All Chapters of 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない : Chapter 121 - Chapter 130

206 Chapters

完勝なので感傷にはひたりません

 僕はこう見えても村のリーダーだ。  まだ十六……いや、日付変わって十七歳か。  若くて経験不足だと思われてるんだろうけど前世では半世紀近く生きていたわけだし、会社でそれなりの地位についていた。  いわゆるプロジェクトリーダーを任されて十人以上の部下を率いていたことだってある。  そんな経験豊富な僕が、歴史オタクの知識を総動員して戦術を練った対野盗戦だぞ。  初陣だからって遅れをとると思っているのか? …………。 なんて一人で興奮していたらあらかた戦闘が終わってた。 あらぁ?「何人か生き残ってますが、どうします?」「え?」 慌てて辺りを見回すと、確かに重症だったりで虫の息なやつや戦意喪失で無抵抗に縛られてる男たちが全部で四人。  頭目はイラードたちが倒したらしい。  手引き役の男は……ああ、南無南無……。「こちら側の被害状況は?」「ジャスほか数名が切り傷を受けていますが、重傷者はいません」 ほっ、それは良かった。「チャールズとガブリエルを呼んで傷の手当てをしてもらってくれ。彼らも……」 と、野盗の生き残りを指差す。「同様に」「本気ですか!?」 と、抗議の色を出して訊いてきたのはザイーダ。  うむ、いつも通りの冷徹な反応だな。「本気だよ」 情報は乱世の生存戦略に最も必要なものだからね。  聞きたいことはいっぱいあるんだ。  口を割ってもらうにはこっちにいい印象を持ってもらわなきゃならないんだよ。  心を開いてもらうのも大事なことだよ?  拷問で口を割らせる手もあるけど後味悪いし、その後の使い道も考えられるからね、フフフフフ……。  相手は頭目を失った野盗なんだし、根性なさそうな下っ端っぽいから、こっちの方が有効でしょう。「何人助かりそうかな?」 彼らに聞こえないようにオギンに耳打ちすると、「一人でしょうね」 との
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神様、今年の誕プレは最 The 高です!

「みんな!」 と、事後処理にあたっている村人を呼び止める。  みんな、初めての戦闘だったろう、勝ったのも初めてに違いない。  表情には興奮冷めやらぬって色がありありと見える。「ご苦労様。まだ後片付けもあってしばらく寝られないかも入れないけど、明日は僕の誕生日でもあるから戦勝祝いも兼ねて宴を催すよ!」 それを訊いて、全員が拳を突き上げて喜びの声を上げる。 !「ああ、そうだ!」  僕が声を張り上げると、再びみんなの注目が僕に集まる。「勝鬨をあげよう」「かちどき?」 ジャリが、不思議そうにその単語を繰り返す。「うん、勝ったことを喜ぶちょっとした儀式があるんだ」 と、やり方を説明すると、みんな面白そうだと一度僕の前に集まってくる。  事後処理に村人全員集められているようだ。「行くよ」 鉄剣を少し明るくなりかけている空に掲げる。「えいっ、えいっ」 僕の呼びかけにみんなが応える。「オォッ!」 うおおぉっ!!  たかまるっ! たぎるっ!!  これ、クセになるね。  団結したーって気になるんだね、勝鬨すげえや。  村人たちもおんなじ気分のようだ。  前世じゃ、ダサいと思ってたんだけどなぁ……なにかな? シチュエーションの問題だったのかな?「オギン」「はい、お館様」「サビー」「なにか?」「二人は僕と一緒に家に戻って寝るの命令ね」「かしこまりました」「イラードはここの指揮を任せる」「かしこまりました」「ガーブラとザイーダは正面門の見張りを頼むよ」「了解!」「サビーとオギンは昼前に見張りの交代をよろしく」「なるほど、了解です」 それにしたって、彼らにおんぶ抱っこだな。  今回は小規模な野盗相手の戦
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肩の荷が下りると体調を崩すことが多い…らしい

