All Chapters of 「ボクとエッチしてください!」〜オレがイケメン童貞に迫られた件〜: Chapter 81 - Chapter 90

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第14話 やっぱり君と恋するんだ ⑦

*** 「……はぁー…、すごいキラキラな青春…。きっと生きていたら、ボクたちこんな出逢いだったかもしれないね…」 ボクは二人で作ったこのifの世界にうっとりとしていた。 「素敵だね…。智也くんなんてまるで少女漫画から抜け出てきた男の子みたいだった」 「いやいやトラだって!人を寄せ付けないオーラ持ってるイケメン男子なんてなかなかいないだろ?ただな、本当のトラそのままだと思うぜ」 「それは言い過ぎだと思うけど。周りに対して『ボクのことに触れないでくれ』と思ってたのが、寄せ付けないオーラになっていたかもしれない…」 「そこは頑固なんだな、ふははっ」 「あ、そうだ、LINEで『忘れ物持ってきて』って、これボクが行かなかったらどうするつもりだったの?留学前日だなんて急過ぎる!自分勝手!ボクならホイホイ行くと思ったんでしょっ!?」 ボクはムッとした顔を智也くんに向けた。 「こらこら、もしもの話で怒んなよ!まぁ、もしもトラがあの場に来なかったとしても、どっかで必ず『好きだ』って伝えるぜ。どんな出逢いだったとしてもオマエは特別になったはずだから」 「う〜っ、カッコ良くてズルいな!ボクだって『好き』って伝える」 智也くんの頭に顔をぎゅっとくっつけた。 「まぁ、もしもの話はちょっと綺麗過ぎる気はするけどな!」 「でもきっとさ、智也くんとなら絶対こうなるよ。恋する運命なんだよ」 「オレもそう思うぜ。幽霊にして恋に落ちたわけだしな。もし現実に生きてたら当たり前だな」 二人とも、幸せな笑顔だった。 ボクらは指を絡めて手を繋いだ。 どんな世界であっても、二人ならこうして手を繋ぐ未来があると信じられる。 「ねぇ…、ボクたちちょっと変わった出逢いだったけどさ、良かったよね」 ボクは噛み締めるように言葉にした。 「そうだな。トラが『ボクとエッチしてください』って思い切って言ってくれて良かったぜ!ふははっ」 「それはもう、血迷い過ぎだった〜」 「あの時は相当驚いたけどな!まぁ願ったり叶ったりだったからな、ふふふ」 恥ずかしさにボクのむくれた頬を指先で摘むと、嬉しそうにプニプニと何度も挟んだ。 智也くんと出逢ってまだ数ヶ月だと言うのに、随分経っている気がする。それくらい濃密な時間を智也くんと一緒に過ごしてきたってことなんだろう。 ボ
last updateLast Updated : 2026-09-28
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第15話 おはよう、また恋をしよう ①

「……んんッ!あっ、あっ、はっぅっ、も、ダメっ、イクッ…トラッッ!!」 智也の身体はギュッと硬直すると勢いよく白濁を自分の腹の上に放った。 智也のビクビクと痙攣する太腿を抑えて、ボクを求めて畝《うね》る腹の奥へ昂《たかぶ》りの全てを吐き出した。 「…アッッ!!はぁっ…、智也、智也好き…っ」 「…うッうッ…あっ、トラ…好…」 そのまま抱きしめあって、何度も深く唇を求めあった。 全てが溶けて混ざり合うそんな重なりに、ボクはまた鮮明な自分を取り戻すみたいだった。 そのままボクの腕の中でうつらうつら気持ちよさそうな智也くんを宝物のように慈しむ。 「…トラ、まじで一生、オレのもんでいろよ…」 半分寝言みたいに呟いた。 「うん、ちゃんとわかってるよ。智也くんも全部ボクのものだよ…」 ふっと目が開いて、幸せそうにボクの頬を撫ぜた。 「…また明日、智也くん。おやすみ…」 そう言って、智也くんの頬にキスをした。 *** もう朝日はとっくに昇り、微睡みの中いつもの遅い土曜の朝を迎えた。 昨夜一緒に眠りについたはずの幽霊のトラは朝日と共に、いつも通り消えてしまった。 ただ、昨夜愛を確かめ合った身体は、幸福感に満ちた気怠さに包まれていた。そして、トラの存在の証のように、オレの身体に残された赤紫の沢山の痕たち──。 「トラ、おはよー。いやいやキスマ残し過ぎだからな〜」 胸元の赤紫を撫でながら、一人きりの部屋にオレのニヤけた声だけが響いた。 午前中は溜まった洗濯物や家事をして、午後は最近通いだしたジムへ行き買い物をして帰った。 今日はオレが夕飯を作ることにしていて、トラの大好物、唐揚げの下味まで日のあるうちに仕込んでおいた。 「うん、絶対美味いはず」 そして、夕日の眩しさに目を細めながら夜が訪れるのを楽しみに待った。 待った。 トラを待った──。 すっかり暗くなった夜空を確認した。 「……トラ?おーーい、トラちゃーーん!?」 小さな部屋を隅々まで見渡した。風呂もトイレもベッドの下も、冷蔵庫の中まで。 「トラ!?…トラ??…トラ?……」 何度見回しても、何度名前を呼んでも見えないどころか、物音一つしなかった。 「…トラ、何か用事あるのか?…幽霊にも急用があったりする、かも
last updateLast Updated : 2026-09-29
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第15話 おはよう、また恋をしよう ②

