「トラくんは、ちゃんと西口さんの体から出たいと思ってますか?」 ボクはその言葉にドキリとした。 「そ、それは勿論、勿論です」 頭の中で生きていることの喜びを感じてしまったさっきの自分を押し込めた。 「そして、西口さんもです。必死に戻りたいと思ってませんよね?」 「いや、戻りたいよ。ちょっとおもしれぇとは思っちゃってるけどな」 「それじゃ、ダメです!」 「うわっ、オレのせいか〜!すまん、トラ」 「ボクだって、必死とは言えなかったかも…」 智也くんの命がかかっているかもしれないのに、浮ついた気持ちがあったことは確かだと思うと、自分が腹立たしかった。 そんな自分の気持ちを言わない卑怯な自分にもだ。 「トラ、そんな難しい顔するなって。大丈夫だ、上手くいくから」 ボクの頭を抱え、優しく撫でてくれた。 ボクは智也くんの肩越しに情けない顔を埋めた。 「…ごめん…」 「トラが謝ることなんてないぞ、気にしてんな」 「ふーん、アンタって、単細胞だけど、そういうところ男前よね」 「お!こりゃ姫にお褒めいただき恐悦至極だな!わはははっ!」 「あの、1回チャレンジしてみましょう」 「そうだな。夜が明ける前に何とかしたいな」 「影山さんお願いします。ボク、ちゃんと智也くんから出ていきます」 「2人はとにかく元に戻る思いを強く持ってください」 「了解だ!」 「はい!」 「なーくん、こんなの早く済まして2ラウンド目しようねぇ」 涼くんは影山さんに纏わりついた。 「え!?オマエら一発やったんか?」 「この前アンタが言ったんでしょう〜?『次回は一発やって鎮めてからで頼むわ!』って!」 「わぉっ、そこは素直なんかっ!それにしても、急に生々しいな…」 「す、すみません…。涼《すず》、我慢出来なくなってしまったら不味いと思ったので…」 すると影山さんは頬を赤らめ、そそくさと準備を始めた。
Last Updated : 2026-09-18 Read more