12時過ぎ。ノエルがテーブルを持って部屋に入ってくる。テーブルにのってるのは、朝と同じゼリーと水。(消耗を減らすためにも、慣れておかないとな……) 散歩ができるのなら、脱走のチャンスが見つかるかもしれない。その時に備えて、できるだけ体力は温存しておきたい。フォルターは文句を飲み込み、手を使わずに犬のように食事をする。「ふふ、いい子。フォルターは賢いなぁ」 楽しそうに言いながら頭を撫でてくるノエルに、殺意がわく。脱走のチャンスを得られるかもしれないと思うと、耐えられた。 急いで食事を終わらせると、ノエルをまっすぐ見上げる。「それで、散歩は?」「ふふ、積極的だね。行こうか」 ノエルはフォルターに首輪とリードをつける。フォルターは大人しくつけ終わるのを待つ。「従順だね。散歩を楽しみにしているようだけど、期待しないほうがいいよ」「どういうことだ?」「さぁ? さ、行くよ」 リードを軽く引っ張られて立ち上がると、ノエルが振り返る。「四つん這いじゃないとダメだよ」「くそ……」 屈辱以外の何でもないが、脱走できる機会を探るために四つん這いになる。リードを引かれて廊下に出ると、あの階段ではなく、中間地点にあるドアを開ける。部屋ではなく、螺旋階段階段があった。「こんなところに階段があったなんてな……」「これは中庭に行くための階段なんだ」「階段も四つん這いか?」「危ないから、普通に降りていいよ。ただし、下に降りたら四つん這い再開ね」「分かった」 フォルターは立ち上がり、ノエルと共に階段を降りる。「教育期間は死なせないって、午前に言ったでしょ? 以前はこの階段も四つん這いで降りさせてたんだけど、バランスを崩して頭から落ちて、そのまま死んじゃった子がいてね。それからは普通に歩かせるようにしてるんだよ」「胸糞悪い話だ」「あはは、そう言わないでよ。今は逃げたくて仕方ないだろうけど、そのうち気にいるさ」 その言葉にドキッとする。自分が脱走しようとしているのを見透かされたような気がした。「それはない」「分からないよ? っと、ついたね。ほら、四つん這いになって」 階段を降りきると、狭いスペースとドアがあった。ドアは分厚いらしく、ノエルは両手で押して開ける。「あ、あ、ああっ♡」「見てぇ♡ もっと見てぇ♡」 ドアが開いて聞こえてきたのは、青
Last Updated : 2026-06-05 Read more