フェロモンを持たない令嬢は、氷の軍神に愛される ——婚約者と妹に捨てられ殺されかけた私が、冷酷な軍神の凍った心を溶かすま의 모든 챕터: 챕터 31 - 챕터 35

35 챕터

第34話 遥香がいないせいで(下)

「あちらにいらっしゃるのは……」 志津が目を向けた先には、年配の夫人たちが集まっていた。「行きましょう」 娘を促し、そちらへ向かった。「ごきげんよう。皆様、お久しゅうございます」「あら、椿男爵夫人。ごきげんよう」 夫人たちは微笑み、軽く会釈を返した。「こちらは娘の小鈴ですの。西条家との婚約も決まりまして、これからは皆様と親しくお付き合いさせていただければと思っておりますのよ」 志津に紹介され、小鈴は華やかな笑顔を浮かべた。「ごきげんよう。椿小鈴ですわ」 ところが、夫人の一人は小鈴の姿を見て、わずかに表情を曇らせた。「小鈴さん。これは、あなたのために申し上げるのだけれど……」「はい?」「茶会では、振袖はお召しにならないものよ」 小鈴の笑顔が止まった。「……まあ」 志津も思わず息を呑んだ。 言われてみれば、そのとおりだった。 華やかな夜会とは違い、茶会には茶席にふさわしい装いがある。志津とて、芸者として名を馳せた身だ。着物の格や、その場に応じた装いを知らないわけではなかった。 だからこそ、顔から火が出るほど恥ずかしい。(小鈴! 女学校にも通わせたのに、こんなことも知らないなんて!) 礼をするために重ねた指に、ぎりりと力が入った。「……ご親切に、ありがとうございます」 志津は、どうにか笑顔を取り繕った。 しかし、小鈴は納得がいかない様子だった。「でも、せっかくのお祝いの席ですもの。華やかな方がよろしいのではありませんか?」 夫人の笑顔が、わずかに強張った。「そうね。けれど、茶会には茶会の作法がありますから」「……そうですの」 小鈴は口元に笑みを浮かべたまま、不満げに目を細めた。
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第35話 復讐の茶席(1)

「本日はお越しいただき、ありがとうございます。 どうぞ、若葉の美しい庭をご覧になりながら、お過ごしくださいませ」 東雲子爵夫人の挨拶に、集まった婦人たちが笑顔で応じた。 五月の庭は、目にまぶしいほどの新緑に包まれている。柔らかな風が葉を揺らし、茶席へと続く庭先にも、清々しい空気が流れていた。 志津は扇を手に、周囲を見渡した。 東雲子爵家の茶会に招かれるのは、これが初めてではない。けれど、今日はいつもと少し様子が違うようだった。「このたびは、大変でしたわね」 近くにいた婦人が、東雲子爵夫人に声をかけた。「ええ。本当に」「皆様にお怪我がなくて何よりでした」「お気遣い痛み入ります。本日は心ばかりの席ですが、どうぞお寛ぎくださいませ」 東雲子爵夫人は穏やかに微笑んだ。志津は、その会話が妙に引っかかった。(東雲子爵家になにかあったのかしら?) それでも、こうして茶会を開くのだから、大したことではないのだろう。 志津は、隣に立つ小鈴をちらりと見た。「小鈴、今日は東雲子爵夫人に、きちんとご挨拶なさいね」「もちろんですわ、お母様」 小鈴は自信たっぷりに微笑んだ。 その姿に、志津はかつての自分を重ねる。 人目を引く華やかさ。物怖じしない態度。相手の懐に飛び込むことを恐れない強さ。 かつて花街で名を馳せた頃、志津もまた、それを武器にしてきた。 小鈴にも、きっとできるはずだ。そう信じたかった。 やがて、招待客たちは茶席へと案内された。 志津が目を向けた先には、東雲子爵夫人と、その娘の奈津子、そして――遥香の姿があった。 遥香は二人のそばに控え、何かを尋ねられては、控えめに頷いている。 志津は眉をひそめた。(なぜ、遥香があの場所にいるのかしら?) 軍人に
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