*** オレはいつまで呆然と泣いてる気だろう…。 何周も回って、そんな気持ちが湧いてきた。 「……一生死ぬまで一緒にいるって…、死んだってずっと一緒だって言ってたくせに…」 濡れた頬を手でグシグシと雑に拭った。 「…あんな真面目なヤツのくせに、嘘付くようなことしてんなっ……」 悲しみと悔しと怒りと……もう自分でも分からないグチャグチャな感情に拳を握り、ガツッと自分の太腿を殴った。 「…おいっ、トラ…。ふざけんなっ…。そんなんな、オレが許すわけねぇんだよっ!」 「オレの方がオマエに取り憑いて離さないって言っといたよなっ?」 「…どんなことがあっても、絶対見つけてやるからなっ!待っとけっ!!」 オレは立ち上がり、あっという間に部屋から飛び出した。 星空の下、オレは全力で走った。 目に映るのは二人で歩いた道、いつも行くスーパー、カフェ…。トラはあたり前のように何処にもいなかった。 オレは今そこに悲しさを求めるつもりもなく、諦めるつもりもない。 とにかくやれることをやる。 「──あ、影山くん?急用なんだ。悪いけど、あと10分しないで家に行くから──」 電話を切ってスマホをポケットに突っ込みまた走り出した。 駅の向こう側へ渡って路地に入る。その先にある、影山くんの家に少し近道になる墓地の入口から入った。 初めてトラと来た時は2人して戦々恐々としながらノロノロ歩いた墓地だったが、そんな薄気味悪
last updateLast Updated : 2026-09-30
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第15話 おはよう、また恋をしよう ③

「今日いなくなったんですか?」 「そう。夜になって現れなかったんだ」 「うーん…。そんな日もあるのかもしれない気もしますが…」 「オレが作る唐揚げの日だぞ?トラの大好物だ。現れないなんて、何かあったとしか思えない」 「なるほど。恋焦がれる西口くんの存在と大好物の唐揚げ…。幽霊って欲に動かされやすいはずなんですよね…」 「ちょっとなーくん、幽霊のことそんな風に思ってるの?」 涼《すず》ちゃんは腕を組み影山くんを上から見下ろした。 「あ、まぁ、一般論というか、ボクの体感というか…、えーーと」 影山くんは涼《すず》ちゃんには弱く、しどろもどろだった。 「体感ねぇ…。それは後でまたなーくんには実感してもらうとして、でも確かにアンタから感じてもいいはずの、あの子の影みたいな執着が強く感じられないのよね…」 「そこは執着の強い幽霊同士、涼《すず》の方が僕よりわかりそうだね」 「一括りにし過ぎだわ、なーくん。アタシの執着300年、前前前世からみたいなもんだからね。あの子の執着なんて昨日からみたいなもんだわ。ヒヨッ子よ!…でも、まぁ、あの子なりの執着の強さも知ってるんだけど…」 「今の今、トラの執着がオレに対して弱いってことか?」 「そうね、あの子だったらアンタが一人の時でも雁字搦《がんじがら》めにしてそうだもの」 「どうにかトラの居所…、いや、何か些細なことでも良い、わかること教えて欲しいんだ」 「アタシもそう思って、さっきから色んな方向から試してるんだけどね…」 いつもと違っ
last updateLast Updated : 2026-10-01
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第15話 おはよう、また恋をしよう ④

