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エドウィンの襲来(3)

Auteur: Kaya
last update Date de publication: 2026-08-16 19:20:00

 それなのに……

 「え?まだあの消えたお二人を探してるの?

 エドウィン様。

 きっと大丈夫ですよ。怖くなって逃げ出したに決まっています。

 そんなことまでいちいち気にしていたら、私たちの生まれてくる子供の世話なんて、できませんよ?」

 すっかりロベリアの部屋となってしまった、皇太子妃宮。

 そこを訪れた私は、いつものようにロベリアの膝に横たわり、彼女に髪を撫でてもらう。

 すでに彼女の腹は膨らみ始めている。

 あの二人の事を除けば、全てうまくいっている。

 とは言え、リーリエを追い出した時期とかぶるので、周辺に悟られないよう気をつけないと。

 「そうかな。私があまりに神経質になりすぎなのか?」

 「リーリエ様だって大人しく娼館にいるんですよね?だったら何も問題ないではありませんか。怖がりなんですから、もうっ。」

 えいっ、とロベリアに悪戯っぽく頬をつねられるが、なぜだかうまく笑えない。

 そうだ。ロベリアはアイザック・バロン
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  • 孤高の元皇太子妃は、女性嫌いの魔術師団長に執愛される〜甘く濃厚に溶かされる夜〜   皇太子妃は懐妊する

     時々、アイザック様は辺境の地へ赴かれる。 皇帝や皇后、エドウィン様の様子見ついでに、密かに仲間達の支援を行っているのだろう。 「エドウィンはいつも泣いて、皆を困らせているようです。 父上達は寝込んでばかりだそうですよ。 リーリエも一緒に?駄目です!お腹には大切な私達の子供がいるんですから。」 「でも……」 「でもじゃありません。リーリエ。 もし貴方に何かあったら、今度こそ私は生きていけません。」   しゅんとする私を、アイザック様は優しく宥めてくれる。 急いで彼と式を挙げ、今度はアイザック様の皇太子妃になったのだが…… 「デリラとユディトですか? あの二人は元気にやってますよ。」 色々と片付いてから二人に女官をやらないかと頼んだが、断られた。 しかし、今ではあの場所は娼館ではなくなった。 『辺境の治療院』 アイザック様が娼館の建物ごと改築し、辺境で魔獣退治をする兵士や、師団員達の傷を癒す治療院へと生まれ変わらせた。 運営は私が担当、もちろんお給料もある。 「患者の手当?すごくやりがいがある!」 「そう言えばこの前、ローワン様も来たよ。」 デリラにユディトは新しい仕事に対して、誇らしげだったという。  「ローワン様は傷もないくせに……ユディト目当てで来てるんだよ〜」 あれだけ女性嫌いを宣言していた、ローワン様が。 ふふ。そのうち、嬉しい知らせが聞けそうだ。  「リーリエ。」 「アイザック様。」 今日もアイザック様は、仕事の合間を縫って私達に会いに来てくださる。 さすが元皇太子だっただけあり、優秀な仕事ぶりで、周囲からも絶賛の声を浴びている。 ロベリアは子供を産み、辺境へと送られた。 今頃、元家族と仲良くしている事でしょう。 娼

  • 孤高の元皇太子妃は、女性嫌いの魔術師団長に執愛される〜甘く濃厚に溶かされる夜〜   後継者問題は、解決する

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  • 孤高の元皇太子妃は、女性嫌いの魔術師団長に執愛される〜甘く濃厚に溶かされる夜〜   ※本気を出したアイザック〜手袋取ります〜(1)

     裁判で私は勝利を。アイザック様は皇太子の座に返り咲いた。 「ゆ、許してくれ、フェリクス……あの頃は魔術師なんてよく分からない存在だったんだ。 な?落ち着いて……」 彼をいつ死ぬともしれない死地に追いやり、平和を維持した皇帝。しかし今はアイザック様に情けなくそう懇願する。 あの大きな魔獣は倒したが、彼がいなければ再びあの地に魔獣が蔓延るだろう。 まだ戦わせたいのだ。しかしアイザック様は自分がされたように、無慈悲に告げる。 「陛下。今度は貴方が国を守る番です。 私は何年も戦場にいたので、そろそろ交代する時ですよ。 エドウィンと一緒に。」 皇帝が膝から崩れ落ちると、背後にいた皇后が擦り寄ってくる。 「私は許して……ね?貴方の母親でしょう?」 「母上。父上とエドウィンには母上が必要でしょう。側で二人を支えてあげて下さい。 それが、リーリエを傷つけたあなた方への罰です。」 自分の事ではなく、私の事を……。 彼が両陛下を切り捨てると、今度はエドウィンが縋りつく。全くこの家族は学習しないのね。 「いやだ、魔獣退治なんて……死ぬに決まってる……いやだ、いやだ!兄さん!考え直してください!」 「そんな場所と知りながら喜んで送り出したのはエドウィン、お前達だろう?」 お見事です。アイザック様。 全てを冷酷に切り捨てるこの勇ましさ。鋭さ。 どこまでもついていきます。 背後で彼を見守りながら、私はまたアイザック様に惚れる。 「あ、ロベリアは身重だから、生まれるまでは皇室で預かろう。 と言っても別宮に軟禁だ。 子供に罪はないから、私達が引き取ろうと思う。 だが、それだと寂しいだろうから…… ロベリアにも出産後には辺境に行ってもらおう。」

