All Chapters of 「ボクとエッチしてください!」〜オレがイケメン童貞に迫られた件〜: Chapter 71 - Chapter 80

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第13話 幽体離脱!?ボクたち入れ替わってるぅ!? ⑥

「トラくんは、ちゃんと西口さんの体から出たいと思ってますか?」 ボクはその言葉にドキリとした。 「そ、それは勿論、勿論です」 頭の中で生きていることの喜びを感じてしまったさっきの自分を押し込めた。 「そして、西口さんもです。必死に戻りたいと思ってませんよね?」 「いや、戻りたいよ。ちょっとおもしれぇとは思っちゃってるけどな」 「それじゃ、ダメです!」 「うわっ、オレのせいか〜!すまん、トラ」 「ボクだって、必死とは言えなかったかも…」 智也くんの命がかかっているかもしれないのに、浮ついた気持ちがあったことは確かだと思うと、自分が腹立たしかった。 そんな自分の気持ちを言わない卑怯な自分にもだ。 「トラ、そんな難しい顔するなって。大丈夫だ、上手くいくから」 ボクの頭を抱え、優しく撫でてくれた。 ボクは智也くんの肩越しに情けない顔を埋めた。 「…ごめん…」 「トラが謝ることなんてないぞ、気にしてんな」 「ふーん、アンタって、単細胞だけど、そういうところ男前よね」 「お!こりゃ姫にお褒めいただき恐悦至極だな!わはははっ!」 「あの、1回チャレンジしてみましょう」 「そうだな。夜が明ける前に何とかしたいな」 「影山さんお願いします。ボク、ちゃんと智也くんから出ていきます」 「2人はとにかく元に戻る思いを強く持ってください」 「了解だ!」 「はい!」 「なーくん、こんなの早く済まして2ラウンド目しようねぇ」 涼くんは影山さんに纏わりついた。 「え!?オマエら一発やったんか?」 「この前アンタが言ったんでしょう〜?『次回は一発やって鎮めてからで頼むわ!』って!」 「わぉっ、そこは素直なんかっ!それにしても、急に生々しいな…」 「す、すみません…。涼《すず》、我慢出来なくなってしまったら不味いと思ったので…」 すると影山さんは頬を赤らめ、そそくさと準備を始めた。
last updateLast Updated : 2026-09-18
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第13話 幽体離脱!?ボクたち入れ替わってるぅ!? ⑦

*** ボクと智也くんは影山さんの言う通り、しっかりと手を繋ぎ座った。 影山さんは部屋の四方に盛り塩を置き、ボクたちの前に線香を立てて数珠を手に巻いた。 線香の煙がボクたちを包み、燻されているように苦しくなった。 すると影山さんは目の前に立ち、ブツブツと何かを唱えながら、力強く印を結んだ。 「はぁーーっっ!!」 一喝するようにボクの背中をバシッと掌で叩いた。 ボクは一瞬頭が真っ白になり体が軽くなった気がした……。 「あぁ、失敗です…」 影山さんが顔を顰《しか》めた。 「いや〜〜!惜しかったよ、影山くん。トラの上半身が一瞬飛び出てた!すぐに戻っちまったけど」 「思った以上にトラくんが深く入り込んでしまっているみたいです」 「アンタ、彼の中に入りたがり過ぎなんじゃぁないの?ふふふ」 「ボ、ボクはそんな下心とか…えっと…」 「バカだなトラ!真に受けてんな!」 「と、とにかく、どんな理由にせよ、ここでは限界がありそうなので、本堂でやってみましょう。あそこなら、僕の力ももっと出るはずなので」 影山さんは自分の言葉に納得するようにコクコクと頷いた。 「最初からそうしたら良かったんじゃねぇの?」 「力が出せる分、危険もあるんですよ」 「危険かぁ…。それ少しでもどうにかならんの?」 「そうですね…」 影山さんは考え込んでしまった。
last updateLast Updated : 2026-09-19
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第13話 幽体離脱!?ボクたち入れ替わってるぅ!? ⑧

