高校時代の友人が結婚する前夜、花嫁の高橋里香(たかはし りか)が結婚祝いのパーティーで王様ゲームをしようと提案した。王様になった里香は、「1番と3番は全員の前でキスをする」と言い出した。潔癖症の夫、千葉颯太(ちば そうた)は、手にした「1」と書かれたくじを見て眉間にしわを寄せた。私は席から立ち上がり、なんとか颯太を助けようと言葉を探した。次の瞬間、向かいの席にいた御手洗凛(みたらい りん)が「3」と書かれたくじをみんなに見せながら、控えめな声で颯太に尋ねた。彼女は高校時代、誰もが憧れた高嶺の花だった。「いいかな?」颯太は凛を見ると、表情が柔らかくなり、迷うことなく答えた。「ああ」会場は一気に沸き立ち、周囲から囃し立てる声が飛び交った。「颯太、余裕があるね。さすが成績トップだっただけのことはあるわ」「早く録画しなきゃ!昔からお似合いの二人が、こうしてまた繋がるなんて、運命じゃないか?」凛は顔を赤らめ、恥ずかしそうに颯太に近づいた。颯太は笑ったまま、拒もうとしなかった。私はその場に立ち、二人が口づけを交わす様子を静かに見ていた。さっきまで颯太を助けようとしていた自分を思い出し、私は自嘲気味に笑った。どうやら、余計なお節介だったようだ。二人が顔を離すと、会場は一気に盛り上がった。凛の親友である里香が勢いのまま、颯太に詰め寄った。「颯太くん、同級生なんだから、正直に教えてよ。凛のことをどう思ってるの?ずっと颯太くんのことを待ってたんだから。ハッキリ言ってよ。好きなんでしょ?」周囲の人たちも加わり、場はさらに騒がしくなった。「そうだぞ!お前ら二人は同級生の中で一番似合ってたよ」「告白なら今夜でしょ、タイミングは今しかないぞ!」誰もが思い思いのことを叫び、好き勝手に騒いでいる。凛は耳まで赤くして、ほぼ颯太の腕の中に収まっていた。「やめろよ」颯太は笑いながらそう返したが、否定をしなかったし、凛を突き放すこともしなかった。私は震える体を必死に抑えながら、その様子をただ静かに見つめていた。すると里香がニヤニヤしながら、こちらを見てきた。「美弥(みや)、そっちはどう思うの?颯太くんと凛がくっつくのを、応援するよね?」その瞬間、周囲が静まり、全員の視線が私に突き刺さった
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