 階下から漂ってくるおいしそうな香りに起こされた。  体は少し重い。(仕合の後はこんな感じになるとこが多かったな) などと妙に懐かしく思いながら下に降りる。「よう、やっと起きてきたな」 と出迎えてくれたのはルダーだった。  むーん……微妙に嬉しくないな。(やっぱり女性に起こされたい) などと思いつつも、なんでまたルダーが僕の館にいるのか疑問に思っていると。「ヘレンにな」 と、まるで僕の心が読めるかのように説明してくれる。「ヘレンがな、ずっと気を張ってたやつは肩の荷が下りると体調を崩すことが多いから、あったかくてうまいもんを食べさせてやれって持たせてくれたんだ」 なるほど。  おじいさん商隊長さんが亡くなったのもそんな感じだった。「滋養にもいいぞ。デーコンポモイトスープだ。肉はラバトの塩漬けを使ってる」「それはうまそうだ。じゃあ、遠慮なくごちそうになるよ」「おぅよ」 もう随分前から自炊になっていて、最近は食べる機会もめっきり減ったけど、ヘレンの料理はうまいんだ。  食事をしながら僕は村の様子を訊ねる。「今日はみんなゆっくり起きて今は村人総出で宴の準備をしてるぞ」 農作物の収穫作業も一段落ついてるし、雑木林の収穫はピサーメ以外まだ少し早いと聞いてるからちょうどよかったのかもしれない。「誕生会と収穫祭と戦勝記念の宴だね」「おお、景気がいいな」「捕虜の容体は?」 そう訊ねると、ルダーの声のトーンが少し落ちる。「二人はお館様が去って間もなく死んだ。もう一人は『苦しい、殺してくれ』って言うんでイラードが楽にした」 そうか。「生き残りは例の男の家で見張られている」 手引き役の男は戦闘で死んでいるから、今は空き家ってことになるんだし有効利用ってやつだな。「様子は?」「縛られてるからって
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秋だけど春なんです

「ヘレンは順調かい?」「ああ、おかげさまで安定期だよ。そうでもなきゃスープなんて作ってもらえてないだろ」 確かにちょっと前までつわりがひどくてルダーが食事の支度をしてたな。「どっちかな?」「さあな。前世世界じゃあるまいし、生まれてくるまで判らんよ」「違いない」「アニーは妹ができると信じてるみたいだけどな」「そうか。村が復興して初めての子供だね」「そうだな。どうでもいいが、ジャリの視線が痛いわ」 憧れの姐さんだったみたいだからねぇ。「そういや、チャールズとガブリエル。正式に結婚することにしたそうだ」「そりゃめでたい」 なんてとりとめもなく話していると案外すぐに着くもんだ。  見張りにはジャスが立っていた。「ケガは大丈夫かい?」「ザイーダが言うにはこれくらいの傷なら痕も残らないんじゃないかって」「そりゃあよかった」「うまそうですね。ヘレンさんのスープでしょ」 よく判るねぇ……。  ああ、もともと同郷ってか、ヘレンを慕ってついてきたんだっけか。「一緒に食う?」「いいんすか?」「いいよ」「ルダー、ごめん。ちょっとの間代わりに見張りお願い」「はいはい」 ルダーは二つ返事で引き受けてくれた。  中に入ると殺風景な家だった。  腰を据える気なんかサラサラないって言うのが家財道具から見て取れる。  奥の部屋のドアを開けると、ベッドの上に後ろ手に縛られた男が、心配そうにこちらを見てくる。  僕は辺りを見回して武器になりそうなものを確認する。  椅子とか鍋釜程度だな。  包丁さえないってのはどうやって調理してたんだ?  ジャスに指示して縄を解く。「腹が減ったろ? 一緒に食おう」 その提案はよっぽど彼の想定外だったんだろうか?  惚けた顔して返事一つ返ってこない。  スー
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お館様はネゴシエーター

 まずは飴の方で行ってみることにしよう。「申し遅れたかな? 僕はこの村の村長をしている」 まだカッコ仮……だけどね。「村……長?」 惚けた顔で男は繰り返す。「意外だろうね」 あ、こいつあっさり頷きやがった。「噂で聞いているだろうけど、この村は二年前に野盗に襲われて一度壊滅しているんだ。僕は唯一の生き残りとして暫定的に村長をやっている」 そこ! 「なるほど」なんて納得するんじゃない!  僕が顔を引きつらせたのをどう解釈したのか、男が蒼ざめた顔で見上げてくる。  いけね、話の振り方間違えたか?「あー……でも、そんなことはどうでもいいんだ。今はこの町でひっそりと暮らしていられれば」 たぶん無理だけど。  リリムが吹き出す。  チッ、また独白を読みやがった。「そこでだ、君にこの村でひっそり生きるための情報提供をしてもらいたい」「ジョウホウテイキョウ?」 これはどういう意味でのおうむ返しなんだ?「君の知っていることを教えてくれればそれでいい」「見返りはあるのか?」 いや、君は本来そういう立場じゃないって自覚ないの?「情報次第だ」「…………」 …………。「……なにが知りたい?」 ホッ。  第一段階の交渉はクリアした。  僕は彼の縄をほどき、リビングへ案内する。  おっと、ひと鞭くれてやるのを忘れちゃダメだな。「逃げ出すつもりなら死ぬ覚悟をしてくれよ。危害を加えるような人間に情けをかける気はないからね」 はい、ぶるっちゃいましたね。  ま・実際、彼以外はみんな死んでるし、説得力あるべ。  イスに腰掛けると、ジャスが温めたスープをよそってそれぞれの前に置く。「まずは食事といこう」 と、僕がいうと「うまいぞ」 と、ジャスがいう。  いいフォ
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みんなワクワクソワソワ

