「掘った穴に生ごみを入れます」ごみという言葉に幾人もが顔をしかめたので、サラリアは言葉を変える。「食材には、皮や骨などの食べられない部分があり、そういう部分は料理のときに『生ごみ』として捨てることになります」子どもたちはピンとこないようだが、母親たちの何人もが納得したように頷いている。先ほど竜族の料理を『美味しくない』と言っていた女性が多い。(自分で料理をすることもあると言っていたし、そういう人は忌避感が薄いみたいね)「今回はお城の厨房から出た生ごみを使います」お城と言うと、幾人もの子どもが目を輝かせた。.「お城だって」「お父様も食べたかな」「もしかしたら竜王様かも」幾人かがコソコソとお城の話をする。城に対する憧れと、王であるラーシュに対する敬意が感じられる。そしてその目は自然とトールに向けられる。憧れと崇拝。彼らにとってトールは子どもではなく、王なのだと感じらえる。「母様、ここにいれるの?」でも、サラリアにとってはただ一人の息子。神とか王とか、崇められる存在の孤独をサラリアは知っている。「量が多いので、お城の方々にやってもらいましょうね」「うん」サラリアは後ろにいた人たちに頭を下げる。城からきた侍従たちが、穴の上で木箱をひっくり返す。野菜の皮、魚の骨や内臓、肉の切れ端などがどんどん穴の底に溜まる。ゴミは、今日の朝の厨房で出たものを頼んでおいた。腐敗しておらず、臭いはしないことにサラリアは安堵する。子どもの野菜嫌いをどうにかしたいというのも、今回の目的の一つである。汚い・臭いは育てる上で問題なくても、食べると思うと距離を置いてしまうだろう。(美味しい野菜を食べてないからだと思うのよね)実際に、トールはこれまでは野菜をよく食べていた。だが、ドラコニアに来てからはよく残す。
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