出勤すると、入口で藤堂が待っていた。「昨日の資料、ちゃんと眠れました?」 瑠衣は靴を脱ぎかけたところで止まった。「……資料ですか?」「はい」 藤堂は真顔だった。「大丈夫です」「ならよかったです。でも今日は無理しないでくださいね」 瑠衣は鞄を置き、昨日使った机へ向かった。 席につくと、今度は御厨が机の横に立った。「昨日動かした資料、戻してください」「すみません」「いえ。戻す場所はこちらです」 指された棚へ目を向ける。 昨日は同じように見えた背表紙が、今日は少しだけ違って見えた。御厨が示した位置には、青いファイルが三冊並んでいる。「左から二冊目です」「はい」 手を伸ばす前に、御厨が続けた。「その隣には触らないでください」「分かりました」 資料を戻す。 その直後だった。「そのファイル、表紙の紙が違いますね」 氷川がいつの間にか隣にいた。 瑠衣は藤堂、御厨、氷川の順に顔を見た。「……はい」 朝から、三人とも元気だった。 資料整理を始めてしばらくすると、また藤堂が来た。「お昼、ちゃんと食べますよね?」「はい」「昨日の昼も少なかったですよね」「見てたんですか?」「新人教育ですから」 真顔のまま離れていく。 その背後から御厨が手を伸ばした。「この資料だけは分類を変えないでください」「分かりました」「場所を覚えるまで、付箋を貼っても構いません」 御厨が一枚の付箋を置いた。「ただし、貼る位置は右上です」「……はい」 御厨が去る。 瑠衣が付箋を見つめていると、今
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