「はい。蘭子さんならもしかしたらわかるかもしれません」 「ばぁちゃんか。……ちゃんと天国に、いるんかあの人?」 急にボコッと頭を叩かれた! 「このっ!天国に決まってるだろう!口の減らんヤツめっ!」 振り向くと蘭子ばぁちゃんがフワフワと浮いて現れていた。 「ばぁちゃん!」 「ああっ、また呼ぶ前に出てこられましたね…」 影山くんは困惑した顔になった。 「ばぁちゃんどうせ話聞いてたんだろ?トラ、そっちにいるかわかんないかな?」 「こっちの広さは地球どころじゃないからな。天国事情は1部しかわからん。ただ、わかる中で言えば、いない」 頭をゆっくり左右に振った。 「そっか…。でも、いないってことは、まだこっちにいる可能性があるってことだよな」 「そうですね。可能性は残されてますね」 「何か手掛かりがないもんかな〜…」 オレは頭をクシャクシャっと掻いた。 「でもさ、ばぁちゃんは天国からヒョイヒョイこっちに戻ってこれるわけじゃん?トラが成仏しててもこっちに来れるなら問題ないんじゃねぇの?」 「西口さん、おばぁ様がこちらに来れてるのは、僕の力が助けになっているからだと思われます」 「そうよ、なーくんの力よ。それに大した時間居れないはずよ。ゆっくりアレもコレもする時間なんてないわよ」 「可愛い顔して随分意味深なこと言う子だね。最近の子はこんななのかい?」 ばぁちゃん
last updateLast Updated : 2026-10-02
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第15話 おはよう、また恋をしよう ⑤

「あの子だ、そう、あの子」 ばぁちゃんは遠くを見つめて、小さく何度もうなづいた。 「……ばぁちゃん?」 「思い出したぞ、智也。あの子、オマエとよくマウントの取り合いみたいな事をして戯れ合っていた子だろう?」 「そう!そいつトラ!何でばぁちゃんが知ってんだよ」 「ああ、よく美彩子《みさこ》の代わりに私が智也を習い事に連れて行ってたからね。トラくん……、なるほどだね」 「かぁちゃんの代わりか!」 「そうそう、美彩子も忙しかったからね。そう言えば、練習の間、トラくんのお母さんとは何度も話したことがあって、確か、みどり台小学校で……、ん〜ん……、そう、ひばりの丘駅のサンロードストアの隣に住んでるって言ってたはずじゃ」 「それは初耳だ。ばぁちゃんナイス!」 「ご実家で何かわかるかもしれないですね」 「そこから何か辿れるといいわね。まぁいきなり『お付き合いしている者です』とか口滑らすんじゃないわよ。アンタ馬鹿だからさっ」 涼《すず》くんは優しい笑顔だった。 「おう、そうだな!気を付けるぜ」 「私も出てきた意味があったようだね。頑張んなさい、智也。大事な人なんだろ」 「まあな!どんな事があっても一生、いや、死んでも一緒にいるって決めてるからな。ばぁちゃん、サンキューな」 「あははっ!良いね、私の孫らしい。頑張んな、智也」 「おお、ばぁちゃん!影山くんも涼《すず》ちゃんもありがとな」 「力になれて良かったです」 「何かあったらまた来ても
last updateLast Updated : 2026-10-03
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第15話 おはよう、また恋をしよう ⑥

*** 真っ暗な自宅に戻ると、静寂がどっと押し寄せた。 トラのいないベッドで寝るなんていつぶりだったかな…なんて浮かんでくる。 いつもの狭くてぎゅうぎゅうの、でも、陽だまりみたいに暖かなベッドが恋しい。 トラの体温が無いここで、寝れるのだろうか──。 『──と、─も、──ともや、──智也くん!智也くん!』 『ボクはここだよ!ここ!ここにいる!智也くん!』 『智也くん!智也くんっ!智也くんっっ!!──』 「──トラッッ!!」 ガバッと飛び起きた。 「はぁっ、はぁっ…」 心臓がバクバクと早鐘のように鳴り、息は上がり苦しかった。 トラが必死でオレを呼ぶ姿が、まだ脳裏に残っっていた。 カーテンの隙間から、眩しい朝日が差し込んでいた。オレは知らずに寝ていたようだった。 「早くトラを見つてやらないと…」 熱いシャワーを浴びてから、トラの実家に向かった。 *** 電車を何回か乗り換えて、ばぁちゃんに教えてもらったトラの実家がある最寄り駅までやってきた。 まだ活気のある商店街のアーケードを抜けると、ばあちゃんが言っていた「サンロードストア」があった。地元のスーパーといった小規模なスーパーだった。 「…ここの隣か…」 スーパーの建物に沿って角を曲がりキョロキョ
last updateLast Updated : 2026-10-04
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第15話 おはよう、また恋をしよう ⑦

