愛佳は好奇心旺盛で、気になったことは徹底的に調べるタイプの女性だ。例え相手が嫌がっていても、そのことに気づかずに執拗に聞いてくることもしょっちゅうだ。 15時の休憩や帰りに問い詰められたら困ると思ったが、そんなことはなく終わった。安心したが、なんだか拍子抜けだ。 (これはこれで落ち着かないけど、詮索されるより、ずっといいわ) 百合は軽く伸びをすると、徒歩で帰路を辿る。家に着くと、庭に秋明の車が見当たらない。どうやらまだ仕事をしているようだ。 家に入ると、マリがにこやかに出迎えてくれた。 「おかえりなさいませ、奥様。お荷物お持ちしましょうか?」 「ただいま、マリちゃん。お気遣いありがとう。でも、大丈夫よ」 「かしこまりました。何か飲みますか?」 「アイスティーをお願いしてもいいかしら?」 「もちろんです。お持ちしますね」 「ありがとう、とても助かるわ」 リビングに行くとソファに座り、長めに息を吐く。まだ慣れないが、自宅こそが安息の地だ。 「お待たせしました」 リラックスしていると、小ぶりのドーナツとアイスティーが目の前に置かれた。 「ありがとう、マリちゃん」 「いえ。ご夕食、今から作るのですが、リクエストはありますか?」 考えてみるが、特にこれといって食べたいものがない。冷蔵庫の食材を把握していないため、リクエストをするのも難しい。 「そうね、さっぱりしたものを食べたいわ」 「それでしたら、菜麺はどうでしょう?」 「サイメン?」「お野菜を麺状にカットしたものです。きゅうりやズッキーニなどで作るんですよ」 聞き慣れない言葉に小首をかしげると、マリは分かりやすく説明してくれる。 「健康的でいいわね。じゃあ、それをお願い」 「かしこまりました」 マリはぺこりと一礼をすると、キッチンに行く。 アイスティーを飲んでドーナツをかじると、自然と頬がゆるむ。あの双子は飲み物に必ずと言っていいほど、ちょっとしたお菓子をくれる。それが嬉しい。 ドーナツの優しい甘さに癒やさ
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