甘く囁きながら、千鶴の指先が優和の襟元をなぞった。 あまりにも魅惑的な誘いに、優和は危うく理性を失いかける。 それでも、どうにか踏みとどまった。「千鶴、俺は君を本当に大切にしたい。君と交わした約束は、必ず大切にするという俺なりの誓いでもあるんだ。だから……あとになって、君に後悔してほしくない」 そこまで言われると、千鶴の眼差しはたちまち柔らかくなった。 目の前の男を見つめるだけで、胸が激しく高鳴る。 この瞬間、千鶴は、自分も確かに優和を深く愛しているのだと思った。 優和はこれほど誠実で、どこまでも自分を大切に考えてくれる人なのだから。「もう、分かったよ。じゃあ早く退いて……重い」 優和はどこか居心地悪そうに身体を起こし、ソファへ座り直した。 けれど、昂った身体の変化までは簡単に隠せない。顔を真っ赤にしたまま困り果てている優和を見て、千鶴は何度か声を上げて笑った。「優和、私が手伝ってあげようか?」 そう言って、自分の両手を彼の前でひらひらと振ってみせる。 優和の心は激しく揺れた。 それでも頷くことはせず、赤くなった顔をわずかに背け、気まずそうに答えた。「自分で何とかするよ。君の手を汚したくない」 そう言い残すと、優和は足早に一階の浴室へ向かった。 できるだけ手早く済ませるつもりだった。 けれど、千温をそばに置くようになって以来、優和は一度も自分の手で欲望を処理したことがない。求めればいつでも千温が応じてくれたため、そんな必要すらなかったのだ。 いざ一人で昂りを鎮めようとしても、自分の手だけではまるで物足りない。身体はもっと強い刺激を、慣れ親しんだ温もりを求めていた。 それでも今は、時間をかけている余裕などない。 千鶴を待たせている。一刻も早く済ませなければならなかった。 ところが、焦れば焦るほど満たされない。 優和は苛立ちながら、硬く張り詰めた熱を握る手を激しく動かした。欲望は少しずつ高まり、やがて絶頂が目前まで迫ってくる。 そのとき、自分の脳裏を埋め尽くしているものに、優和自身は気づいていなかった。 思い浮かべていたのは、千温の柔らかな身体だった。 腕の中で震える姿も、熱に潤んだ瞳も、最後に彼女を抱いたときの感触も、あまりに鮮明に蘇ってくる。 結局、優和が最も強く求めていたのは、すぐ近くの部屋に隠してきた女だ
Last Updated : 2026-09-29 Read more