*** 薄暗い本堂には幾つかの仏像が祀られており、荘厳な空気に圧倒される。静けさに包まれ、ピリリと背筋が伸びた。 そして、袈裟を着た影山さんが現れた。 「しっかり坊さんやないかい!」 「でも、かなり生臭だよね」 「なーくんかっこいい」 智也くんはツッコミ、涼《すず》くんはうっとりして見せた。 「修行の身ではあるのですが、形も大切なので。まずは、西口さんのおばぁ様を呼び出しましょう。おばぁ様のお名前は?」 「ばぁちゃんの名前は『蘭子《らんこ》』だ」 「素敵な名前だね」 「かき乱す方の『乱』の方が合ってんだけどな」 瞬間、強い風が吹いた。 「誰がかき乱す方だって!?智也は小さい頃から一言多いんだよ!」 大きな声が本堂に響いた。声の方を見上げると、女の人が浮いて現れた。 いや、幽霊が現れた。 「げっっ!!ばぁちゃん!!まだ、召喚されてねぇから!」 「驚きです。こんな自主的に現れる方いるんですね」 「アタシのライバルになりそうなのが出てきたわねっ」 影山さんは顔を引き攣《つ》らせ驚き、涼《すず》くんは怪訝そうに睨んだ。 「智也くんのおばぁさんなの!?すっごい若いよ?」 「ちょっと補整掛けてる気はするけどな、ばぁちゃん若見えだったか──」 すると智也くんの言葉を遮り蘭子さんが話し出し
last updateLast Updated : 2026-09-20
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第13話 幽体離脱!?ボクたち入れ替わってるぅ!? ⑨

** 「──…ら!…ラ!……トラッッ!!」 ボクははっとして目を開いた。 そこには智也くんの顔があった。 「トラ!わかるか!?おい、トラ!」 「……。…ともや、くん…」 声を絞り出した。 「トラ!良かった!!」 「…智也くん、泣いてるの…?ふふ、顔クシャクシャだ」 智也くんはボクをぎゅうっと抱きしめた。 「トラ、成功だ!オレたち戻ったぞ」 「…うん、智也くんだ…」 智也くんの濡れた頬に手を伸ばした。 「…あったかいね…」 ボクは智也くんに微笑んだ。 智也くんは頬にあるボクの手に手を重ねた。 いつも通りの智也くんに戻っていた。そしてボクも、いつも通りのボクに…。 ただ隣にいたい。それは自分の願いだ。 だから、これで大丈夫。ずっと隣で笑っていよう。 智也くんと──。 「こらこら智也!そのままキスしだすなよ、世話の焼けるお二人さんが!ほんとに智也は昔から手が掛かること…ブツブツ」 「ほんと、人の接吻とか見る趣味ないからやめなさいよアンタたち」 「涼《すず》ちゃんと影山さんじゃあるまいし!ってか、ばぁちゃんにオレたち付き合ってんのバレてるじゃん!」 「す、すみません、ボク、智也くんとお付き合いしてる庄司虎泰《しょうじとらやす》です。
last updateLast Updated : 2026-09-21
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第14話 やっぱり君と恋するんだ ①

ボクが作った夕飯を食べ終わり、智也くんとベッドの上でゴロゴロと寛いでいる。そんないつもの、ボクらの大切な時間。 「なぁ、トラは生きてる時、どんなヤツだったんだ?」 「ボク?んーー…。まぁ、真面目だったかなぁ。クールというか周りから一歩引いていたかも。色々踏み込まれたく無いみたいな…、たぶん臆病だったからかな」 「へぇー、クール、なるほどな。今はオレに踏み込まれまくりだな、ふふ」 「こんな、全部見せてるのは智也くんだけだよ」 智也くんは満足気に目を細めた。 「だろうな。オレも同じだからな」 「ええ?智也くんに裏表なんてないでしょ?身体を知ってるのはボクだけだろうけど…」 「オレの身体はそりゃオマエしか知らないだろ!初めて同士だったんだからな。…って、そういう話じゃなくてだなー…」 「ふふふ、ボクは小学生まで本当に目立たない大人しい子だったと思うよ。中学では、身長が伸びてバレーボールやってたな。勉強は出来た方で、まぁでもやっぱり身長以外は目立たなかったな。高校では膝を怪我して高2でバレーは辞めちゃって、それからはしっかり勉強してたよ。大学はそこそこいい所入って、とにかく安定した職を考えてたかな…。友達は多く無く、恋愛無く…。ちょっとつまらないヤツだった」 「しっかりしたヤツだったんじゃない?」 「でも、今がボクにとっては最高に楽しい。何度も思うけど、あのままだったら、智也くんとも出会えなかったと思う」 「もしも、生きてたらどんなだったんかな?」 「そのまま変わらず地味にコツコツと進んだだけかなー」 「じゃあもし、オレと再会してたら
last updateLast Updated : 2026-09-22
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第14話 やっぱり君と恋するんだ ②

