暖かく心地いい布団に包まれ、ふわふわのマットレスに身を沈め、眠る。全部が全部、ふわふわで最高だ。…最高なはずなのに。どうしてだかとても苦しい。前から温かくて硬い何かに締め付けられているような、そんな感覚がする。「…ゔ」あまりにも息苦しいので、目の前の何かをぐっと押し、何とか離れようとした。だが、それはびくともしない。…何なんだよ、もう。さすがにここまでしていると、もう目が覚めてしまった。そして私はすぐに自分の置かれている状況を把握した。「…」ーーー今日もか。私を力強く抱きしめている相手を睨む。しかしその相手、ユリウスはこんなにも私に押されていたというのに、未だに気持ちよさそうにまぶたを閉じており、すやすやと眠っている。…本当、安眠妨害だ。窓から差し込む太陽の光を吸い込む黒髪に、そこから覗く美しく整った顔。この恐ろしいほど綺麗な男は、今日も何故か12歳の私の時と同じように、19歳の私とも一緒に寝ていた。リタに襲われ、ユリウスたちに助けられてからもう1ヶ月が経った。あれからリタとルードヴィング伯爵は様々な罪で帝国管理下の地下牢へと投獄された。私の命を狙う者はもういない。帝国外へと逃げる必要もなくなった。その為、私はここ、ミラディア帝国に残ることを決めた。犯罪ギリギリ、ほぼアウトな方法で外へ出るよりも、出た後に自由ではあるが苦労することが目に見えている生活よりも、普通に帝国内に留まった方がいいと思ったからだ。そして帝国内で暮らすことを決めた私が新たに生活する場所に選んだのが、フランドル公爵邸だった。…まあ、選んだというよりも、選ばざるを得なかったって感じだが。私の今の名前は、ステラ・フランドルだ。少し前まで
Dernière mise à jour : 2026-09-28 Read More