ファファヤの家は、まさに喪家のような雰囲気だった。家の中はすっかり泣き海と化し、ファファヤの母親は額に白い鉢巻きを巻いたまま横になってしまっていた。ギュリョンのほうは2人の母娘をたびたび気遣いながら、ひっきりなしに携帯電話でギョンシンの失踪記事を探していた。「オッパ、ぐすっ……こんなことになるとは思わなかったよ。」ファファヤとギュリョンがそのあとも傍らでヒソヒソと話していると、鉢巻きを巻いて横になっていたファファヤの母親がむくっと起き上がった。母親は頭の鉢巻きを解くと、ファファヤとギュリョンの背中を容赦なくビシビシと叩きながら怒鳴りつけた。「痛っ! お母さん、痛いって言ってる割に力はなんでそんなにあるのよ!」 「今頃あのお坊さんは、あの険しい山の中で苦労しているっていうのに、これが痛いだと? あの若い妊婦がどれほど苦しんでいると思ってるんだよ!」 「それは……そうだね。お母さんの言う通り遊園地なんかに連れて行かなきゃよかった……。」母親の鋭い叱責に、ギュリョンもうなだれて席から立ち上がった。ファファヤの母親がリビングへ向かうと、ギュリョンとファファヤも慌ててその後を追った。リビングのテレビをつけるやいなや、画面いっぱいに失踪速報が流れていた。[こちらは作曲家K氏が失踪した慶尚北道慶주시月城洞と黄南面の境界に位置する、海抜495.1メートルの慶州・南山の現場です……。][作曲家K氏は南山400メートルの高地付近で連れ去られたと推定されますが、痕跡がないため、容疑者以外の共犯者によって別の場所へ移された可能性も……。]ファファヤの母娘とギュリョンの目が同時に見開かれた。ファファヤはリモコンを握りしめてテレビの音量を上げると、母親とギュリョンを交互に見た。「お母さん! オッパ! そこって私たちが行ったお寺じゃない?」 「お母様! 間違いないです! 尼僧様がいらっしゃるあそこですよ!」ファファヤとギュリョンが驚いた顔でテレビモニターの前にぐっと近づいた。画面の地形を吟味していたファファヤの母親が大きな声で叫んだ。ファファヤの母親の言葉に、ギュリョンとファファヤも迷わず出かける支度を始め出した。= = =慶州・南山、海抜400メートル。枝やツタに覆われ、外からは全く見分けられない岩の隙間、そこに洞窟が隠されていた。洞窟の中、まるで
Zuletzt aktualisiert : 2026-10-12 Mehr lesen