*** 大学1年、ゴールデンウィークも終わり、課題に終われながらも大学生活に慣れた頃だった。 ボクはいつも通り、課題のために学内の大きな図書館へ来ていた。 自習室を兼ねた読書コーナーに数人で使える楕円のテーブルが幾つも点在している。 ボクは資料になる数冊の本を探してその1つの席に着いた。 資料の本に目を通し始めると、急に隣から図書館には似つかわしくない大きさの声が響いた。 「──ねぇ、その本、次オレが借りたいんだけど」 声の主は、左の席にドサッと荒く座った。 「え?ええ!?ボクに言ったんですか?」 ボクは怪訝な顔で小さな声で囁いた。 「そう、キミに言った」 やっぱりまた大き目の声で、ボクは慌てて人差し指を唇に宛て、ジェスチャーで「しーーっっ!」とやって見せた。 「おう、悪い悪い…。これでも小さいつもりだった」 そう答えた彼の顔を見ると、切れ長の目が印象的な格好良い顔立ちの男性だった。 ボクは一瞬心臓がキュッと苦しくなった気がした。 「あの、オレも課題で使いたいんだ。タッチの差でキミが持って行ってしまってさ」 今度はボクに顔を寄せて声のボリュームを落とした。 「あ、ああ、そうなんですね。たぶんこの本何冊か所蔵されてると思うんですが…」 「うん、それは調べたよ。どれも貸出中だったからここに来た。使い終わるまでここで待つ」 足を組んで気怠そうに背もたれにもたれた。
last updateLast Updated : 2026-09-23
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第14話 やっぱり君と恋するんだ ③

*** 梅雨に入っていた。 西口くんとは必修講義が幾つか重なっていて情報共有しようと言われてLINEを交換したり、駅前の安くて美味しい店の話からどの辺に住んでるなんて話しをして、距離が近付いていた。 ボクは柄にもなく将来についてなんて話してしまっていた。安定と高収入を目指して公認会計士を目指そうとしているなんて初めて人に話したし、西口くんはロボット研究のために留学を考えているなんて言っていた。そこはちょっと眉唾物だとは思って、話3割で聞いていたけれど楽しかった。 学食でそんな話を今日もしていた。 「──トラは堅実だよなー。オレはチャレンジしたいタイプだな」 西口くんはカツカレーをほうばった。 「西口くんと話していると、人生設計なんてしてるのがつまらなく感じてくるな」 「何に重きを置くかは人それぞれなんじゃねぇの?オレが最終的に目指すとしたら、誰かと一緒に同じ幸せを体験していくってことかな」 「そうなんだ。なんか意外だよ。ただ突き抜けていくみたいな人だと思った。そんな普通の幸せみたいなのが目指す所なんだね…」 「自分のやりたいことは一人でやっていけばいいことだからな。まぁ、逆に出逢えなければ、幸せどころか時間を共有することさえ1秒だって出来ないわけだから、奇跡みたいなものだと思ってるよ」 「奇跡か…、確かに…。でも、西口くんはモテそうだから、奇跡と言わなくても見つかるんじゃないかな」 「相手に想われても、自分がその人のことを想えなければ意味ないからな…、そこは思った以上に壁が高いんだぜ」 「西口くん理想が高いんだね?」
last updateLast Updated : 2026-09-24
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第14話 やっぱり君と恋するんだ ④

「この前も、オマエの後ろの方で女子2人がキャッキャッしてたぜ?『やだ〜、ムリ〜、話しかけられないよぉ〜』とか言ってたぜ」 智也くんは上目遣いに目をキュルンと丸くさせ、裏声で女の子を演じて見せた。 ボクはますます困惑した顔になった。 「ボクのことで?全然わからなかった…」 「オマエたぶんミュートしてるだろ?壁を作ってるんじゃねぇの?たまに呼んでもガン無視の時あるぜ」 「ええ?ほんとに?…ごめん」 このことにボクはちょっと思い当る節があった。 小学生の高学年の頃には、男を意識する自分は周りと違うことがわかってきて、バレるのが怖くてその頃から周りとは壁を作ってしまっていた。 「まぁ、トラがそれで困ってないんだったら、いいんじゃねぇ?オレは色んな生き方あって良いと思うからな」 この言葉にボクは救われた気がした。 「西口くんって、思ったよりいいヤツだよな」 「思ったよりって、こんだけ仲良くなっておいて結構失礼だな!わははっ!」 「ああ、ごめん!そういうことじゃなかったんだけど…。そうだね、ボクたち仲良い…ふふふ」 ちょっと心がくすぐったかった。 「そろそろ教室行こうか?」 「お、そうだな。1号館まで移動距離結構あるからな」 学食がある棟を出るとさっきまで晴れていたはずが、空は暗くなりしっかり雨が降っていた。 「うわっ、雨降ると思ってなかった。傘持ってきてないぜ」 「ボク折り畳み傘持ってるよ。待って、今出すから」
last updateLast Updated : 2026-09-25
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第14話 やっぱり君と恋するんだ ⑤

