が家を建てるまでの仮住まいとして宿泊所。新規開墾。各種食料加工所。そして学問所だ」「宿泊所はともかく、他はいるのか?」 そう聞き返してきたのは反対派の中心人物だったギラン。「必要だね。人数が多くなると色々なものの消費量が増える。ルンカーと炭を専用の施設で大量生産している恩恵について考えたことはないかい? それと加工食品にはそれぞれに最適な環境ってのがあって……」 いや、発酵がどうとか温度湿度の問題でとか、これは説明されてもチンプンカンプンだろうな。  オタク気質からくる説明したがりは戒めないとな。
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村人総動員令発令

 とにかく施設の必要性は村の規模拡大にあたって必要なものであるということで、村人を説き伏せていく。  ただの農村にいらないってのは確かだ。  だけど、百二十人規模の街にしようとなったときにどうしても必要になってくる。  必要だと判っていて準備しないなんて都市計画として最低だからなんとしても必要になる前に完成させておきたい。  前世のことわざで「泥棒を捕らえて縄をなう(略して「泥縄」)」というのがある。 「物事に出会ってから慌てて準備をすること(大辞林)」 平時ならともかく有事に際してそんなんじゃ世の中渡っていけない。  サラリーマン時代、よくそんな状況に追い込まれてた。  大抵は先輩や僕らの指摘を上司が無視して、危機が現実になってから理不尽に上司に対策を迫られた。  居酒屋で先輩たちと愚痴ったもんだ。「最初から判ってたべや、な?」 ってな具合だ。  不承不承なところもあったかもしれないけど、この件に関しては村長の権威で押し通し、計画を実行に移すことにした。  あんまり強権的に物事を進めると後々しっぺ返しが怖いんだけど仕方ない。  翌日から村は動き出した。  まず、今年も北の森から木材を切り出す。  ついでに北側を開墾して農地にする計画だ。  去年から随分木を切り出しているので割と拓けた感じになっているけど、その時の切り株が残ってる。  ルダー曰く「根を抜くと地盤が緩む」っていうんでそのままにしていたんだけど、これを抜いてしまわないと畑にならない。  この作業は伐根というらしい。  なかなかに重労働だ。  抜いた根は炭焼きに回す。  こっちの作業は男手の大半を割いて行われた。 女手は雑木林での収穫に当てる。  今年もピサーメ、マルルン、ダリプと豊作だ。  ただ、この二年手入れが行き届かなかったんで味が落ちている。  雑木林が荒れたことで野生動物も近づかなくなって土枯れしたせいもあるだろう。
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二年放置のツケ

 雑木林の管理ってものなかなかどうして大変だ。  もっとも収穫を減らしたのはキノコ類だ。  収穫量で去年の六割に届かないという報告が来ている。  冬の大事な食料なのにやばいな。  西の森にはキノコが多いんだけど、西は断崖になっていて迂回しなければ登れないのとスクリトゥリがいる。  戦闘演習以外ではあまり入りたくない森だよな。  サビー、イラード、ガーブラには北の森で狩猟を。  ザイーダには雑木林で肉食獣に襲われないように護衛を頼んである。  村の留守番にはチャールズと子供達、それから身重のヘレンを残してある。  クレタは収穫班についていきたいと言っていたけど、居残りで子供達に読み書きを教える役を押し付けた。  村が襲われる心配は今の所ほとんどないからできることだ。  ひと月(二十五日)ほど経った頃、ジョーのキャラバンが戻ってきた。  その中に消沈したドブルがいる。  他にふた家族計八人を連れてきていた。「お帰りなさい」 声をかけたジョーは挨拶もなしににやけた顔でこういった。「話はこいつらに聞いたぞ。野盗を殲滅したんだって?」 そこにオギンはいなかったけど、複数形にしたってことは話を聞いた時点ではオギンもいたってことだ。「一人生き残りましたけどね」「それも聞いてる。街の宿で逃げられたそうだ」 予定通りなんだけど、ポーズとして表情は作っとかなきゃな。「え? そうなのか?」 ちょっとわざとらしかったかな? と反省しながらドブルに訊ねると、大きな体を目一杯たたむように小さくなってうなだれた。「で? オギンは?」 と、これも僕の指示で戻ってきていないのを知っていながら訊ねると、「逃げられてすぐキャラバンと出会いまして、オレだけ報告のためにキャラバンに同行しました。オギンは後を追うといって別れました」「そうか……」
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かわいそうに

