ギョンシンの目に映る老人の姿は、まるで時空を超越したかのような、言い知れぬ神秘感をまとっていた。深々と被った帽子のせいで頭を丸めた僧侶なのかどうかすら判別しにくく、僧服ではなく普段着の生活服だったため、一層混乱を招いた。「テハさん、あの方角はもしかしてこちらの僧侶の方でしょうか? それともファヤのお母さんのように、このお寺を訪ねてこられた方ですか?」 「さあな。」ギョンシンとテハは互いに視線を交わした後、しっかりと手を繋いで一歩、二歩と老人へと近づいた。老人が放つ気配は間違いなく尋常ではなかった。ギョンシンとテハが自分の家の庭であるかのように過ごしていても、老人は全く気にする様子がなく、驚く気配すらなかった。まさにその時、バニャや連れ合いはもちろん、どこから現れたのか子犬たちまで老人のほうへ駆け寄り、激しく尻尾を振り始めた。「犬たちが、あの方のことがすごく好きみたいですね。」コッコとムムは生まれて初めて見る人物のはずなのに、何がそんなに嬉しいのか全身を揺すって老人を歓迎していた。いずれにせよ老人の正体を推し量ったテハが先に歩み寄り、頭を下げた。「事情があって、こちらのお寺でお世話になっております。」 「もしかして、ファヤのお母様がおっしゃっていた、このお寺の僧侶の方でしょうか?」しかし老人は肯定も否定もしないまま、ただギョンシンとテハを交互にじっと見つめるばかりだった。「食事や衣服、布団、そしてお部屋まで自由に利用させていただいております。今後、このお寺に必要な部分がございましたら、何なりとご支援させていただきます。」 「本当にありがとうございました。そして、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」目の前の老人がこの場の主であるという前提のもと、テハとギョンシンは最大限の礼儀を尽くして言葉を紡いだ。「私の妻が大きな困難に直面したせいで、こちらのお寺と洞窟のおかげでどうにか難を逃れることができました。」その瞬間、ギョンシンの口がぽかんと開いた。妻? どうしてこの人は前置きもなしにいきなり結論から結んでしまうのだろうか。当惑したものの、この状況で言い争うわけにもいかず、ギョンシンは流暢に話を組み立てていくテハを見つめながら体を微かに震わせた。テハは、自分がすべて何とかするから信じてほしいという視線でギョンシンを安心させた。
最終更新日 : 2026-10-12 続きを読む