「貴重な話が聞けたよ、ありがとう」 すっかり打ち解けた気になっていた男は「なんのなんの」と横柄に手をふる。「君の処遇は改めて明日決定するつもりだけれど、今日のところはこのまま部屋に戻ってもらうことにしよう」 なんというか、ジャスは阿吽の呼吸でも心得ているかのようになにも言わないうちに男に縄をかけ出す。「ちょっ、ちょっとこれは?」「君が囚われの身であることに変わりはないんだよ?」 そう金魚みたいに言葉もなく口をパクパクされても対応は変わらないよ?  ま、対応は最初から決まっているんだけど今日はこれから村をあげての大宴会だからね、不測の事態は困るんだ。  ジャスが部屋に男を押し込むのを確認して僕は家を出る。「終わったのかい?」 外では律儀に見張りについていたルダーが声をかけてきた。「終わった終わった。今後の村の計画になかなか有意義な情報があったよ」「そりゃあよかった」 遅れて鍋を抱えたジャスが出てくる。「見張りの当番はいつまでなんだい?」「日暮れまで」 とルダーに鍋を返しつつ答える。「じゃあ、宴で待ってるよ」 僕はそう言い残してルダーとその場を離れた。  向かったのは正面門。  二棟の櫓にはサビーとオギンがいる。「お館様」 僕らを見つけたオギンがスクワラーのようにするすると降りてくる。「見張りは通常体制に戻すよ」「襲撃の危険はない……と?」「そ。あいつの情報だ。信憑性は僕が保証する。二人とも宴まで休んでいいよ、ご苦労様」 そう告げて、今度はルダーの家へ。  家の前ではアニーがカルホと遊んでいた。  年の近い友達がいるのはいいことだよ。  多すぎるとそれはそれでややこしいことになるんだけどね。  あ、これは前世の経験だわ。  二人に軽く挨拶をして家に入ると、ヘレンは宴の準備で大鍋に食材を放り込んでいた。  僕は彼女にスープ
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転生して恋しいものがある

 ルダーを連れ立って僕は館に戻る。  館につくとザイーダが現れた。「なにかあったのか?」「いえ、御用がおありかと」 よく気がつきますこと。「じゃあ、イラードを呼んできてもらえないかな?」「ワタシならここに」 うおっ!  後ろから突然声をかけてこないでくれ。「じゃあ、みんな中へ」 と三人を招き入れる。  館の一階は基本的にはこの世界の常識にならって土足でいいのだけど、二階と奥座敷は土足禁止になっている。  その奥座敷には囲炉裏が切ってあって常時火種を絶やさない。  その囲炉裏に炭をくべ水を入れた深鍋を乗せる。  お茶が欲しいなぁ……。  他の地域がどうか知らないけど、この村では昔から水を沸かして飲んでいた。  白湯であったり湯冷ましであったり、基本生水は飲まない。  この季節ならダリプの果汁が子供達に人気だった。  大人たちはまぁダリプ酒を昼日中から飲んでた。  原始的な醸造だからか、甘くてアルコール分低めなので水のようにがぶがぶ飲めてしまえる。  けど今は、僕の前世知識から平日は仕事中に飲んではいけないことにしている。  アルコールは脱水を促すし、肝臓に悪いしね。  ルダーが四人分のカップを持ってくる。  勝手知ったる他人の家ってやつか?  ザイーダは野生のスタベラをジャムにしたものを湯の中に入れる。  甘酸っぱくて疲れた体になかなか効果がある。  そうか、日本茶的なのは難しくてもハーブティー的なものなら飲めるかもしれない。「ルダー、ハーブティー的なものってできそう?」「ん? 食える草はいくつかあるけど、うまい飲み物になるかどうかは……」「アニーたちと一緒に試してみてよ」「んーん……まぁ、来年な」 あ。  そろそろ冬枯れの時期か。  仕方ないな、本題に入ろう。
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ジャンの懸念