  • 孤高の元皇太子妃は、女性嫌いの魔術師団長に執愛される〜甘く濃厚に溶かされる夜〜   絶望のエドウィン

     私はこれまで、リーリエの何を見てきたのだろうか? 兄さんが私を脅しにきたすぐ後、他の女官達からの密告があった。 「告白いたします! ずっと、皇太子妃……ロベリア様に脅されて言えませんでしたが…… 本当は、元皇太子妃のリーリエ様は素晴らしい女性でした。 私達にはいつも優しくしてくれたんです。 ですが私達は……ロベリア様に……言うことを聞かなければクビにすると言われて。 だから、宮廷にリーリエ様に関する悪い噂を流しました。」 「なん、だと?噂?何の?」 それは、リーリエが実際には一度も言ったことがない言葉だったという。 「《エドウィン様が無能》だと。 《彼はできそこないで、仕方なく仕事を手伝っている》と。……まるでリーリエ様が言ったように噂を流せと……」 「《夜を共にするのも面倒臭いし、あれも下手くそだ、》とも。」 「何だと!!」 そんな恥部まで!? 「《私は優秀だ、エドウィン様は無能》。」 そんな……嘘だ。すべてロベリアが? じゃあ、夜の誘いを断ったと思っていたあの全ては? ロベリアが手紙を止めていて、リーリエは知らなかったのか?一人のあの食事も? 「それにロベリア様は、殿下と関係を持つ前に、複数人の男性と寝ていたそうです。 そのおかげで殿下を落とせたと、やけに自慢していたそうですよ。」 嘘だろう?私が初めての相手ではなかったのか!?ロベリア!君は! さらにリーリエ付きだった補佐官も言う。 「いつも、エドウィン様の事をお考えになっていましたよ。」 「仕事の手柄は、全てエドウィン様のものにするようにと。」 出てくるのはリーリエが私のために懸命に働いてくれていた事実と、ロベリアの多くの嘘。

  • 孤高の元皇太子妃は、女性嫌いの魔術師団長に執愛される〜甘く濃厚に溶かされる夜〜   皇太子の裏切り(2)

     かつてこの宮廷で法を犯し、皇帝陛下と不貞行為を働いた子爵夫人は重い罰を与えられこの帝国を追放された。 今度もそうであって欲しかったのに。 ロベリアは全てが暴露され、皇帝陛下が事態を把握したはずなのに私の目の前に堂々と立ち、太々しく言った。 彼の子を妊娠した伯爵令嬢ロベリア。 美しい桜色の髪に金色の瞳。 社交界の花と言われる程の美貌の持ち主。 「陛下が特別に赦免《しゃめん》下さるそうです。 皇太子殿下の血を引く子供の母親だからと。 ……許してね?リーリエ。私、エドウィン様を愛してしまったの。 ここにはすでに愛おしい彼の子が宿っているのよ。」 彼女が大事そうに自身の腹を撫で

  • 孤高の元皇太子妃は、女性嫌いの魔術師団長に執愛される〜甘く濃厚に溶かされる夜〜   皇太子の裏切り(1)

     もう駄目。逃げられない。遂にあの人の逞《たくま》しい手が伸びてきて…… 今夜こそ、私は彼に蕩《とろ》けるほどに……… *** 「リーリエ。頼みがある。 どうか皇太子妃の座を、ロベリアに譲って欲しいのだが。」  「え?……ロベリアですって?」 「そうだ。彼女が私の子を妊娠した。 その子を正式な皇子として認知してやりたいのだ。だから、どうか頼む。」 穏やかな春の午後の事だった。 いつものように執務室で書類作成を手伝っていると、夫のエドウィン様に背中側から唐突にそう突きつけられた。 振り向くと、見慣れた皇太子の夫がそこにいた。 容姿は珍しい鶸色《ひわいろ》の髪に、灰色の瞳

  • 孤高の元皇太子妃は、女性嫌いの魔術師団長に執愛される〜甘く濃厚に溶かされる夜〜   魔術師団長アイザックの誘惑(2)

     戸惑う私にアイザック様はどこか可笑しそうに微笑された。 「さあ。リーリエ様。私と共にベッドへ。」 「なぜ私の名前を………」 先程男主人から私には「リリー」という商売名が与えられたばかりだというのに。 それに対してアイザック様は微笑されるのみ。 優しく誘われるように手を差し出され、ドキッと心臓が跳ねる。 何馬鹿な事を。エドウィン様に裏切られてもう男など懲りたはず。 単にこの人は商品である私を買い、欲の発散に抱くだけなのだから。 

  • 孤高の元皇太子妃は、女性嫌いの魔術師団長に執愛される〜甘く濃厚に溶かされる夜〜   魔術師団長アイザックの誘惑(1)

     *** 「貴方の、1095日分を私が買いました。」 「え……………?」 この方は、今一体何と言ったの?  辺境にある娼館に送られてから私は、そこの男主人に色々と説明を受け、風呂に入り、薄い衣服を着用するようにと命令された。  まさにピンク色のシュミーズのような。 「いきなりだが、今夜客を取るからな。」 先に部屋で待機するようと、半ば背中を押される形で押し込まれた。  彼は私が元皇太子妃なのを知っているようだが扱いは雑だった。 狭くて薄

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