*** そこはかなり大きな病院だった。オレは面会の受付を済ませ、やけにゆっくりに感じるエレベーターで落ち着かない気持ちを抑えて上階へ上がった。 「あ、庄司さんのお母様から伺ってます。部屋は1001です。この奥です」 ナースステーションに声を掛け指で示した方へ。1001号室は廊下の1番奥の部屋だった。 オレはドアに手を掛けたが一瞬躊躇した。 喉はカラカラなのに、扉の前でゴクリと唾を飲み込んだ。 思い切ってドアを開けた。 目に入った白いベッドへ足が縺《もつ》れるように駆け寄った。 「……トラッ!?」 そこには男性が寝入るように横たわっていた。 ぱっと見、本当にトラなのか分からなかった。 長めに伸びた黒髪。オレの知ってるトラよりも痩せて見えた。 しかしすぐに、輪郭も小さなホクロの位置も、オレの中でしっかりトラと重なった。 「トラッ!!」 「トラ…、トラ……。オマエなんだな…」 喜びか何なのか分からないごちゃまぜな感情に、勝手に涙が零れ落ちた。 「……うっ……、トラ……、どういうことだよ……。生きてるって言ったって、こんな……」 耳元で名前を呼んでも、話しかけたって、まるで起きる気配がなかった。 オレは生身のトラの頬にそっと手を当てた。初めて触れたトラの頬は
last updateLast Updated : 2026-10-05
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第15話 おはよう、また恋をしよう ⑧

影山くんが珍しく落ち着かない様子で病室へ入ってきた。 「影山くん悪りぃ。連絡しちまって…」 トラの居場所がわかって、すぐにLINEを入れておいた。 「いや、驚いたよ。生きてるってどういう事なのかと思って…。でも、見つかって良かった」 すると、影山くんの背後からブツブツ言いながら、涼《すず》ちゃんがするりと現れた。 「…病院って所は気が滅入るわね。こういう所って嫌いだわ」 「ああっ、涼《すず》ちゃんも!?」 「涼《すず》も行きたいと言って…」 「何か変わったモン見れそうって思っただけよ」 いつもの調子でツンとして見せた。 「二人とも心配して来てくれてありがとうな。涼《すず》ちゃん、影山くんちから出られるんだな」 「なーくんの力があるからよ」 「でもそこに、涼《すず》の行きたい気持ちがなければ無理だよ」 「生きてるって、どういう事かと興味があっただけ…」 「素直じゃないんだからな、涼《すず》は」 そう言われて涼《すず》ちゃんは小さく鼻をフンと鳴らし、トラを覗き込んだ。 「ねぇそれより、この子起きないの?生きてるんでしょう?」 「意識が何年も戻らないらしいんだ…」 「なるほど。幽霊のトラくんは、生霊だった可能性が高いということですね」 「道理で普通の幽霊より存在感があったのね。…強い子。余程の未練があったか、迷子ちゃんだっ
last updateLast Updated : 2026-10-06
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第15話 おはよう、また恋をしよう ⑨

*** 本堂の時のように本格的な準備はとても出来なかった。 今回は本当にみんなの力の集約に掛かっている。 4人でトラを囲んだ。影山くんは右手に数珠を掛け、祈るような形をとり、左手で涼《すず》ちゃん、その次にばぁちゃん、そしてオレと順に手を繋いでいく。最後にオレはトラの手を取り、しっかりと握った。 影山くんがブツブツとお経らしきものを唱え始めた。 全員が目を瞑った。 病室の空気が徐々に緊張感で張り詰めていくのを感じた。 息苦しいほどの力が身体に押し寄せて来る。そして、その力を全員が解き放つように、声を合わせ真言を唱える。 影山くんは真言一語一語をトラへ宿すように、数珠をトラの額に押し当てる。 「…──列・在・前ッッ!!」 最後の真言に、部屋中の空気が打ち震えるような漲《みなぎ》る力を感じた! その瞬間、部屋中が光に包まれ、トラの身体が衝撃を受けたように跳ね上がった。 『頼む!トラッ!来いっ!帰って来いっ!!』自分の心の声が反響するみたいだった。 トラの表情が歪んだと思うと、体は力無くバタリとベッドの上に落ちた…。 『失敗かもしれない』 そんな落胆した、ため息混じりの顔になった時だった──。 「……あ、あ…」 トラが小さく呻き、ゆっくりと瞼が開いた。 「…ト、トラ?トラ?」
last updateLast Updated : 2026-10-07
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