朝の光が差し込む。 ジェイドの部屋で、セラはジェイドのシャツを一枚着て、鏡の前にいた。朝の光が、シャツの下にのびるセラの太腿を照らしている。 「ジェイドのシャツ、大きいです……」 「セラ、その姿は、あんまりかわいい」 ジェイドが後ろに立っている。シャツの裾をめくりあげようと企んでいそうな彼の手を、セラはくすくす笑いながら阻止した。 昨日着ていた寝衣がすっかり汗でぬれてしまったので、ジェイドが眠るまえに着せてくれたシャツだ。セラにはぶかぶかで、袖先は手先よりもずいぶん先にぶらんと伸びている。なんだか面白かった。 それから、ふたりでソファに座り、机の上に置かれたものを一緒に見た。 不思議なものがいくつか机の上に置かれている。それは、角のない綺麗な円形の球体だった。 ガラスのように透明で中が透けてみる球体で、表面には薄く、不思議な虹色の輝きが揺らめいている。指先でそっと触れてみると、硬い鉱物のような冷たさはなく、果実の皮のようにほんのわずかな柔らかさと弾力があった。 球体の中には、何かが閉じ込められている。 閉じ込められているものは、透明な球体のなかに、まるで空間の真ん中に固定されているように、ぴたりと浮かんだまま動かない。セラが両手で球体を持ち上げ、ゆっくりとひっくり返してみても、中のものは固定されたまま、その中央に留まり続けていた。おかげで、裏側の細かな形状までつぶさに観察することができる。 「これは、魔力を閉じ込める性質をもつ魔道具だよ」 ジェイドが別の球体を持ち上げながら言う。 彼の指先が、球体をやさしく撫でた。 「中は、魔力を遮断するための魔力で満たされてい
最終更新日 : 2026-09-25 続きを読む