「そうか……」 実際には後を追ったんじゃなくて(もちろん後を追うという体にしたのは僕の指示)僕の欲しい情報の収集と僕が広めたい情報の拡散のために行動しているんだけどさ。「で、いつ戻るとか言っていたかい?」「はぁ、特には」 手を抜きやがって……。  そこも指示を出していて、雪解けを待って戻っておいでと言ってある。  この村は辺境にあって冬の間は雪に閉ざされる。  村を守るという点ではありがたいことでもあるんだけど、情報も遮断されてしまうという不利益がある。  雪が解けたら突然目の前に軍隊が!  なんてなったら目も当てられない。  まぁ、そんな確率は千に一つもないだろうけど。  そこで、冬の間オギンに外界の目になってもらおうと考えたわけだ。  さて、ドブルには悪いけどこうなることは判ってた。  いや、こうなることがそもそもの計画だったわけだから、ドブルの処分は穏便どころか論功行賞ものなんだけど……。  僕は改めてドブルに事の経緯を話してもらい(やっぱりドブルの隙をついて逃げ出したようだ)処罰を決めることになった。「ドブル」「はい」「確かに君はヘマをやらかした。しかし人間誰しも間違いはある。そもそも村の人材不足とはいえ素人の君に護送を任せた僕にも責任の一端があるわけで、仕方がない部分もある。そうは言っても失敗になんの罰則もなしでは他のみんなに示しがつかない。そこで君には春まで僕の稽古相手になってもらう」「稽古相手?」「そうだ。剣の稽古の相手をしてもらう。ただし、受けるだけ。つまり一切攻撃しないこと」「それでいいのですか?」「いいよ」「ありがとうございます」 何度も頭を下げるドブルを解放し、自分の家に戻る後ろ姿を眺めていると、ジョーがにやけた顔で寄ってくる。「なにを考えている?」「いろいろ」「食えねぇやつだ」「お互い様でしょ?」「まあな。……やっぱ気になるぞ。なぜ罰がお前の剣戟
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機織り革命

 雪の降るまでの間、僕は急ピッチで開墾するように指示を出した。  雪が降ってしまうと土を掘れなくなるからだ。  とはいえ「総動員令」発令から雪が降るまでは四十日もなく、機械にも魔法にも頼れない村の現状では伐根に農耕ホルスを使ったところで開墾できた範囲なんてたかが知れたもんだった。  雪が降ってからの作業はおおむね春の準備だ。  切り出してきた木材の加工。  保存食の仕込み、布を織るなどだ。  そうそう、ルダーと木工職人のおじさんに機織り機の試作品を作ってもらった。  アドバイザーはヘレン。  文化水準からくる話で、機織りは田舎の女の当然のたしなみらしい。  冬は当たり前ながら農閑期なので男は縄をなったり道具を作ったり、女も時間のかかる織物などに当てるのだそうだ。  思い返せば母ちゃんもやってたな。  父ちゃんは……  …………。 仲間と飲んで食って騒いでる印象しかないぞ!? この辺りでは「竪機」といって経糸をすだれのように垂らして緯糸を編んでいく織り方だったのを前世知識の「(鶴の恩返しでおなじみの)水平機」に置き換えようというものだ。  とはいえ構造に対する正確な知識があるわけもなく、前世の実家にあったというルダーの視覚情報知識だけを頼りにまずは一シャッケン幅の布が織れる小型のものを試作した。  完成した試作機にヘレンは大満足だった。「これなら一日中織ってられるよ」 という評は機械化された世界を知っている身としてはなんだか申し訳ない気持ちでいっぱいだ。  ジップが冬の間に身にまとう毛を春には刈る予定なので、それを糸にする糸車も必要だ。  これはこっちの世界の糸車も構造的になんら劣るところがないから木工職人のおじさんに作ってもらおう。
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ふと、思ったんだ

 村は基本自給自足だ。  畑仕事以外のところでは、必要なものは個々の家庭で自力で用意する。  作る物によってやたら時間のかかるものや得手不得手とかあるから村人同士都合を合わせながら物々交換的に融通しあって暮らしている。  辺境の一農村で何事もなく暮らせるのであれば今のままでも十分幸せなんだけど、ホラ、そうも言ってられないでしょ?  町にランクアップするにあたって導入すべきものがある。  職業の専門化だ。  もちろん町になっても農業が基本で、これからも大多数の住民には農業に従事してもらわなきゃいけない。  けど、人口規模が大きくなると必要なものの絶対量が増えるから、効率的に生産する態勢を整える必要性があるんだ。  これは町にする理由と大いに関わる問題だから避けて通れない。  独立自治を勝ち取るための戦略だ。  村がまだ復興中だった一年目からジョーに協力してもらい職人を村人に迎え入れてきてたわけだけど、年が明ける三年目の春からは本格的な生産体制を確立させようと思う。  織機の試作はその第一歩なわけだ。  木工職人のおじさんを始め、牧畜のおじさん夫婦、革職人に弓師矢師。  村で養成した炭焼き、ルンカー職人(最近は土器職人も兼ねている)それに鍛治師のジャリ。  今の所専門職は彼らだけだ。  いや、四十人規模の村には多いくらいかな?  職工に興味を示している村人も何人かいるみたいだ。  今は農閑期ということもあって、それぞれの職人のところに通っている。  畜産農家にならしてあげてもいいけど、今はまだ畑作に手が必要だから今の所こちらから声をかける気はない。  そして職業を専門化するにあたって導入しなきゃいけないのが貨幣経済だ。  今までだってキャラバンが来ていたくらいだし、お金の存在は知っていた。  これはジョーに教わったんだけど、基本的にキャラバンとは物々交換で、キャラバンの欲しいものと村の欲しいものが釣り合わなかった場合に貨幣が支払われていたそうだ。  つまり、村の知識としての貨幣とは物々交換品の一種だったわけだ。
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