「さて……」 と、飲み物で一息ついた三人を見回し視線を集める。「今晩宴が開かれるわけだけど、みんなにはこの宴で僕を正式な村長にしてもらいたい」「正式な村長?」 と、ザイーダが「なにを言ってんだ?」って顔で聞き返す。  イラードも「正式もなにもお館様はこの村の村長でしょう」 と、さも当然と言った口調で言う。  判ってないなぁ。  チラリとルダーを見るとこっちはなんとなくニュアンスがつかめていそうだ。  イラードもザイーダも村の中では結構な知識人なはずだけど、この辺りの機微は文字が読めるからと言って理解認識できるもんじゃないのかな?「今僕は、元々の村の住人ということで村長をやっている」 そこで区切ってみんながうなずくの確認する。「最初の七人はその経緯を知っているしある意味納得している」「知識や復興活動の運営を率先して行なっていたし、実績もある。誰もが納得していると思うが?」 と、ルダーは言うけどそうとも言えない。「さて、それはどうだろう? 後から来た人たちの中には僕を幼くて経験不足、信用ならないと思っている人も少なくないと思うんだ」「確かに若いと侮っている村人が数人いますね」 さすが、諜報部。  ザイーダはそこらへんの情報もちゃんと持っていたようだ。「なるほど、今は復興に力をあわせる都合もあって声に出していないだけで、お館様が村長でいることに不満を持っているものがいるのですね」「そう! 彼らはきっと『仮の村長』と思っているんだと僕は考えてる。復興作業も一段落したら『今の村長で本当にいいのか?』とか言い始めるに違いない」 ま、この辺は半分被害妄想なんだけど。「そこで、この機会に村の総意として僕を村長として正式に認めさせる」「できますか?」 いい質問だよ、ザイーダ。
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適任

「ふむ……このタイミングならできなくないぞ、ザイーダ。村の復興に尽力してきたことは誰もが認めるところだ。そして昨日の野盗襲撃を陣頭指揮をとって見事に防ぎきった手腕。これでお館様を村長として認めないなんて他の村人が許さないだろうよ」「ああ、そりゃそうだね」「で? 俺たちに村長にしてくれってのはどう言うことだ」「いい質問だよ、ルダー。イラードが言った通り、今は絶好のタイミングなんだ。だけど僕が言ったんじゃ角が立つし下心見え見えだ。とは言っても、誰かが言い出さなきゃ不満を持っている村人の認識がいつまでも仮の村長のまま……しばらくすると『あいつでいいのか?』問題が再発するかもしれない」「なるほど、それでうちらに正式に村長に決めようって言ってもらいたいってことですね」「ご名答」 理解の早い人たちで助かるよ。「今なら嫌とは言いにくいからな。一度正式に村長と認めた以上、後から否やと言い出しても『イヤイヤあの日村の総意で決めたじゃないか』と説得できる」 僕はたぶん時代劇の悪代官的なニヤリ顔を作ったと思う。「多数派工作はいらないか?」 前世的発想だね、ルダー。「それはいらないでしょう。察しのいいオギンやサビーを始め、ジャスやチャールズも賛同するに違いありません」「で、この提案をする役をルダーにやってもらいたいんだ」「え? お、俺!?」「そう、ザイーダやイラードだとジョーの思惑を感じちゃう人が出ないとも限らない。村に来て日の浅い村人の提案では説得力がない。その点最古参のルダーなら『ああ言いそう』ってみんなに思ってもらえるだろ?」「う……うーん…………」「頼むよ」「……仕方ない。引き受けよう」 やったね!
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かくて宴は始まった

 日が沈む頃、村の宴は始まった。  まぁ、準備ができたところから待ちきれない人たちが勝手に始めてあとは流れでお願いしますって感じだったので、僕が中央広場に着いた頃には始まっていたと言うのが正解だ。  くそっ!  みんな浮かれすぎだよ。  なにかあったらどうするんだ!?  ……ないだろうけど。「おつかれさま! はい、どうぞ」 僕を見つけてカルホが飲み物を持ってきてくれた。  お手伝いってやつか?  ウエイトレスを買って出ているようだ。  お盆に飲み物を乗せてあっちこっちと飲み物を運んで、おじさんおばさんたちからなんかもらってる。  ちゃっかりしてんな。  この村は意図的に集められた人たちで構成されているためか、人口構成がいびつで女子供が極端に少ない。  未成年(十五歳未満)はクレタとカルホ、アニーの他はロット・バロさん家のブロロくん四歳しかいない。  ちなみにお母さんはマッハさん。  すでにクレタは大人に混じって仕事をしている。  時代や地域性もあるけど、二十一世紀日本で過ごした前世を持つ身としてはちょっと考えちゃうよね。  各家庭で作ってきた自慢の料理を少しづついただきながらぐるりと村人をねぎらい歩く。  一緒に歩いているのはヘレンとルダーが忙しく立ち働いていて暇そうだったアニー。  連れ出して歩いてたらなんかいっぱいもらってる。  子供は得だな。  村人には普段からの働きに対する感謝の言葉を送り、昨日の戦闘に参加した男たちには自慢話をさせる。  部下の手柄はちゃんと聴いて、正当に評価して褒めてあげる。  これって結構大事なことなんだ。  人間、叱るより褒めた方がずっと伸びる。  日本じゃとかく減点評価が幅を聞かせていて学生時代も社会人になってからも苦労させられた。  叱るのも必要なんだけどさ。  それにしたってこの世界、酒を水代わりに飲むよな。  売り物に手をつけんじゃないぞ。  大事な収入源なんだから。
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