「颯真、お前……」 「居酒屋で一緒に取り残されたから、もしかしてデキちゃったかと思った!でもすでに別れた2人なんだ?なら問題ないね?」 「なんの問題がないって言うんだよ」 颯真は少し意地悪そうな笑みを浮かべ、神楽と紅の間に自分の座る椅子をねじ込む。 「紅ちゃんに俺の専任も務めてほしいなぁって。……それから」 何を言い出すのか予想した神楽。深いため息を吐く。 「部屋ならうちも空いてるよ?良かったらいつでも利用して!?」 「いえ……選ばなければ、すぐに部屋を借りることはできますから」 それを躊躇したのは、引っ越したばかりのアパートで火事にあったからなのだが……神楽も同じことを思ったらしい。 「慌てて住まいを決めないで、一旦実家に帰るとか、方法はあるだろう」 その言い方が妙に慎重に聞こえ、思わず神楽を見る。 「間借りさせるのはもちろん構わない。……京香にもそうしてやったんだから」 後半は明らかに颯真に言ったように聞こえ、紅は無意識に颯真を見た。 突然神妙な表情になり、深く眉間にシワを寄せる颯真。その不機嫌そうな顔つきに、そこにいる誰もが一触即発を予想した。 「それなら、そのまま嫁にもらえば良かったんじゃない?」 「は?……お前本気で言ってるのか?」 「だって、父さんが言ってたよ。結婚を遊びととらえる神楽には、京香を当てがうのが一番だって」 ……京香さんは、院長が決めた神楽の婚約者だった……?! でも以前神楽の家で鉢合わせたとき、気の置けない幼なじみだって言ってた。 「俺はそんなこと承諾してない。……だいたい、お前こそどうなってるんだよ?」 颯真は返事をしないが、やり取りを聞く限り、京香との間に颯真も何かあったようだと紅は思う。 神楽と颯真、そして京香の3人には、自分の知らない過去や思惑がありそうだ。 「……皆、何の話してるんだかわからなくて困っちゃうよね?」 うまく話を変え、颯真は人懐っこい笑顔を見せる。 「皆さんの関係性は?……そちらは、カップルかな?」 「……私たちは全員、高校時代の先輩後輩なんです」 「えーっ!そうなの?……それじゃあ、神楽の一番の暗黒時代を知ってるんだ?!」 何やら話が良くない方に向くのを感じた神楽。面白くなさそうに頬杖をついた。 「あの
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