*** 7月に入り、梅雨明け前の晴れた日は、もう真夏のように暑かった。 「あ、西口くん、こっち」 図書館のテーブルからキョロキョロとボクを探しているであろう西口くんに手を振った。 「おう、トラ、こっちだったのか。席サンキュー」 ボクは自分の隣の席にリュックを置いて西口くんの席を確保していた。 「最近オレが来るの待ってくれてるな」 「そ、そんなつもりでもなかったけど…、最近いつもだからなーって思っただけ」 ボクは気恥ずかしかった。西口くんのことを好きと気付いてしまってから、自分から声を掛けたり、こうして自分の隣の席を確保して待つなんて、ちょっと浮かれていて自分らしくなかった。 でもやっぱり、少しでも一緒にいたいと思った。 「今となっては隣がしっくりくるよな!」 西口くんがどういうつもりで言ったのか真意はわからないけれど嬉しかった。 お互いの課題、レポートを交換して読んでチェックし合う。 「今回のもいいと思う。トラは誤字脱字もほぼ無いよな」 「西口くんの切り口は毎回面白いよね。ボクでは思いつかないよ」 「講師によっては酷い点数付けられる時あるけどな!」 「それはちょっと心が狭いと思ってしまうね」 「まぁ、いいさ。買ってくれる人もいるしな。オレ流で行くだけだ。9月からアメリカに留学も決まったし」
last updateLast Updated : 2026-09-26
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第14話 やっぱり君と恋するんだ ⑥

*** 試験期間も西口くんのことが頭から離れることはなく溜息ばかりだった。 そのまま夏季休暇に入り、大学には行くこともなくなった。バイトと自分の部屋だけを行き来するだけだった。 時々スマートフォンを開いてはLINEの通知が来てないか確認する。自分で突っぱねるようなことを言っおいてボクは馬鹿だ。馬鹿で臆病だ。 もうすぐ西口くんは日本からいなくなってしまう。なのに、ただ焦りだけを抱えて苦しさに苛立っていた。 その時不意に、机の上に置いたスマートフォンが震えた。 急いで確認すると、西口くんからだった。 ──明日発つ。オレの忘れ物届けて欲しい。 その続きには、空港の待ち合わせ場所と時間、便名が書いてあった。 「明日か……」 ボクは行っていいものか悩んだ。 「…ん?忘れ物って何だ?」 ボクが何か西口くんの物を持ったままってこと?考えても直ぐにはピンと来なかった。 ボクは1晩考えて、会いに行くことを決心した。 後悔はしたくない。 *** 夕方にはまだ時間があった。ボクは西口くんがLINEに書いていた約束の場所、展望デッキに早目に着いていた。 離発着の飛行機が大きなエンジン音と共に目に入る。 飛び立つ飛行機を見て、別れが迫っている現実をひしひしと感じた。心が押しつぶされそうだった。 ここに来るまでに、まだ心の整理なんて出来ていなかった。 今から旅立ってしまう、ボクの前から去ってしまう人に会ってどうするんだろうか。 ボクはどんな顔で、どんな心で西口くんに会えばいいんだろう。『好き』という気持ちに、ただ押されるように来てしまったんだ。本当にこんな、ただ感情の赴《おもむ》くままにだなんて、自分で自分が理解出来なかった。 考えが頭の中でグルグルとした。呆然と、ただ目の前の景色が映っていた。 すると不意に、後ろからドサッと体をぶつけられよろけた。 「よっ!トラ!お待たせ」 振り向くと笑顔の西口くんだった。 太陽の陽射しに、西口くんがやけに眩しかった。 「西口くん…」 「わざわざ悪いな。なんか久しぶりになっちまったけど元気だったか?」 「ボクの方こそ、連絡しなくて…」 「ま、お互い様だな」 「…ああ、そうだ。忘れ物って、これしか思いつかなくて」 ボクはポケットから
last updateLast Updated : 2026-09-27
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