「…はぁ!」 走り続けること数分。 やっと辿り着いた地下室へと続く扉の前で、私は渾身の力で剣を振るっていた。 狙うは、鍵穴のすぐ下の木目の部分だ。 同じ箇所に何度も何度も剣を下ろし、傷を作っていく。 それを繰り返し続けると、小さな傷はどんどん大きくなり、ボロボロになっていった。 ここまで来れば、あと一息だ。 「…よし。はぁっ!」 脆くなったそこを、ひと思いに踏み抜く。 するとバーン!っと派手な音と共に、大きな穴が空いた。 そこから腕を入れ、内側から鍵を回す。 ーーーカチャン。 鍵が開いた。 やっとの思いで、この大きな扉を開けると、薄暗い地下室へと続く階段が現れた。 この先にユリウスがいるはずだ。 額に滲む汗を拭い、息を整える間もなく、一気に階段を駆け降りる。 そして辿り着いた先には、まるで地下牢のような場所が広がっていた。 しかし、地下牢といっても部屋の一角が鉄格子で仕切られているだけで、劣悪な環境だというわけではない。 アリスがコレクションを保管していると言われている場所だけあって、ここはとても清潔で洗練された美しさのある場所だった。 鉄格子の向こうに、ユリウスはいた。 「ユリウス!」 立派な1人掛けのソファに、力なく座るユリウスを見て、思わず声を上げる。 「…ス、テラ?」 私の声に、ユリウスはぼんやりとした表情で、顔を上げた。
Dernière mise à jour : 2026-09-04 Read More